事例紹介

vol.34 タガヤ(LGBT-Allyプロジェクトより)

記事日付:2024/12/24



LGBT-Ally プロジェクト とは、「We are Here!! We are Ally!!」をテーマに
ひとりでも多くのAlly(アライ)を増やすことを めざす、
アウト・ジャパンと Ally 企業との共同プロジェクトです。

今回は、【LGBT-Ally プロジェクト 2024 オープニングイベント】から
株式会社タガヤさんの取り組みを、ご紹介させていただきます。

※タガヤさんの取り組み紹介動画は、こちら から ご覧いただくことができます。


株式会社タガヤの取り組み


皆さま、こんにちは。
株式会社タガヤです。

それでは、株式会社タガヤのサステナビリティ・LGBTQへの取り組みについて、紹介させていただきます。
よろしくお願いいたします。



まず簡単に、会社の概要についてお話しさせてください。

私どもは、1974 年に京都で設立いたしました、ブライダル専門の企業でございます。
京都と大阪、神戸で結婚式場を運営しておりまして、また、併せてドレスショップなども運営をしております。

2020 年以降は、ブライダル以外のイベントプロデュースや、写真・映像、webマーケティング、飲食・物販事業といったサービスを多角的に発展させる形で、現在は総合サービス企業として活動しています。



また、2020 年には社会貢献活動の一環として、 一般社団法人 日本ノハム協会 と連携し「no harm=害が無いこと」を めざす社会を、私たちと同じ中小の企業さまに浸透させていく……という活動を実施。

企業さまのサステナビリティ推進の支援を行う、こういった団体の発足、そして それに関連する活動もさせていただいております。


続いて、『タガヤの重要課題とサステナブルの取り組み』に関するお話です。

環境という観点に関しましては、気候変動対策・再生可能エネルギー電力の採用をしたりですとか、飲食を扱う事業における食品ロス削減、また、(下の画像に紐づくお話となりますが)地産地消の食材を仕入れるといった取り組みを行っています。



また、一企業としての事業登録のお話をさせていただきますと、例えば、有事の際に帰宅困難者となってしまった方たちの支援として施設登録をしているなど、多様な活動を行っております。

さらに今後 力を入れていこうと考えておりますのが、「サービスの多様化」です。

さまざまな、そして包括的なテーマがあるのですが、お料理に関して例を挙げますと、アレルギー、ベジタリアン、ビーガンなどの料理対応となります。
また、高齢者や国際カップル、インバウンド(訪日外国人旅行者)など さまざまな皆さまに対して私たちがサービスを提供させていただく中で、今後さらに LGBTQ カップルの方たちの受け入れ強化も積極的に行っていきたいと考えております。

そのため、今期(2024 年度)より、Ally プロジェクトに参加させていただきました次第です。



ここで、上の画像にございます、弊社の「事業視点」でのお話もさせてください。

サステナブルをコンセプトとしたフレンチレストランを東京にオープンさせていただき、ミシュランおよびグリーンスターの評価を得ております。

さらに、多様な食のニーズを考えた お菓子の企画開発であったり、京都市の観光誘致という視点から「二条城の世界遺産ウエディング」といった商品開発なども行っています。

「ブライダルに軸を持ち、さまざまな方に安心して ご利用いただけるようなサービスを展開していきたい」
これが、私たちの今後の事業展開のキーとなっていくと思います。



ここからは、2024 年度から特に力を入れております、弊社の『LGBTQ への取り組み』について具体的にお話しさせていただきます。

まずは、「同性婚法制化への賛同」です。
カップルの ご結婚に際して私たちのサービスを提供する機会があるわけですが、私たちは、婚姻の平等という考え方から「同性婚法制化への賛同」をさせていただいております。

併せて実施させていただいております「社内への啓蒙活動」においては、ダイバシティ・多様性、そして LGBTQ への理解を深めるために、全社員を対象とした社内研修を実施しています。

弊社従業員が こういった知識を深めることは、ひいては「お客さまに安心して ご利用いただける弊社サービス」に直結すると考えます。

そのため、“LGBTQ カップルの方々に ご満足いただける相談窓口” を意識して、待ちのスタンスではなく、LGBTQ カップルの皆さまに喜んでいただけるようなイベントプランを作成するなど積極的な姿勢も大切にしながら、2024年度は どんどん情報を発信していきたいと考えています。



「LGBTQ ウエディングの実施」については、実は既に 10 年ほど前より、国際結婚のカップル、ゲイのカップルをはじめとして、主に海外カップルのお手伝いをさせていただいている状況です。

特にコロナ禍前、インバウンド・ウエディングが非常にニーズが高かったときに、多くのカップルの お客さまが LGBTQ であったということで、皆さまのリクエストを伺いながらオーダーメイドでお作りするような形が私たちのサービス提供のスタートでした。

今は日本人の LGBTQ カップルの皆さまのニーズも増えてきておりまして、そういった方々の お衣装の組み合わせは当然、「タキシード × タキシード、ドレス × ドレス(※ 1)」のパターンが多いわけです。

また、後述いたします お手洗い・お着換え室(※ 2)に関する さまざまなニーズがあるということを、お客さまから学ばせていただくことが非常に多く、「LGBTQ のカップルだからこそ、このプランがオススメです」というような決め打ちの形では実は ご満足いただけない……ということも、おかげさまで理解することができました。

こういった学びを得る中で、(ストレートのカップルの お客さまにも言えることなのですが)どのカップルさまであっても個々のニーズというものがあり、「それぞれの ご要望を伺った上でオーダーメイドで作り上げる」というスタイルが本来あるべき姿なのではないか? と考えております。



次に、弊社が提案させていただく「結婚式への不安を解消するための準備」について、お話しさせてください。

私どもはブライダルサービス企業でございまして、当然、プランナーと言われる総合担当者がおりますし、衣装のスタイリスト、また、お花を制作するフローリスト、写真や映像を撮影・作成するものなど、さまざまなプロフェッショナルの担当者が、ご両家さま、そしてカップルの担当として つかせていただきます。

上記それぞれの役割におきまして「結婚式の不安を解消するためには、どういうところを気にしたり、改善するべきか? どういう準備が必要なのか?」ということは、カップルさまのニーズを伺うたびに、都度 各事業部の中で議論を重ねた上で連携をさせていただきながら、改善をすべき点、また、今後取り組んでいくべき点を議論しています。

また、「(WEB の)検索」という視点では、LGBTQ の お客さまが求めている情報を検索しやすいように SEO 対策をしているほか、LGBTQ 専用ページの制作、レインボーロゴの掲載などで LGBTQ 訴求も行っております。

さらに、「(結婚が)法的に認められていない自分たちが式自体を挙げていいのか?」といった もう一歩手前の戸惑いに関する声を伺うことも多いため、まずは私たちのサイトで そういったご相談を承ることができるような窓口(新規のWEBページ)を、2024年の夏までに作成できればと考えております。

それから、弊社の「お電話やメール・WEBでの、お客さま お問い合わせ対応スタッフ」 に関しても、少し触れさせてください。

今、上記お問い合わせスタッフに対して、“パートナー” というワードの使用を徹底していくよう周知をしています。
私たちの業界では、どうしても “ご新郎さま・ご新婦さま” というワードを使用することが刷り込まれてしまっているため、「“パートナー” というワードを最初に発するワードとして使用する」ことを徹底し、日々の会話から これまでの当たり前だった感覚を変えていきたいと思っております。


    ◇◇◇


長くなりまして申し訳ありませんが、もう少し、「ご来店いただきましたお客さまに対する接客」などについてお話しさせてください。

先述のレズビアン カップルさまの “ドレス × ドレス(※ 1)” についてですが、どうしても、ご予算が高くついてしまいます。
そのため、「お得なプランを作ってもらえたらいいな……」というお声をいただく中、どこに一番こだわりたいのか? も併せて伺いながら、ご予算のバランスなどを加味した上でプランナーより提案させていただきたいと思っています。



また、弊社店舗にて お客さまと式のお打ち合わせをさせていただく際に、他のカップルさまとテーブルを ご一緒いただくことがあるのですが、これが気になってしまう! というカップルさまも いらっしゃいます。

そこで、基本的には、一日御二組、午前の部・午後の部で分けさせていただくという予約形態になっています。

それから、お手洗いや お着替え室(※ 2)などのネームプレートに関しても、「LGBTQ を前面に出すより、通常のカップルと同様に私たちを扱ってほしい(=特別扱いしないでほしい)」というご意見をいただいております。 そのため、結婚式場のコーディネートを含めて、男女兼用のプレートやピトグラムなどを使用したり、“ALL GENDER” という表現を用いるなど、さまざまな配慮をさせていただいています。



最後に、『タガヤグループが最終的にめざすウエディングの形』について、お話しさせてください。

タガヤグループ全体、結婚式場、衣裳展、その他 付帯するサービス全般で、私たちは “結婚式” の概念を形式的なイベントではなく、「未来につながる本質的な価値や喜びを、大切な人と分かち合う」ことをテーマに、多くの人々の幸せや夢を実現する。
このようなことをモットーにしております。

特に “アニバーサリーイベント” という表現を よく使うのですが、「人にも・社会にも・環境にも優しい」、そういった結婚式場サービスを提供していきたい、それが そもそもの理念です。

先述の一般社団法人 no harm(ノーハーム)の立ち上げにも関連しますが、ブライダルにおいても「誰も気続けない(誰も取り残さない)、新しい価値ある事業」を展開して、どんな方でも楽しめる、(LGBTQ の皆さまも含めた)サステナブルなウエディングに取り組んでいきたいと考えています。




以上でございます。
ありがとうございました!


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