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千葉県富里市の公明市議、一般質問でLGBTQを"病気"と表現、訂正し謝罪

 千葉県富里市の江原利勝市議(公明党)が9月1日の市議会本会議の一般質問で、市内の中学校の制服を性的マイノリティに配慮して変更するかと質問した際、LGBTQを"病気"と表現したことが明らかになりました。江原市議は質問直後に発言の取消しを求めました。


 江原市議は一般質問で、35年以上前から変更されていない市内の中学校の制服を、生徒が自由に選べるよう提案、その中で、「今、病気というか、LGBTQのさまざまな問題がある。教育委員会も学校も気付かなかった。口に出せなかった時代があったが、今は声を上げることができる」と発言。その後も「自分がそういう病気かどうかわからない。本人しかわからない病気で悩んでいる子どもがいるかもしれない」と述べました。
 市側の担当者は「多様な性に関しての意見もあり、今後学校と協議したい」と答弁しました。このやり取りと休憩の後、江原市議が発言を申し出て「LGBTQを病気と発言したのは取り消して訂正したい」と求めました。

 江原市議は毎日新聞の取材に「本意ではなかった。他に病気で悩んでいる子どもがいることなどをまとめて言おうとしたが、続けて発言した結果、今回の発言になってしまった」と釈明し、「不適切だった。不快を与えたのであれば申し訳ない」と謝罪しました。
 江原市議は当選6回で議長も務めた方だそうです。

 この報道に対し、SNS上では、制服を自由に選べるようにする提案自体はよいが「LGBTQ+は病気ではない。いい加減知ってほしい」、「配慮がなさすぎる」、「この人が病気なのでは」、「各自治体でLGBTQについての研修や周知を行なうべき」といった声や、発言中で何度も"病気"と繰り返していることから「言い間違えなどではないだろう」という指摘や、「不快を与えたのであれば申し訳ない」というコメントが自身の発言の問題点を反省するのではなく受け手の捉え方の問題にすり替える形だけでの謝罪になっているという批判、「議員資格を剥奪すべき」といった非常に厳しい批判の声も上がっていました。

 杉田水脈衆議院議員の「"生産性"のないLGBTへの支援は不要」論、鹿児島市議の「自然の摂理に合った男女の性の考えを強調すべき」発言(詳細はこちら)、足立区議の「LGBTばかりになると足立区が滅ぶ」発言(詳細はこちら)、今年のLGBT新法の審議で山谷議員から発せられたトランスジェンダー差別発言(詳細はこちら)、簗議員らの「道徳的にLGBTは認められない」「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」(詳細はこちら)といった差別発言があれだけ問題視されてなお、LGBTQを"病気"と言う議員さんがいることに、暗澹たる思いをしている当事者の方は少なくないことでしょう。
 企業や自治体職員だけでなく、国会議員や各自治体の議員の方にLGBTQの基礎知識を学んでいただく(理解を増進していただく)ような取組みが、いよいよ求められるのではないでしょうか。
 
【追記】
 富里市議会は9月22日の本会議で、発言の取消しを許可しました。江原市議は「不適当な発言で当事者をはじめ多くの皆様に不快な思いを与え、心から深くおわびする」と謝罪しました。


参考記事:
千葉・富里市議、一般質問でLGBTQを「病気」 訂正し謝罪(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210907/k00/00m/040/207000c
「LGBTQは病気」発言 富里市議が陳謝 市議会、取り消し許可 /千葉(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210923/ddl/k12/010/092000c


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