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【プライド月間】『セサミストリート』でゲイカップルとその子どもが準レギュラーに、シリーズ史上初

 1969年から続く米国で最も有名な子ども向け教育番組『セサミストリート』にシリーズ史上初めて、結婚したゲイカップルとその娘が準レギュラーとして登場しました。

 
 6月17日にHBO Maxで配信された「Family Day」という家族にまつわるエピソードで、自転車店を営むニーナが「みんなみんな、紹介させて! 私のきょうだいのデイヴ、彼の夫のフランキー、そして私の姪のミア」と、デイヴ&フランキー家をセサミストリートの住民たちに紹介します。そしてミアがパパたちに向かって、「パピィ、ダディ、セサミストリートは二人が言ってた以上にステキな場所だね」と喜ぶと、ほかの住民も「気に入ってもらってよかった」「うん、エルモはみんが来てくれてすごく嬉しい!」と一家をウェルカムします。
 別のシーンでは、血のつながった母と父を持つエルモや、血のつながった母と血のつながっていない父やきょうだいを持つアビーが自分たちの家族を紹介し、それを見てあるキャラクターが「みんなの家族は、とても多様だね」と言うと、フランクが「そうだね、家族にはいろいろなカタチがあるんだ。でも、私たちを家族としているものは、お互いを愛し合っているということだよ」と幸せそうに答え、その場にいたみんなが同意するというやりとりも描かれていました。
 「両親が同性」という家庭がさりげなく取り入れられていたことには称賛の声があがっており、番組を見た子どもたちの間で、LGBTQ+の家族を含めて世界にはさまざまな家族のカタチがあるのだという有意義な会話が始まるきっかけになるだろうと言われています。
 
 多国籍・多文化・多様性にあふれた番組づくりで知られる『セサミストリート』ですが、LGBTQに関してはなかなか踏み込めずにいた印象です。長年、親友以上の関係にあるのではないかと言われてきたバートとアーニーについて、何度となく制作サイドがこれを否定してきました。2018年にはかつての脚本家が「二人はゲイカップルだし、自分自身のパートナーシップに基づいて脚本を書いていた」と認めたものの、制作サイドがこれを打ち消しました(詳細はこちら
 しかし近年、アルファベットを習うシーンで母親が二人いる男の子が登場したり、父の日のエピソードで父親が二人いる少年が登場して「君には継父がいるかもしれない、それとも父親が二人いるかもしれない」とナレーションが入る回があり、少しずつレインボーファミリーが登場してきました。今回、ついに、結婚した同性カップルが準レギュラーに選ばれたのです。

 今回のエピソードを監督したアラン・ムラオカは、「セサミストリートは、どんなときもダイバーシティとインクルージョンを歓迎する場所です。ですから、ニーナのきょうだいのデイヴと、彼の夫のフランク、そして娘さんのミアを、太陽の光が降り注ぐ私たちのストリートに紹介できることをとても嬉しく思います。(中略)この重要な節目となるエピソードを共同で監督できたことを、とても光栄に思いますし、謙虚に受け止めています。愛は愛であり、この特別な家族をセサミファミリーに加えることができてとても嬉しいです。ハッピープライド!」とコメントしています。

 GLAADのサラ・ケイト・エリスCEOも歓迎し、このようなコメントを発しています。
「家族にはいろいろな形がある。そして、家族にとって最も大切なことは愛することと、受け入れる気持ち。そんなシンプルだけど大切なメッセージを伝えています。ミアの両親であるデイヴとフランクが登場したように、近年は子どもや家族向けの番組でインクルージョンが進んでいます。こうして、PRIDEをもって暮らす何百万人ものLGBTQ+の親や子が、ようやく自分たちのような家族をテレビで見られる日がやってきました」
 
 

参考記事:
セサミストリートで子持ちのゲイ夫夫が準レギュラーに、シリーズ史上初(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17462031
多様な家族の在り方を表現!セサミストリートに「ゲイ夫夫」が登場(コスモポリタン)
https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/a36808932/sesame-street-introduces-gay-family/

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