事例紹介

vol.33 家や不動産(LGBT-Allyプロジェクトより)

記事日付:2024/12/23


今回は、上記項目から本プロジェクトに関係するスライドのみ紹介させていただきます


LGBT-Ally プロジェクト とは、「We are Here!! We are Ally!!」をテーマに
ひとりでも多くのAlly(アライ)を増やすことを めざす、
アウト・ジャパンと Ally企業との共同プロジェクトです。

今回は、【LGBT-Ally プロジェクト 2024 オープニングイベント】から
株式会社 家や不動産さんの取り組みを、ご紹介させていただきます。

※家や不動産さんの取り組み紹介動画は、こちら から ご覧いただくことができます。


株式会社 家や不動産の取り組み

株式会社 家や不動産 會田さん


東京の上野からまいりました、株式会社 家や不動産、代表の會田(あいだ)と申します。

(本イベントの開始より、折り返しあたりまで来たことにより)そろそろ お疲れが出るころではないか? と思いますので、ちょっと刺激的な話を交えていきたいと思います。
また、本題から それる話もあるかと思いますが、皆さま、どうぞ よろしくお願いいたします。



「まちの不動産屋さん」の目線で、LGBTQ 当事者の方々に対する活動についてもお話しさせていただければと思っております。

まず、弊社の会社概要についてですが、上の画像を ご覧いただけますと幸いです。

また、この場では、普段 皆さまが耳にしないようなお話もさせていただければと思っています。
早速 以下にて、そのお話をさせていただきます!



LGBTQ 当事者の皆さまは、「同性同士、賃貸で部屋を借りにくい」ことを ご存じである方も少なくないのでは? と思います。

そこで私たちは LGBTQ 当事者のためのオウチ(お部屋)探しの相談窓口というものを設けており、そこへ お越しいただいた お客さまの事例が、今回のお話となります。




3 カ月以上前のお話となりますが、40 歳代後半のLGBTQ 当事者の方(男性)で、当時は賃貸の住宅に住んでおられた お客さまが、弊店に ご来店くださいました。

「パートナーができたので いざ住み替えよう! となったときに賃貸物件は借りにくいだろうな……ということは分かっていた」ため購入を決断された、というのが、その お客さまの最終的な結論でした。
(実際に、東京都北区で購入された方の事例となります)

先述の「同性同士は賃貸入居が難しい」ことの具体的な理由としては、大家さんやご近所さんに対して(双方)息苦しさ・肩身が狭さを感じる部分がある……というものがあります。

そういうこともあり購入を決意されたそうですが、ここで一点、落とし穴がありました。

それは、管理規約・使用細則のお話です。

使用細則の中に “お部屋の数よりも(居住)人数が多い形で住んではいけない” という条文があったそうで、その方は すごく後悔されており、「購入をする前に使用細則まで きちんと読み込まなかった私が悪いんですが……」というお話をされていました。
しかし、私たち不動産屋から見れば、そんなことは一切ありません。

「静かに暮らしたい」ということは多くの方にとって重要なことかと思いますが、そもそも、管理規約・使用細則というものは所有者の皆さまで随時 変更などができます。

しかし、このお客さまとしては、管理会社さんや近隣の方に対して波風を立てたくない、パートナーに肩身の狭い暮らしをしてもらいたくない……といった いろいろな思いが交錯されていたようで、お話しされいてる途中でポロポロと涙を流されることもありました。
(私も思わず、泣きそうになりました……)

この話については、「誰が悪い」ということではありません。

昔は、一つのお部屋に何人でも住むようなケースもあったかと思います。
しかし、今は そんな時代ではないため、そういうことを想定すること自体、必要ないと私は認識しています。

また、このようなルールを設けたということは、住民の皆さま および管理会社さんが、シンプルに、過度な人数でお住まいになることを好ましくないと感じたのだろうな……と考えます。


    ◇◇◇


(話を戻させてもらいますが)涙を流されている そのお客さまを目の当たりにして、私は、もう なんてお話ししていいのか回答に困りました。

ところが、実情をお話ししますと、管理規約というものは(その共同住宅に住んでいる)皆さんの同意があれば変えることができます。
実際のところ、このお客さまも このマンションのオーナーであるわけですから、「お二人で1LDK」に住んでいることが問題になるようなことはありません。

また、「ポストのネームプレートが連名でもよいのでしょうか?」という ご質問もいただいたのですが、それについても、東京での共同住宅の生活は、住人同士が干渉し合うようなカルチャーではないので大丈夫ですよ! と申し上げました。

そして、「自身を持ってください! 何かあっても、パートナーさんと毅然(きぜん)とした態度で主張してください。本当に困ったら、もう 1 回来てくださいね」ともお伝えしました。

その後、3 カ月ほど経ちましたが、お客さまからの ご連絡はありませんので、平穏無事に暮らしていただけているのではないか……と思っています。




以上、上記のような事例が私の周りには たくさんありますので、今回その一つを紹介させていただきました。
ありがとうございました!


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