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世界で最もLGBTQフレンドリーな都市はレイキャビク、米国ではサンフランシスコがトップ

 英国の金融商品比較サイト「Money.co.uk」が新しい分析調査を実施し、世界のLGBTQフレンドリー都市のランキング「The most LGBTQ+ accepting cities」を発表しました。その結果、アイスランドのレイキャビクが1位となり、オランダのアムステルダム、ロッテルダム、米国のサンフランシスコが続く結果となりました。


 これまで、その国で整備されている法律(差別禁止法や同性婚、性別変更)などに基づいた国別のランキングはいろいろありましたが(有名なのは『スパルタカス』誌のランキングです)、都市別のランキングは、意外に多くはありませんでした。
 今回の「The most LGBTQ+ accepting cities」で分析に使われたのは、例えばSocial Progressから入手した各国の受容度に関する世界的な指標、人口10万人当たりのLGBTQ施設の数を示すTripadvisorのデータ、出生証明書や運転免許証の性別表示変更がどれだけ容易か、成人におけるLGBTQ自認の割合、子育てをしている25歳以上のLGBTQ成人数など、様々なデータです。
 その結果、世界で最もLGBTQの受容度が高いのは、アイスランドの首都レイキャビクとなりました。レイキャビクのLGBTQ受容度スコアは満点の10ポイント。LGBTQ向けのバーやクラブも(人口に比して)最多で、それらの質も高いことが結果に反映されたようです。2位、3位にはオランダのアムステルダム、ロッテルダムが続きました。アムステルダムとレイキャビクのスコアの差はほとんどなく、ロッテルダムは、LGBTQ向けのバーやクラブの数が上位2都市に比べると少ないため、この順位になったようです。4位はサンフランシスコ(米国で1位)で、人口10万人当たりのLGBTQ施設の数が全都市中2番目に多く、Tripadvisorの平均評価も星4.2つと高いのが功を奏しています。サンフランシスコは長年、全米でも最もLGBTQコミュニティの結束力が強く(伝説のハーヴェイ・ミルクを当選させ、レインボーフラッグを生み出しました)、リベラルで進歩的なLGBTQの避難所であるという長年の評判や、LGBTQ運動の歴史を考えると納得の順位です。米国ではほかに、ボストン(11位)、シアトル(12位)、ロサンゼルス(16位)、シカゴ(17位)の5都市がランクインしています(ちなみに、発表されたのは20位までで、欧米以外の都市は入っていませんので、日本の都市が何位になるかはわかりません)

 
 これまでの国別のフレンドリー度の指標では、例えば「SPARTACUS Gay Travel Index 2019」では、LGBT差別禁止法の有無、同性婚やシビルユニオン(同性パートナー法)の有無、同性カップルの養子縁組の権利などが重視されていましたが、今回のランキングでは、実際に子育てをしているLGBTQの数(制度が整っているだけでなく)、出生証明書や運転免許証の性別表示変更がどれだけ容易かといったトランスジェンダーの生きやすさの指標も入っていて、LGBTQの暮らしやすさを測るうえで、より今の実情に合うようにアップデートされた指標になっているという印象です。
 日本はLGBT差別禁止法すら実現しておらず(ないのはG7で日本だけ)、同性婚や同性パートナー法もなく(同性パートナーシップ証明制度は法的効力はゼロです)、養子縁組もできないため(養育里親は一時的に預かる制度で、養子縁組ではありません)子育てをしているカップルも少なく、性別変更も厳しく(子なし要件があるのは日本だけ)、今回のようなランキングでは、とてもじゃないけどランクインは望めません…。欧米諸国がどんどん先に行くのに比して、なんと遅れていることか…ということをあらためて感じざるをえませんでした。(唯一、世界一がねらえるのは、LGBTQ向けのバーの数だけじゃないでしょうか)

 日本でも早くLGBTQ関連の法整備が進み、こうしたランキングでも東京や大阪がLGBTQフレンドリーな都市として海外に認知されるようになるといいですね。
 
  

参考記事;
世界で最もLGBTQ+の人々に友好的な都市はレイキャビック(TimeOut Tokyo)
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/the-most-accepting-city-for-lgbtq-people-051322

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