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歴史的! タイの下院第一読会で婚姻平等法案が採択されました

 タイ国会で結婚平等法案が提出、政府はシビルパートナーシップ法を通す意向とのニュースでお伝えしていたように、タイでは、政府がシビルパートナーシップ法(同性カップルにシビルパートナーシップという準同性婚を認める法。欧米の多くの国も、初めはシビルユニオンを認め、やがて結婚の平等の実現へと進んでいます)を推進しているのに対し、野党・前進党が、LGBTQコミュニティの支持を得て婚姻平等法案を国会に提出していました。6月15日、タイの下院本会議の第一読会で、前進党の訴えが聞き入れられ、婚姻平等法案が採択されました。今後、第二読会、第三読会を経て上院で承認されれば、婚姻平等法が成立します。


 下院第一読会では15日、政府が推進する「シビルパートナーシップ法」(同性カップルにシビルパートナーシップという準同性婚を認める)、与党民主党が提出した「シビルパートナーシップ法」(あらゆるジェンダーのカップルを対象にシビルパートナーシップを認める)およびシビルパートナーシップ法施行に伴う民法の改正案(結婚を男女間に限定する規定を修正)、そして前進党が推進する婚姻平等法案という4つの法案が審議され、すべて採択されました。
 
政府のシビルパートナーシップ法案: 賛成222・反対167
民主党のシビルパートナーシップ法案: 賛成251・反対124・棄権30
シビルパートナーシップ法施行に伴う民法改正案: 賛成230・反対169
婚姻平等法案: 賛成210・反対180・棄権4

 婚姻平等法の最も熱心な支持者である前進党のThanyawaj Kamolwongwat議員は国会で、LGBTQは正しく彼ら自身に備わっている、そしてその価値がある権利を差別なく適用することを求めていると訴えました。
「もしこの法案が採択されれば、国会のオープンマインドさを示すことになるでしょう。それは前進党のためではなく、人々のための勝利になるでしょう」
 
 民主党のシビルパートナーシップ法案を推進するIssara Seriwatthanawut議員は、内閣が提出した法案に対し、結婚を男女に限定することでLGBTQを二級市民に分類するものだと批判し、民主党の法案はよりオープンで、あらゆるジェンダーの間の結婚を規定するものだと説明しました。

 国会の外では、婚姻平等法こそ、ジェンダーに関係なくあらゆるカップルの結婚を可能にするものだとして、LGBTQコミュニティのメンバーが下院に婚姻平等法を採択するよう求める要望書を提出しました。この要望書は、下院議長の政策秘書に手渡されました。
 LGBTQのグループは、政府のシビルパートナーシップ法案は受け入れられないとしています。
 
 婚姻平等法案は、以前、内閣によって反対されています。その言い分は、単に、政府が法案を提出しているのだからこの法案は“冗長(不必要)”だというものでした。

 第一読会という最初のステップとはいえ、国会で婚姻平等法案が採択されたことは、歴史的です。特別法による同性婚ではなく、民法改正による「婚姻の平等」を認める法案が国会で採択されたのはアジア初です。
 前進党のPita Limjaroenrat党首は、「結婚平等法案の採択は、すべての人の結婚の平等への偉大な一歩だ」と語りました。
 Thanyawaj議員は、この法案を支持してくれたすべての議員に感謝しました。
 
 
 
参考記事:
同性婚を認める法案、下院第1読会を通過(NNA)
https://www.nna.jp/news/show/2351209
Parliament passes marriage equality bill, 3 other drafts(Bangkok Post)
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2326978/parliament-passes-marriage-equality-bill-3-other-drafts

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