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ブリティッシュLGBTアワードの「旅行先」部門に東京がノミネートされました

 ブリティッシュLGBTアワードは、アメリカのGLAADメディア賞のように、LGBTの活動家やLGBTの権利向上のために貢献したアライの方たちを表彰するイギリスのアワードです。「DESTINATION(旅行先)」という部門があるのが特徴で、世界の10都市がノミネートされる中に今回、東京や台北が入っていました。

 同アワードには「LGBTセレブリティ」(カーラ・デルビーニュ、コルトン・ヘインズ、デミ・ロヴァート、ラヴァーン・コックス、マット・ルーカス、サラ・ポールソン、ショーン・ヘイズらがノミネート)、「セレブリティ・アライ」(ハリー・スタイルズ、デヴィッド・ベッカム、ニック・ジョナス、アリアナ・グランデらがノミネート)、「MUSIC ARTIST」(フランク・オーシャン、ジェス・グリン、P!NK、リタ・オラ、トロイ・シヴァンらがノミネート)のほか、メディア部門、マーケティング部門など企業と関わりの深いカテゴリーもあります。全部で10のカテゴリーの中で、「DESTINATION(旅行先)」は、これまでLGBTが歓迎されてきたという実績があり、安心して楽しめるということで人気を博している街を10都市挙げるものです。
 昨年のノミネートではアジアの都市は皆無だったのですが、今回は、東京と台北が同時にノミネートされていました。台北については、昨年、台湾がアジアで初めて同性婚を承認した、台北のプライドも12万人で盛り上がりを見せたというニュースが英語圏にも伝わっていますから、注目が集まるのは必然的ですが、東京がノミネートされたのは、どういう理由なのでしょうか。アワードの公式サイトにはこのように書かれています(添えられたイメージ写真が東京ではなく弘前城だったのは、ご愛嬌ということで)
「東京は日本のLGBTの首都。300以上のバーなどが集まる新宿二丁目をメインとして、ゲイもストレートも関係なく楽しい夜を過ごせる。毎年開催される東京レインボープライドは、東京のLGBTコミュニティを祝福するイベントで、1週間に60以上ものイベントが開催されている」

ホテルズドットコム「ユーザーが選ぶベストホテル アワード Best for LGBT」に4軒の日本のホテルが選ばれたというニュースからも窺えるように、日本でLGBTツーリストの受入れ体制が整いつつあると国際的に認知されてきた、ということも背景にあると考えられます(LGBTツーリストは差別されることなく安心して楽しめる旅行先かどうかということを重視します)。ホテルズドットコムが選んだ4軒は何年も前からIGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会)に加盟しているホテルで、そのことが選定の基準と考えられます。日本でIGLTAに加盟しているホテル、旅行会社、自治体(最近、沖縄観光コンベンションビューローと京都市観光協会も加盟)などの件数はアジア全体の約半数を占め、世界的にも上位に位置しています(IGLTAアジア・アンバサダーである弊社代表取締役の小泉伸太郎や、IGLTAのボードメンバーとなっているホテルグランヴィア京都の池内志帆氏の功績です)。ブリティッシュLGBTアワードの主催者やイギリスのLGBTソサエティともつながりが深いであろうIGLTAの中で日本のプレゼンスが高まっていることは、少なからず今回のノミネーションに影響を及ぼしていると推測されます。
 先頃、アジアで初めて香港でゲイゲームズが開催されることが決定しましたが(これまでアジアではこうしたLGBTの国際的な催しが開かれることはありませんでした)、もしかしたら、台湾での同性婚承認(あるいは渋谷区等での同性パートナーシップ証明制度施行)やプライドの盛り上がりを受けて、ようやく国際LGBT社会でアジアがLGBT的にOKな(安心して旅行できる)地域として認められ、「いまこそ、アジアへ」というムードが醸成されてきているのかもしれません。
 

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