お問い合わせ

LGBT関連ニュース

同性パートナーを弔う機会を奪われた男性の訴えを、大阪地裁が退けました  

記事日付:2020/03/28

 たいへん残念な判決が下りました。
 約45年連れ添った同性パートナーが急死し、パートナーの親族から火葬に立ち会うことを拒否され、共同経営の会社も親族に奪われ、精神的苦痛を受けた大阪府の男性がパートナーの親族に損害賠償を求めていた裁判(詳しくはこちら)で、大阪地方裁判所が訴えを退けました。

 男性は1971年から、8歳上のパートナーと同居しており、お二人は男性が実質経営する事務所の収入で生活していました。名義としてはパートナーの方が事務所の代表になっていましたが、実質的には男性のほうが働いて生計を立てていました。死別後に互いに財産を残せるよう養子縁組する約束をしていましたが、手続きをする前の2016年3月にパートナーの方が心臓発作で急死しました。パートナーの親族の女性(妹)は、同居する二人の関係を理解していたように見えましたが、死亡後に態度が一変し、葬儀で家族席に座ることや火葬への立ち会いを拒否。夫婦のように長年連れ添ったことに対しても「何の意味もない」と一蹴、親族女性の代理人弁護士は「あなたには何の権利もない」と言い放ちました。そして、パートナー名義の通帳を持ち出したり、廃業通知を勝手に取引先に出したりして、事務所が継続できなくなり、男性は多大な精神的苦痛を受けました。男性は、パートナーの親族女性に対して慰謝料700万円の支払いとパートナーが生前に約束した財産の引き渡しも求め、大阪地裁に訴えを起こしました。

 訴えを起こした男性は、関西テレビの取材に対し、「正月なんかも、おせち料理を買わず自分で作って祝ったり、普通の男女と同じような生活がずっと続いていた」「(亡くなったあと)僕の人格や、二人が暮らした痕跡を全部なくしてしまうようなことをされた」「同性愛者への嫌悪から、弔う機会を奪った」と語りました。
 親族は裁判で「あくまで一緒に住む居候であり、同性カップルであると聞かされたことはなかった」と反論していたといいます。

 3月27日の判決で、大阪地裁の倉地真寿美裁判長は、パートナーが同性愛者であることや男性との関係を隠していたと指摘し、親族は男性について「(パートナーが)雇用している従業員で、同居の居候と認識していた」とし、夫婦同様の関係にあると親族が認識していた証拠はなく、不法行為は成立しないと判断しました。
 男性側は、生前に財産贈与の合意があったとも主張したものの、倉地裁判長は「男性の供述以外に証拠がない」として、合意の成立を認めず、男性の訴えを退けました。
 
 男性は、「こういう結果になり、非常に残念で仕方ない。40数年間一緒に暮らしたことの重み、人生の重みを(裁判官に)感じてほしかった」と語りました。
 男性は、判決を不服として控訴する方針です。

 先進国であるはずなのに、日本では同性カップルの権利を保障する法律が整備されておらず、このような悲劇が繰り返されてきました。多くの方たちは世間のバッシングを恐れ、泣き寝入りすることを余儀なくされてきたと思います。今回が初めての訴えです(その勇気に感謝している方が大勢いらっしゃるはずです)
 ただパートナーが同性であるというだけで、なぜ、最愛の人を失ったうえに、火葬にも立ち会えず、財産を持って行かれるような、ひどい目に遭わなければいけないのでしょうか。この国はいったい、いつまでこのような悲劇を容認するのでしょうか。一日も早く、このような不平等(差別)が解消されるようになることを願ってやみません。
 



参考記事:
「同性パートナーを弔う機会、奪われた」男性の訴え 大阪地裁は退ける(関西テレビ)
https://www.fnn.jp/posts/2020032719094715KTV
同性パートナーの相続認めず 親族「居候と認識」―大阪地裁(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032701015
同性パートナー訴訟、請求を棄却 相続や火葬参列認めず、大阪地裁(共同通信)
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020032701002444.html
同性カップルに「相続合意なし」 大阪地裁、主張認めず(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200328/ddm/012/040/055000c
同性パートナーの遺産引き渡し認めず 大阪地裁(産経新聞)
https://www.sankei.com/west/news/200327/wst2003270046-n1.html

よく見られている情報