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性的マイノリティの性被害の実情を性犯罪関連法制に反映することを求め、市民団体が法相に要望書を提出しました

記事日付:2020/09/24

 性的マイノリティの性暴力被害者の支援に取り組む青森市の市民団体「Broken Rainbow - japan」は9月23日、現在見直しが議論されている性犯罪関連法制について、「性的マイノリティの被害の実情を反映した法制度を」と求め、要望書を法相あてに提出しました。
 

 性犯罪を厳罰化した2017年の改正刑法施行で、明治以来の「強姦罪」が「強制性交等罪」に変更され、男性も被害者と認められるようになった一方、レイプの成立要件が「男性器の挿入」を前提にしたものとなっていて、異物、器具、指などによる加害は処罰対象になりません。性的マイノリティへの性暴力では男性器が介在しないこともありますが、現行法制の下では被害を訴えにくく、「被害の実態に見合っていない」として、見直しを求める声が上がっています。

 23日に参議院会館で開かれた緊急院内集会「想定されず、軽視される被害 被害の実情を反映した法制度を」では、性暴力被害に遭った性的マイノリティの方が、自身の体験を語りました。
 ある女性は、声を詰まらせながら、以前、交際相手のトランス男性に別れ話を切り出した際、手指と拳でレイプ被害に遭ったことを語りました。「私にとっては、包丁か拳かというどちらを選んでも恐怖の選択でした」
 彼女は、ホストクラブで割り箸の束を女性器に入れられ、けがを負った友人がいるということも述べました。「カッター、角材、足など加害者はなんでも使うのがレイプ被害の実態です。性器や性的に感受性の高い場所への侵襲行為は、男性器を介さなくても被害経験として記憶に刻まれ、長期間にわたり深刻な影響を及ぼすことも多々あります」「男性器を介さない形のレイプ被害を軽いものとする社会的風潮があり、そのため苦痛や困難を訴えにくい状況にあるということを知ってほしい」
 また、性別適合手術を受けたトランス男性が性被害を警察に訴えたものの、被害届が受理されなかったというお話もありました。「死んだ方がましと思った」といいます。
 
 要望書はこうした「現在の社会で想定されにくく、被害自体を軽視されやすい性暴力」について、「適切な法制度利用や支援につながるよう」議論と法制化を求めています。具体的には、男性器以外の手指や器具などによる性的加害も強制性交等罪に加えることです。

 法務省では今年6月から、有識者による「性犯罪に関する刑事法検討会」を開き、強制性交等罪の構成要件の見直しや新たな処罰規定の創設などの要否を議論しています。同省によると、24日に開催する検討会で、強制性交等罪の対象となる行為に、身体の一部や物を被害者の膣・肛門・口腔内に挿入する行為を含めるべきかどうか、意見交換が行われるそうです。
 


参考記事:
多様な性被害、性犯罪関連法制に反映を 市民団体が法相に要望書提出(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200923/k00/00m/040/291000c
性的少数者が性被害訴え 支援団体集会、「軽視しないで」(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/125519
レイプ被害の成立要件「男性器の挿入」。刑法が「実態に見合っていない」被害者らが訴える(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f69aa19c5b6a9b19b3e0629

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