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松山市議選でトランスジェンダーの方が当選、四国初

 4月24日に投開票された松山市議会議員選挙にトランスジェンダーの渡邉啓之さんが立候補し、52人中4位で初当選を果たしました。四国初の性的マイノリティの議員となります。
 

 選挙ドットコムによると、渡邉啓之さんは、1972年京都市に生まれ、京都や大阪のショーパブで鳴らし、2008年に松山に移住、ニューハーフバーに勤務する傍ら、あいテレビ「ぶっちゃけマラドーナ」にレギュラー出演するなど、タレントとしても活躍してきました。そんなわたなべさんが市政に挑戦することにしたのは、自身のマイノリティ性を活かし、松山の方たちに何か恩返しができないか?「本当の新しい風」を吹かせられるのではないか?と考えたからだそう。
 政策として「LGBTQの人達も皆様と同じように笑顔で幸せに生活がしていける街づくり」を第一に掲げ、「自分のお子様のLGBTQのお友達に対して皆様はどういう対応を取りますか?」と問いかけ、「LGBTQの方達と皆様方の橋渡しになって両者が仲良く幸せに過ごせる街づくりを目指しております」としています。また、同じ市民の目線で、「今日食べていくことで精一杯」「明日のことなんて考えられない」という方たちの生活が少しでも良くなるよう、市民の皆さんの声を市政に持ち帰り、より良い解決策を模索し、良い報告ができるように尽力していきたいと語っています。 

 テレビ愛媛の密着番組で渡邉さんは、「わたくしは地べたを整える議員になりたい。だって、わたくしは地べたで育ちましたから」と語りました。
 立候補を決意したいちばんの理由は、コロナ禍で翻弄される飲食店を救いたいという思いだったそうです。「何かがあって一番最初に切られるものは、私は水商売だと思ってるんですね。とりあえず救済をしなければ、みんな生きていけないんじゃないでしょうか」
 選挙戦の最初、繁華街で演説を始めた時は、「シッシッてやられた」そうですが、だんだん温かい言葉をかけてくれるように変わっていったといいます。最後の演説にも繁華街を選び、「夜の飲食店は文化です。なくなったら駄目なんです。私は夜の飲食店で働いているからこそ、この夜の街を守りたい。もっともっと私、この夜の街で働いていたいです」と訴えました。

 ビリでも当選できればいいと思っていたけど、蓋を開けてみれば、5169票を獲得し、4位の上位当選となりました。
「伝えていけば伝わるというのがわかりました。私が一番目標にしてるのは、『実は自分、LGBTQなんや』って言われたら、『あ、そう、だから?』て。『まぁいいやん、一緒に遊ぼうや』とか、『あ、そうなんや。じゃあ、一緒に仕事しよ』って、素直にそうやって言える環境を作っていきたいです」
「私は何にもできひんっていう子に見てほしい。私もそう思ってました。何もできひんと思っていました。絶対、松山市変わるよね」
 
 
 トランス女性の議員としては、世田谷区議の上川あやさん、北海道議の渕上綾子さん、新宿区議で今夏の参院選に出馬するよだかれんさん、新宿区議の高月まなさん、京都府亀岡市議選でトップ当選を果たした赤坂マリアさん、北海道根室市議に当選した後、根室市長選にチャレンジした(現在は議員職にはついていない)保坂いづみさんなどがいらっしゃいます。現在地方自治体で活躍しているLGBTQ議員の約半数がトランス女性ということになります。
 

 
参考記事:
「地べたで育ったから…」 愛媛初のLGBTQ議員誕生へ 松山市議選で上位当選 選挙戦に密着【愛媛】(FNN)
https://www.fnn.jp/articles/-/353319
「LGBTQ」を公表した新人 初当選  愛媛・松山市議選(あいテレビ)
https://www.itv6.jp/n-st-ehime/news/NS_play.php?NewsData=assets/article/202204255365.php

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