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レディ・ガガをはじめ多くの著名人が、トランスジェンダーへの支援を表明

 トランプ政権が性別の変更を禁じる法案を検討しているという衝撃的な事実が明らかに…トランスジェンダーへの迫害ですというニュースでもお伝えした通り、『ニューヨーク・タイムズ』紙が10月21日、米トランプ政権が、ジェンダーを生まれ持った生殖器によって決まる生物学的性別であり不変なものであると定義する(性別の変更を禁じる)法案を準備していると報じ、大騒ぎになりましたが、10月22日には、この法案について報道陣から問われたトランプ大統領が「真剣に検討している」と認め、事実として確定されました。
 
 この暗澹たる状況に対して、人々は即座に声を上げはじめ、多くの人たちがトランスジェンダーを支援するメッセージを発しています。
 21日にはニューヨークのワシントンスクエア公園で集会が開かれ、22日にはホワイトハウス前で開かれ、トランスジェンダーが社会から抹殺されることなどありえない、「We will not be erased」と叫びました。
 『ニューヨーク・タイムズ』の報道の数時間後には、#WontBeErased(私たちは消されたりしない)というハッシュタグが作られ、ソーシャルメディアを駆け巡り、多くの当事者やアライが投稿しました。
 レディ・ガガやシーアといったセレブが、また、ラヴァーン・コックスやチャズ・ボノに代表されるトランスジェンダーの当事者が、そして人権団体や政治家らが次々と、#WontBeErasedのツイートを行い、トランスジェンダー支援を表明しました。以下、ピックアップしてご紹介します。

レディ・ガガ
「トランプ政権は、ここではない別の世界に生きているのかもね。私たちは社会や文化(の一員)として、私たちがどういう存在かを理解しているし、真実を知っている。彼らに性自認のことを教育するため、結束し、声を上げないといけない」
 
シーア(『シャンデリア』が大ヒットしたシンガー・ソングライター。バイセクシュアルであることを公にしています)
「トランスジェンダーの権利は人権です。トランスジェンダーの権利は私たちの権利です」

ラヴァーン・コックス(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』への出演で有名になったトランス女優)
「私たちは闘いをあきらめてはいけない。しかしこの、私や私のコミュニティの存在への侮辱に直面して、私は恐れではなく、愛を選ぶ。私たちは存在し、いつも有している」

チャズ・ボノ(シェールの娘、チャスティティとして生まれ、のちにFtMトランスジェンダーであるとしてチャズに改名し、男性タレントとなった)
「私は、私という存在を無きものに再定義しようとする政権に対しての怒りを表明することはしないでおく。ただ、アメリカを偉大にしてきた多様性という価値を恐れるトランプの狭量な政権に、別のプレゼントをしようじゃないか。そう、投票だ」

チェルシー・マニング(元軍人のトランス女性。ウィキリークスへの米軍の情報のリークで有名に。『Vogue』誌の125周年記念限定コレクションの表紙を飾ったりもしている)
「法が私たちの存在を決めるのではない。”私たち”が自分で決めるのだ。それは私たちの武器。私たちのシェルター。私たちのエネルギー。私たちの癒し。私たちの真実。私たちは前に進み続ける。闘い続ける。存在が”私たちの”唯一の法だ」

バーニー・サンダース(上院議員。2016年大統領選の民主党予備選でヒラリーと争った人)
「この政権の残酷さと頑迷さは本当に底なしだ。私たちは、トランスジェンダーの兄弟姉妹を守るためにあらゆる手立てを尽くさなくてはいけない」

ギャビン・ニューサム(カリフォルニア州副知事。サンフランシスコ市長時代に、同性婚を解禁したことで知られる)
「まさに存在している人々のあからさまな否定以外の何物でもない。端的に言って、間違っている。とても容認できるものではない」

カマラ・ハリス(カリフォルニア州の上院議員で、初の女性大統領になる人物ではないかと言われている人物。提案8号(同性婚を州法で禁止する住民投票)をめぐって同州で裁判合戦が行われていた時期に司法長官を務めており、同性カップルを支援する立場を明確にして、感謝された人)
「トランプ政権が、また必要のない残酷な方針を打ち出してきた。トランスジェンダーの人たち、私たちはあなたたちの味方です。消されるなんて絶対に許さない」

ウィメンズ・マーチ(トランプ大統領就任式翌日に首都ワシントンD.Cで行われた行進)
「トランスジェンダーやXジェンダー(自認する性別が典型的な男/女に当てはまらない人々)は、打たれたり、収監されたり、存在を抹消されたりすることはない。トランスジェンダーの権利を守れ。トランスジェンダーの命を守れ」

アメリカ自由人権協会(主に権利章典で保証されている言論の自由を守ることを目的とした、アメリカ合衆国で最も影響力のある非営利団体の一つ)
「もしトランプ政権が、このトランスジェンダーへの憎悪に満ちた残酷な政策を推し進めるなら、私たちは法廷で、路上で、彼らに対面するだろう。トランスジェンダーを政争の具にしようとするあらゆる試みに、私たちは毅然と抗するだろう」


 日本でも、今回の件を報じたWeb上のニュース記事に対して、そら見たことかとばかりに差別的なコメントがつけられていたりして、決して対岸の火事ではない、無関係な話ではないと実感させられます。性自認への無理解・ハラスメント・差別をやめさせ、アライを増やしていくような活動の必要性がますます切実なものになっていきそうです。



参考記事:
トランスジェンダー排除の方針に『#私たちは消されない』広がる。当事者の思いは「何があっても、黙らない」(ハフィントンポスト)
レディー・ガガ、トランスジェンダー排除を検討しているトランプ政権を批判「リーダーシップが無知によって動かされている」(Billboard Japan)

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