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エミー賞が、ノンバイナリーの俳優への配慮として、男優/女優の代わりに「パフォーマー」と称することを認めました

 米テレビ界のアカデミー賞と称されるエミー賞が未来への一歩を踏み出しました。テレビジョン・アカデミー理事会は6月21日、ノンバイナリーの俳優のために、ノミネートされた全ての人が「そのノミネーション証明書とエミーのトロフィーを男優/女優ではなく「パフォーマー」と称するよう求めることができる」という新しいルールを承認しました。「男優賞」「女優賞」のカテゴリーは残るものの、ノミネートされた人のジェンダーアイデンティティを尊重し、このような改革が行なわれました。今年のエミー賞から適用されます。

 
 ノンバイナリーの俳優は何年も、こうした変化を求めてきました。
 ドラマ『ビリオンズ』のスターで、ノンバイナリーの俳優であるエイジア・ケイト・ディロンは昨年、SAG(全米映画俳優組合)に対して「俳優賞にジェンダーニュートラルなカテゴリーを設ける速やかな行動を」とのオープンレターを送っています。
「出生時に割り当てられた性別、そして/または性自認に基づいて人々を分けることは、演技が優れていたかどうかということと関係ないだけでなく、差別的なフォーマットです」

 ディロンは以前、エミー賞の理事会にも同じような改革を求めていました。理事会はディロンに、俳優は「どのカテゴリーにも」エントリーできると答えました。が、ディロンは、ジェンダーのカテゴリーを終わらせることを求めました。
 
 MTVムービー&テレビアワードは2017年、俳優賞の男女の区別をなくしました。その初のジェンダーニュートラルな俳優賞のプレゼンターをディロンがつとめ、『美女と野獣』のエマ・ワトソンに賞が贈られました。
 男女の区別がなくなった俳優賞でエマ・ワトソンという女性が選ばれたことで「女性がひいきされた」といった批判は起きていません。この賞は視聴者投票で受賞者が決まります。若い視聴者たちが、エマを選んだのです。
 
 世界的な映画賞としては、昨年、ベルリン国際映画祭が、男優賞と女優賞の区別を廃止し、ジェンダーニュートラルな俳優賞とすることを発表しました(これまで「男優賞」「女優賞」だったのが「主演賞」「助演賞」になるため、受賞者の数は変わりません)
 ティルダ・スウィントンは、「人間は分断することや自分自身を区分けすることに固執しがち。けれど、わたしたちは今、その道に進むべきではないとわかり始めている。性別、人種、階級で人々を分断するなんて人生の無駄。ベルリンの判断はとても賢明で、他の映画賞も追随を避けられないと思う」と語り、高く評価しました。
 ケイト・ブランシェットも、「“女優”という言葉に、どこか蔑称めいたものを感じていた。だからこそ、わたしは別のスペースを要求したい。性別や性的指向に関係なく、良いパフォーマンスはただ良いパフォーマンスと評価されるべき」と評価しています。

 アメリカのメジャーなアワードのなかでは、エミー賞が改革への先陣を切ったかたちです。
 今年のエミー賞授賞式は、9月21日に開催予定です。ノミネーションは7月13日に発表予定です。
 

参考記事:
Emmys Now Allow Gender Neutral 'Performers' Title for Acting Awards(Out)
https://www.out.com/television/2021/6/22/emmys-now-allow-gender-neutral-performers-title-acting-awards
Emmy Awards to finally recognise non-binary performers with new gender-neutral option(PinkNews)
https://www.pinknews.co.uk/2021/06/22/emmy-awards-gender-neutral-category-performer-actor-actress-non-binary/
ベルリン映画祭、アカデミー賞が推し進める「映画業界の男女平等」(FRIDAY)
https://friday.kodansha.co.jp/article/137547

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