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レポート:レインボーフェスタ!2025(1)Day1

10月11日(土)・12日(日)に大阪の扇町公園でレインボーフェスタ!2025が開催されました。2回に分けてレポートをお届けします

毎年楽しみにしている大阪のレインボーフェスタ!。2006年に関西レインボーパレードとして始まった時からほとんど毎年参加していて、その熱さや自由さ、お祭り感や手作り感(コミュニティ感)を愛してきました。扇町公園でレインボーフェスタ!として開催されるようになってからは、著名なゲストが出演するようになったり、2日間開催になったり、だんだん規模が大きくなり(今年は延べ6万人が来場したそうです)、昨年はIGLTA総会と連動して特別に国際色豊かなイベントになりました(レポートはこちらこちら)。今年もきっと楽しいはず、でも万博の影響でホテル代が高騰するかも…と思い、半年以上前からホテルの予約をしていて、おかげでそんなに懐が痛むことなく、大阪に行けました。というわけで、今年で11回目を数え、「11(いい)Festa! Evolution〜まだまだいくでー!」をテーマに掲げて開催されたレインボーフェスタ!2025のレポートをお届けします。
(取材・文・写真:後藤純一)
 

 
 天気予報で11時くらいにザーザー降ります、との予報が出てて、マジか…と憂鬱な気持ちで地下鉄に乗ったのですが、扇町の駅から外に出ると、ほとんど降ってなかったです。「パレードに雨は降らない」ジンクス、スゴイと思いました。
 扇町公園にはすでに人がたくさん。入口ではパンフレットだけでなく今回のフライヤーで使われたイラストをアレンジしたバインダーなども配られていました。
 まず新鮮に感じたのが、今まで広場の奥のほうにあったステージが、以前の「PluS+」のときと同じ、公園を横切る道に面した側に設けられていたことです。プラス、広場の中央にテントがあって、飲食や休憩ができるように長机とパイプ椅子が並べられてて、そこからステージを見ることもできるようになっていて、これはいいと思いました(実際、2日目は雨が降ったりやんだりだったので、カメラを濡らすことなく写真を撮れて助かりました)

ステージ(前半)
 
 ステージではLIVE DIVAのみなさんのパフォーマンスが始まっていました。友達どうしで女装してカラオケで盛り上がるっていうのをやったことある方いらっしゃると思うのですが(私も若い頃はやりました。ドリアンさんもドラァグの最初のきっかけはそうだったと語ってます)、それをステージパフォーマンスにまで昇華させた感じ。ゲイテイストなノリがすごくよかったです。朝から一気にアガりました。


 オープニングパフォーマンスが終わって、レインボーフェスタ!代表の桜井さん、実行委員のゆいにゃんさん、コツミさん、そして今回から加わったクリスさんがMC(司会)として登場し、ご挨拶。この時点で、さぁ2日間にわたるレインボーフェスタ!が始まったぞっていうワクワク感だけでなく、ここまで来るのにみんなどれだけ頑張ったことか…と想像したりして、ちょっと胸がいっぱいになるものも感じたりしました。

 おなじみReSTA*のみなさんのステージ。ミセスの「青と夏」とかすごいキーが高いのによく歌ってるなぁと思ったし、いつも以上に声がよくのびててクオリティが高い、いいライブだなぁと思ってたのですが、なんと、今回で出演が最後だとのこと…本当に残念。有終の美を飾ったというのはこういうことを言うんだなぁと思えるような、素晴らしいライブでした。


 続いては昭和レトロアイドル、桜木ちえりさん。おニャン子クラブの衣裳として人気になったSAILORSのシャツを着ていました(80年代へのこだわり、さすがです)。レインボーフェスタ!だけでなくNLGR+やゲイ関係のライブなどにも出演していたりするフレンドリーな方です。

 それから、各地のプライドイベントを主催する団体のネットワーク「JAPAN PRIDE NETWORK」のみなさんが登壇し、それぞれのイベントについてアナウンスしました。
・札幌は今年、2万5千人くらいの参加があったそうです。来年も9月中旬にやります。
・名古屋は来年5月16日に開催します。「前へ Move Forward」がテーマです。
・京都は来年4月18日土曜日に梅小路公園で開催です。 
・和歌山は今年9回目。11/29にイオンモール、30日に和歌山城公園で開催、パレードも行ないます。
・徳島レインボーフェスタは来年4月18日に開催します。


 続いて長崎アンナさんが登場。以前、麻倉ケイト名義でレインボーフェスタ!に出演していましたが、2021年に改名したんだそうです。歌詞にホルモン注射が出てくることで話題になったマッキーの「印度式」や、オリジナル曲「MONEY」のパフォーマンスを披露してくれました。

 JPNのところでも登壇していた(名古屋レインボープライドの共同代表を務める)樹梨杏さんは、レインボーフェスタ!が始まった当初からNSM=などのメンバーとしてこのステージに立ち続けている皆勤賞な方なんだそうです。今回は「PRISMIX」として出演し、カラフル&ゴージャスな衣装で元気いっぱい、ステージを盛り上げてくれました。

 今回出演の町あかりさんが作詞作曲した「ごはんがおいしいナァ!」をはじめ「バナナは腐りかけが一番うまい!」などキャッチーで個性的な楽曲を歌うジャパニーズ・ゲイ・アイドリスト、ボンバー☆チャマタソ。さん。今回も「オトナはウソつきだ!」など楽しい歌で和ませてくれました。

 そして町あかりさんが登場! PINKOさんやベビー・ヴァギーさんもショーで使っているのでご存じな方も多いであろう「もぐらたたきのような人」をついに、ご本人による生歌唱で聴くことができました。途中、ボンバー☆チャマタソ。さんともコラボしたり、レインボーフェスタ!のスタッフの方がステージに上がって「僕の生まれは郡山」という歌に合わせて盆踊りを踊ったりしてました。とても面白い、いいステージでした!




ブース紹介

 ここで、広場に並んでいたたくさんのブースを(全部でなくて恐縮ですが)ピックアップしてご紹介いたします。

















ステージ(後半)
 
 大阪と言えばH-pag!のみなさん! 今年で結成20周年だそうですが(おめでとうございます)、虹組ファイツさんと同じくらいずっと長〜くNLGRやレインボーフェスタ!を盛り上げてきてくれた功労者ですよね。今回はハロプロ楽曲のうち青空にちなんだ曲を集めてお届け。衣装もお揃いのパーカーでキメて。EGGだった若い方たちも一緒に踊ってて。いろいろよかったのですが、ステージの下で元太陽とシスコムーンの稲葉さんが見ているなかでのパフォーマンスということで、メンバーのみなさんも感激していました。


 その稲葉さんと古谷文乃さん、元大阪パフォーマンスドールのお二人によるユニット「(s)pirit color」(ピリカラ)がステージに登場。「飾りじゃないのよ涙は」やOPDの「満月の夜だから」などを歌ってくださって、本当に素敵でした。かつてキャーキャー言いながら憧れていた、手の届かないような存在だった方たちがこうして目の前で歌ってくださっているということがすごいです。

 透明感溢れる歌声と唯一無二な音楽を創り出すシンガーソングライター、蘭華さん。1stアルバム「東京恋文」が第58回輝く!日本レコード大賞で企画賞を受賞しているそうです。今回、レインボーカラーのフェイスペイントを施してステージに登場。10周年記念楽曲「ありがとう」をはじめ、心に染みるような歌を届けてくれました。(※撮影NGでしたので、写真はありません)

 お待ちかねのなにわQueensのショータイムの時間がやってきました。90年代から活動している大御所、ルル・デイジーさんはため息が出るほどの美しさでした。貫禄、自信、そしてプライドを感じさせました。雄大と書いてゆうたさんは骸骨とダンスし、レディ・ガガの世界観を十二分に表現していました。マダム・愛華・マルコバさんは(エクスの周年のときはビヨンセでしたが)初のJPOPでのショーを披露、笑いにあふれた楽しいショーでした。Maeil Uyuさん、初めて拝見したのですが、BLACKPINKのLISA(大好き)の「LALISA」などKPOPの楽曲を10分以上にわたってダンスしまくる壮大なショーで、感動しました。なにわのQueensの層の厚さというか底力を見せつけられた感。拍手!です。




 今年もやってきました「絡んでくるアイドル」オバチャーン。今回も誰一人欠けることなく(何よりです)元気いっぱい、パワフルに盛り上げ、新曲も披露してくれました。

 そして!プライドイベント初出演!の山根康広さん。個人的な話で恐縮ですが、就職で上京してきて(と言っても住所は埼玉)、上野のゲイバーに通っていた頃、ちょうど「Get Along Together」がヒットしてて、いい歌だなぁと思って、無理してカラオケで歌ったりしてたんですよね…(特に恋愛と絡んだ思い出とかはないんですが…)青春の1曲の一つです。そんな山根康弘さんがまさかのレインボーフェスタ!出演という発表にはビックリしましたし、ステージで生で拝見できるのを楽しみにしていました。今回、ご自身の野外ライブのノリをそのまま届けてくれて、2曲めにしっかり「Get Along Together」を歌ってくださいました。感無量です。ご自身のXにもちゃんとレインボーフェスタ!のことを載せてくださってました。(※撮影NGでしたので、写真はありません)
 
 そして本日の大トリを務めたのが、今回のテーマ曲も提供してくれた光永亮太さん。辺りがすっかり暗くなってしまい、お姿もあまりよく見えないなかでのライブとなりましたが、文句を言うでもなく(むしろ「闇の中でのライブになりそうですね」と言って場を和ませてくれたり)レインボーフェスタ!の参加者のみなさんのために心をこめて歌ってくれました。若い頃に「Always」に励まされた、大好きな歌だったという方も少なくなかったようで、泣いてる方などもいらっしゃいました(たぶん光永さんの歌を聴きに来られたんだろうなという方もいらっしゃいました)。アンコールにも応えてくれて、本当に最後まで優しく素敵な光永亮太さんでした。拍手!

 
 最後にステージ上から集合写真を撮って、1日目は終了となりました。本当に盛りだくさんな、たくさんの思い出や感動をもらえた1日でした。

(Day2のレポートに続きます)

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