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　高校生が対象で、応募に当たって人種や性別は問わない、写真審査も行なわないとするダイバーシティ型ミクスコンテスト※「ベストオブティーン」の京都府代表に、高校2年生（4月から3年）の千原創太郎さんが選ばれました。千原さんはジェンダーマイノリティであることをカミングアウトしている方で、まさにミクスコンテストの趣旨を体現するようなコンテスタントとして5月5日に開催される全国大会に臨みます。

※ミクスコンテストとは、従来のミスコンテスト、ミスターコンテストのような性別を限定したコンテストではなく、性別の垣根を取り払い、個性を表現できる舞台として昨今、企画されるようになったものです（日本大学芸術学部の学園祭など）。ノンバイナリーの方をはじめジェンダーが典型的な男性／女性に当てはまらないような方に対する敬称（Prefix）としてMs.やMr.ではなく「Mx.（ミクス）」が用いられるようになっていることから、ミクスコンテストの名が生まれました。

 『デビュー』誌のインタビュー記事によると、千原さんは、昨年夏に参加したLGBTQ啓発イベントで知り合った方に「こんなのがあるよ」と紹介され、「私のような人が出ることは、それだけで意味があるのではないか」と思って参加することを決めたそうです。
　初めてお母様にカミングアウトしたときは、「時が止まっているように感じた」といい、「『私の心は男ではない』ということを伝えるのには、本当に物凄い勇気が必要でした」と語っています。そうして勇気を出してカミングアウトしたことで、「それ以降、私は以前よりやりたいことをやりたいとはっきり言えるようになりました」と語っています。
　井手上漠さんをリスペクトしているという千原さん。「SDGsや社会貢献に対しての考えや、実践していることを教えてください」という質問に対しては、「ジェンダー平等についてです。これは男女平等ついての目標ですが、同じ性についての問題として、私は自身も当事者であるセクシャルマイノリティについてよく考えています」と語りました。「同性婚についてや、戸籍上の性別の変更にかかるお金やリスクの問題、海外で当事者が沢山殺されていること、いじめや自分への嫌悪感などによる自殺、より身近な問題では、トイレの使い方や制服について等、まだまだ多くの問題があります。私は男女平等と同じように、セクシャルマイノリティ含むさまざまなマイノリティも平等であるべきだと思います。当然差別されるべきではないし、また過度に守られる必要もないと思います。その実現に向け、私は小さなことですが、周りの同じような悩みを持つ友達の相談に乗っています」
　インタビューの最後に、全国大会への意気込みを聞かれた千原さんは、「私は体が男性で、他のファイナリストの方とは違った責任があると感じています。特にSDGs5、10の実現を助けるため私のような人間がいて、それが他の人となんら変わらない同じ人間で、差別されるべきではないということを伝えるということです。もちろん京都府の代表に選んでいただいたので、京都代表としても頑張りますが、それと同じくらいに数多ある少数派の代表として、大会へ向け努力したいと思います」と語っていました。

 「ベストオブティーン」のファイナリストは（全国47都道府県から1人ずつではなく、オンラインおよびオフラインのオーディションによって18名が選出されるそう）、5月5日開催の「2022ベストオブティーン日本大会」に出場します。ファイナリストは自分を魅力的に魅せるための立ち居振る舞いや、社会で生き抜く力、ファイナンスに関する学び、日本文化や地域活性などについてのレッスンを受け、2ヵ月のビューティキャンプを経て、ファイナルに臨むそうです。千原さんのような、まさにミクスコンテストの趣旨を体現するような方がファイナルに出場することでイベント自体への注目も高まりそうですし、もし千原さんがグランプリを受賞したら、日本初の快挙となるだけでなく、世界にも誇れるニュースになる（日本がLGBTQに関しても先進的であるとの国際的なプレゼンスを高める機会になる）ことでしょう。応援したいですね。
　

参考記事：
ベストオブティーン2022京都府代に千原創太郎さん　　国内最大のミスコンテストのベストオブミス姉妹コンテストの高校生が対象のコンテスト（時事通信）
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000727.000069555
全国の高校生が対象のミクスコンテスト「ベストオブティーン」京都府代表に千原創太郎さん「ジェンダー平等ついて考え、行動しています」（デビュー）
https://deview.co.jp/News?am_article_id=2227995