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同性カップルが内縁関係を解消した後の財産分与請求権について、近く初の司法判断が下されます

 内縁関係にあった(海外で結婚していた)ものの別れた同性カップルが、財産分与請求権をめぐって横浜家裁に審判を申し立てていましたが、今月21日にも判決が出されることがわかりました。同性カップルの財産分与をめぐる全国初の司法判断になると見られます。


 神奈川新聞によると、申立人のお二人は女性どうしのカップルで、2011年頃から交際を始め、2013年頃から同居し、事実上の内縁関係になっていました。2016年頃にはドイツの「登録された生活パートナーシップ法」(結婚とほぼ同等の権利が認められる準婚姻制度。シビルユニオンと見てよいです)を利用して登録手続きを行ない、2018年に同国で結婚しました(ドイツで同性婚が認められたのは2017年のことです)。しかし、2019年夏頃に破局していました。
 お二人は内縁関係の解消に伴う財産分与を求めて2019年12月に調停を申し立てましたが、決裂し、2020年に横浜家裁に審判を申し立てました。男女のカップルであれば内縁関係でも認められる財産分与請求権※が、同性カップルであることを理由に認められないならば「法の下の平等」を定めた憲法14条に反しており、許されないとの主張です。
 
財産分与請求権は、離婚するときに相手に対して「夫婦の共有財産の清算」を求める権利です。婚姻期間中、夫婦の預貯金や不動産などの財産が共有となっていて特に問題がなかったとしても、離婚した場合、共有のままだと不都合が生じるので、分割する必要が生じます。その手続きが財産分与です。離婚した夫婦はお互いに「財産分与請求権」を行使し、相手に財産の清算や引き渡しを求めることができます。財産分与の対象になるのは、夫婦が協力して婚姻期間中に築いた財産で、夫婦のいずれか一方の名義になっている財産であっても実際には夫婦の協力によって形成されたものであれば、財産分与の対象となります。対象となる財産とは預貯金、不動産屋、車、保険、積み立て資産、株式などのことです。(事実婚・内縁関係の夫婦にも認められます)

 
 実は2019年、同性カップルを事実婚(内縁)に準ずる関係であり法的保護の対象になると認める画期的な判決が、宇都宮地裁で出ています。女性どうしのカップルが海外で結婚し、その後、一方の不貞行為を理由に関係を解消、他方が慰謝料の請求を認めて訴えていたケースです(詳細はこちら
 同じように今回も、同性カップルも事実婚(内縁)の異性カップルと同等であり法的保護の対象になると認める判決が出ることが期待されます。行方を見守りましょう。
 
 


参考記事:
同性カップルの財産分与に初の司法判断 横浜家裁が審判へ(神奈川新聞)
https://www.kanaloco.jp/news/social/article-804536.html


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