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『POSE』のMJロドリゲスがゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞、トランスジェンダーとして史上初の快挙

 アカデミー賞の前哨戦としても注目され、TVドラマに関してはエミー賞とともに栄誉ある賞として認知されているゴールデングローブ賞が、1月9日(現地時間)に発表され、『POSE』のMJロドリゲスがTVドラマ部門主演女優賞を獲得し、歴史に名を残しました。GG賞でトランスジェンダーが俳優賞を受賞するのは史上初の快挙です。

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 エイズ禍の時代のゲイやトランスジェンダーの光と影を当事者の俳優の起用によってリアルに見事に描き出したドラマ『POSE』シーズン1〜3にブランカの役で主演したMJロドリゲスは、昨年の夏、エミー賞にトランスジェンダーとして初めてノミネートされました。受賞はならなかったものの、レッドカーペットに立って、仲間とともに一緒にいることには意味があると『Advocate』誌に語っていました。
「レッドカーペットを歩き、テーブルに座ることができ、喋ったりインタビューを受けたりするだけでもスゴいこと。ずっとあの席に座りたかった。いつも会話に参加する場所があるような人になりたかった。話を始められるような人に。ノミネートされて、夢が叶った」

 そして今回、見事にゴールデングローブ賞主演女優賞に輝き、インスタグラムで喜びを語りました。
「若い才能ある人たちがもっとドアを開けるための、これは最初の入り口。彼らはより可能性に開かれたと感じられるはず。彼らは夢を持ったNJ州ニューアーク出身の若い黒人でラテン系の女性が、他の人が愛をを持って接してくれると考えられるようになり、愛は勝利すると思えるようになる様を見ることでしょう。若いLGBTQの子たち、私たちはここにいる、スターへの道に通じるドアは開かれた!」
 そして、インスタグラムライブでも受賞スピーチとして「これはLGBTQAI、黒人、ラテン系、アジア系、多くの美しいマルチカラーのレインボー…これは私のための賞じゃない、あなたたちのための賞。あなたたちのドアを開けるための賞!」と熱く語りました。

 ただ、残念なことに、MJロドリゲスは栄えあるゴールデングローブ賞授賞式のレッドカーペットを歩き、ステージ上でトロフィを授与されることはありませんでした。同賞は投票者の人種の偏りや会長によるBLM批判、女性差別発言により賞の存在自体が問題視され、今年は、毎年放映していたNBCでも放送されなくなり、オミクロン株の感染拡大によって授賞式も中止となり、公式ブログで受賞が発表されるにとどまったためです。(それでも、『POSE』の意義が認められ、MJがトランスジェンダーとして初の受賞を成し遂げたことに意義があり、彼女も心から喜んでいます。本当によかった! おめでとうございます!)

 今回のゴールデングローブ賞でほかに受賞したクィア俳優としては、『ウェスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ(『ザ・プロム』でエマの彼女のアリッサを演じていました)がいます。それから、ベネディクト・カンバーバッチがゲイの役を演じた『パワー・オブ・ドッグ』も映画部門の作品賞、監督賞、助演男優賞を受賞しています。

 『POSE』シーズン3(ファイナルシーズン)が日本で観られるようになる日が早く来るといいですね。


参考記事:
Michaela Jaé Rodriguez Makes History as 1st Trans Golden Globe Winner(Advocate)
https://www.advocate.com/arts-entertainment/2022/1/10/michaela-jae-rodriguez-makes-history-first-transgender-golden-globe-winner-best-actress-drama

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