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スペインが、14歳以上のトランス児童が診断書や医療行為なしでも性別変更できる法案を提出しました

 スペイン政府は6月29日、14歳以上であれば、これまで必要とされていた医師の診断や2年間のホルモン治療などの医療行為がなくても法的な性別変更をできるようにする法案を承認しました。この法案は今後、公聴会、閣議決定を経て議会に諮られます。
 なお、この法案にはLGBTQに対して転向療法(コンバージョン・セラピー)を行なうことを禁止する内容も盛り込まれているそうです。

 
 今回の対応が世界的に見てどう位置づけられるのかということについては、こちらに示した「性別変更をめぐる諸外国の法制度」をご参照いただきたいのですが、アルゼンチン、デンマーク、マルタ、アイルランド、フランス、ノルウェー、ベルギー、ギリシャ、ポルトガル、ルクセンブルクなどでは医師の診断書がなくても法的性別変更が認められるようになっており、また、アルゼンチン、マルタ、ノルウェーでは、保護者の同意や裁判所での承認があれば、16歳未満の児童でも法的性別変更が可能になっています。スペインの今回の「14歳以上であれば(保護者の同意の下に)性別変更を認める」という法案は、世界初ではないものの、十分先進的と言えます。
 
 スペインのモンテロ平等相は、この法案を「大きな前進」だと語っています。

 今回の法案は、12〜13歳のトランスジェンダー児童に対してはこれまで同様、裁判所の手続きを必要としています。
 一部の活動家やトランスジェンダーの子どもを持つ家族からは、これに対して「不十分だ」との声も上がっているそうです。 
 ノンバイナリーの子どもを持つ母親は、「私たちの家族にはトランスの未成年者がいますが、ほとんどの子がこの法案の対象外。私たちが3歳か4歳、つまり物心がついたときに、自分が何者かを知っているように、子どもたちも3歳で自分のアイデンティティを十分に認識しているのだから、これは不公平だと思います」と語っています。



参考記事:
スペイン、14歳以上なら自己申告で性別変更を可能にする法案提出へ(ロイター)
https://jp.reuters.com/video/watch/idOWjpvC8959M1O8SL14XDTLEQ9EZ3YN2

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