事例紹介
vol.39 日本航空(LGBT-Allyプロジェクトより)
記事日付:2025/01/06
LGBT-Ally プロジェクト とは、「We are Here!! We are Ally!!」をテーマに
ひとりでも多くのAlly(アライ)を増やすことを めざす、
アウト・ジャパンと Ally 企業との共同プロジェクトです。
今回は、【LGBT-Ally プロジェクト 2024 オープニングイベント】から
日本航空 株式会社さんの取り組みを、ご紹介させていただきます。
※日本航空さんの取り組み紹介動画は、こちら から ご覧いただくことができます。
日本航空 株式会社の取り組み
私、日本航空 株式会社、人財戦略部・DEI 推進グループの原田と申します。
本日は、日本航空(JAL)の LGBTQ 理解促進の取り組みについて、お話しさせていただきます。
どうぞ よろしくお願いいたします。
まずは、弊社の基本情報についてお話しさせてください。
皆さま、ご存じの通り、弊社は航空事業をメインとする会社でございます。
1951 年に設立した歴史の長い会社でもあります。
しかしながら近年は、上の画像の円グラフにもございます通り、マイル・ライフ・インフラの事業にも注力しております。
続きまして、日本航空の「DE & I の基本的な考え方」をお話しさせていただきます。
まずは、弊社の企業理念のご紹介です。
- 一、全社員の物心両面の幸福を追求し、お客さまに最高のサービスを提供します。
一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。
また、上記の企業理念実現をめざす上で大切にしているのが、次の Our Purpose となります。
- 多くの人々や さまざまな物が自由に行き交う、心はずむ社会・未来を実現し、
世界で一番選ばれ、愛される エアライングループを目指します。
さらに、以下は いわゆる DEI の推進ということになりますが、こちらを中期経営計画として掲げております。
また、「この多様な人財が」という部分に関しましては、“性自認・性的指向の多様性” ということも含まれています。
- 『 多様な人財が多様に活躍できる環境・文化を醸成する(DEI 推進) 』
それでは、実際に どのような取り組みをしているのか?
ここで少し説明をさせていただきます。
先述の通り、DEI 推進に注力している弊社としては、LGBTQ に関する取り組み・多様な性自認や性的指向に関する取り組みを社内で進めています。
上の画像にもございます通り、大きく分けて 3 つの柱を定めております。
- ● 制度・インフラの整備
● 教育・イベントの実施
● 風土づくり
上記 3 つの柱について、一つずつ、以下にて紹介をさせていただきます。
まず「制度・インフラの整備」につきましては、同性パートナーシップ制度の視点から、LGBTQ 当事者の社員および そのパートナーの方にも、法的に婚姻している社員と同じ制度が使用できるような形に改善しました。
また、自認する性に基づく通称名の使用については、弊社は航空事業という業務の特性上、どうしても公的証明書とビジネスネームを合わせる必要性があるという理由から、残念ながら適用が難しいところです。
可能な限り対応していこうというのが、現状のスタンスとなります。
◇◇◇
それから、社内(オフィス内)の設備面についても、お話しさせてください。
東京・品川にございます本社ビルの一部および主要空港においても、独立個室型トイレ、いわゆる性別に関わらず使用できるお手洗いを設置しています。
どの性別でも使えますよ! というピクトサインも貼り付けており、「どちらのトイレを使ったらいいのか……?」といった心理的な不安を取り除ければいいなというところで、このような取り組みを実施している次第です。
続きまして、「教育・イベントの実施」についてのご紹介です。
まずは研修についてですが、ディスカッションを交えた かなり深いところまで入り込んでいくような研修も行っておりますし、近年では、人権・アクセシビリティといった他の分野と掛け合わせまして、その中で LGBTQ の要素も盛り込んだ形での研修を実施しています。
また、昨年 2023 年度の PRIDE 月間には、アンコンシャスバイアスをテーマにした「JALグループ Diversity Day」を開催。
アウト・ジャパンの屋成さん、それから、KANE and KOTFE の お二人にもお越しいただき、映画上映会実施後にはトークセッションも行いました。
2024 年度も、これに近い内容のイベントを実施予定です。
ここでは 3 つの柱の最後、「風土づくり・社外活動」についてお話しさせてください。
弊社が参加させていただいているレインボープライド・パレードは、札幌と九州です。
いずれも弊社のブースを出させていただきまして、また、LGBTQ の権利を主張するパラレルの方も併せて歩く形で参加をしております。
それから、金沢プライドウイークにつきましては、上の画像の下部真ん中辺りにシールがあるかと思いますが、こちらをパレード当日の朝の便にご搭乗いただいた方にお配りしたり、空港のチェックインカウンターにレインボーフラッグを掲示したり、さらに、イベント紹介のポスターを貼らせていただくなど、さまざまな宣伝も行っております。
東京のプライドに関しましては、(先程、SG ホールディングさまからも お話がありましたが)LGBT-Allyプロジェクトの沿道応援企画の方に 2023 年度 参加いたしましたし、2024 年度も引き続き参加させていただく予定です。
今までは どちらかというと社内向けの話が多かったかと思いますので、最後に、社外に向けた発信・取り組みについても以下でお話しさせていただきます。
まず、お客さまへ向けての取り組みとしましては、マイレージバンクで、同性パートナーの方も配偶者に準じた特典サービスをお受けいただくことが可能となりました。
また、現在は性別表記を基本的に撤廃しておりますし、PRIDE 月間の時期に合わせて弊社の SNS ロゴを変えたりもしています。
それから、数年前にも話題になりましたため ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、皆さまも よくご存じの機内アナウンス「レディース&ジェントルマン」という表現を、ジェンダーニュートラルなものへ変更しました。
上記こういった取り組みの結果、プライド指標は 8 年連続でゴールドを受賞しています。
私からは、これで以上となります。
今後も Ally プロジェクトに参加をさせていただいて自社の取り組みを深めていくとともに、プロジェクト参画の他企業さまと一緒に、LGBTQ の社会の理解促進にも貢献できればと考えております。
2024年度も、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました!
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