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ソウルで3年ぶりのプライドフェスティバル&パレードが開催されました

 7月16日(土)、ソウル市庁舎前のソウル広場で、3年ぶりとなるSeoul Queer Culture Festival(SQCF)のプライドフェスティバルとパレードが開催され、約1万3000人が参加しました。


 ソウルでは2019年にSQCFが第20回の節目を迎え、初のソウル・ピンクドットと第20回ソウル・クィア・パレードが2日間にわたって開催され、約7万人が市内を派手に行進しました(レポートはこちら
 2020年以降はコロナ禍のため中止となっており、今回、3年ぶりにリアル開催されました。
 
 SQCF(ソウル・クィア文化フェスティバル)の実行委員会はこれまで通り、正当な手続きでソウル広場の使用届を出していました。が、先月15日にソウル市役所本館8階で行なわれた「開かれた広場運営市民委員会」の場で、委員から「前についているソウルというのは外していただきたい。何だかソウル市が認めたみたいだし、単なる彼らだけの文化祭として進めていただけたら。あれがどうして文化なのかもよくわかりませんし」などと注文(イチャモン)がつけられたり、6日間と申請した使用期間が「一般市民との軋轢をそれなりに最小化するという側面から、期間を少し短縮しよう」(ここでいう“一般市民”とはパレードの横で反対集会を行なう宗教系の人々です)などという注文(イチャモン)がつけられ、結局土曜日の1日だけとなったそうです。当初、委員たちは全面不受理の決定を下そうとしていましたが、2019年のSQCFでは、特に問題は報告されておらず、不受理の大義名分がないということで、条件付き受理に方向を転じたそうです(詳細はこちら
 このようないやがらせもあって、1日だけの開催となってしまいましたが、7月16日(土)、3年ぶりとなるSQCFのプライドフェスとパレードが開催されました。
 
 ロイターによると、当日はソウル広場にLGBTQ団体や大学のLGBTQサークル、大使館、人権団体などのブースが72も並び、レインボーフラッグやプラカードを持ったりフェイスペインティングなどをした約1万3000人の参加者が集まりました。
 参加したドラァグクイーンのハリケーン・キムチさんは「3年ぶりにオフラインのフェスティバルが開催されて本当にうれしい。LGBTQは年に一度現れる気持ち悪い人たちではなく、みんなと同じように日々を生きている人たちです」と語りました。「クィア・フェスティバルは年々大きくなっていて、多くのLGBTQが隠れることなく参加するようになってきています。なぜなら可視化が社会をよりよくしていくことにつながるからです」
 米国大使館のフィリップ・ゴールドバーグ大使も集会に参加し、LGBTQ平等法の制定などを支持し、LGBTQコミュニティへの支援を表明するスピーチを行ないました。「誰もが経緯と人間性をもって扱われることを保証し差別を終わらせることへの米国の強いコミットを表明します。私たちは、みなさんのうちの誰も取り残すことはしません」「私たちは平等と人権のために闘います」
 ニュージーランド大使館のフィリップ・ターナー大使も「性的指向を含め、誰もが自由な人生を送ることができなければならない」と述べ、連帯を表明しました。
 集会の後、(あいにくの雨となったようですが)プライドパレードも行なわれ、約1万3000人の参加者がソウル広場を出発し、乙支路入口、鐘閣の前を通って再びソウル広場に戻るおよそ3.8キロをパレードしました。
 
 一方、ソウル広場をはさんだ路上や市内各地でキリスト教系団体による反対派の集会も行なわれました。
 ソウル市議会と徳寿宮大漢門前の反対集会では「同性愛祭を市庁広場で開くことができるよう許可を出したということはあってはならないことだ。同性愛祭で発生したすべての責任は呉世勲ソウル市長が負わなければならない」と糾弾したといいます。
 反対集会の現場では一部の集会参加者が「同性愛反対」を叫びながらクィア・フェスティバルが開かれているソウル広場のほうに行こうとして警察の制止を受け、数分間言い合いになったといいます。
 このような反対集会は以前から続いており、2014年のパレードではアンチ派のキリスト教団体が道に寝そべったり座り込んだりして妨害を行なったため、中断を余儀なくされ、約5時間かかって警察が妨害者をどかし、パレードが再開されました。2015年には、こうした衝突が起こる可能性があるとの理由で警察がパレード開催の許可を拒み、開催を求める署名などの運動が展開され、結果、過去最高の約3万人が参加してパレードが開催されました(その後、反対派が妨害しないように警察もガードしてくれるようになったようです)
 
 なお、SQCFはパレード&フェスだけでなく、韓国クィア映画祭も15日から31日まで開催しています。

 韓国のプライドパレードはソウルだけでなく、大邱市や釜山、済州、全州、仁川、光州などにも広がりを見せています。やはりキリスト教系団体の妨害に遭ったり、一筋縄ではいかないようです(昨年には済州のパレードの主催者の方が自死で亡くなっています)。それでも、PRIDEを胸に、各地でパレードが次々に立ち上げられ、LGBTQコミュニティの方々声を上げていることは素晴らしいです。応援します。
 


参考記事:
Thousands take part in Seoul LGBT festival, protesters rally(ロイター)
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/thousands-take-part-seoul-lgbt-festival-protesters-rally-2022-07-16/
ソウル都心で3年ぶりのクィア祭…反対集会も激烈=韓国(wowkorea)
https://www.wowkorea.jp/news/korea/2022/0716/10356251.html
ソウル広場に広がる大きな虹(朝鮮日報日本語版)
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/07/17/2022071780034.html
ソウルで3年ぶりに性的少数者の「クィア文化祭」(KBS World)
https://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=82807

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