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明石市の新制度は、「結婚届」を含め自分の気持ちに合った届出ができるそうです

記事日付:2020/12/25

 兵庫県明石市は25日、来年1月に導入する「明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度」の届出書の様式を公表しました。「届出をされる方のお気持ちに沿った様式」として、「パートナーシップ届」「ファミリーシップ届」「結婚届」「家族届」「事実婚届」「自由記載」の6種類が用意されるという、画期的な書式になっています(詳細は明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度ガイドブックをご覧ください)
 泉房穂市長は25日の記者会見で「家族ひとつ取っても言葉に対する感じ方はさまざまだ。気持ちに沿った言葉を選んでほしい」と語りました。
 

 1月8日から導入される「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」は、同性パートナーだけでなく一緒に暮らす子どもも家族であることを証明する全国初の制度です。
 ハフィントンポストの取材に対し、明石市の泉房穂市長は、市が採用しているLGBT支援専門職「LGBTQ+/SOGIE施策担当」の方が様々な関係者からの声を集めながら制度設計をしていくなかで「パートナーだけではなく子どものことも取り入れた制度にしてほしい」という声があったと語っています。例えば、以前異性と結婚して子どもがいたAさんが、離婚して同性のBさんとパートナーになった場合、Aさんが産んだ子どもであるCさんはBさんとの親子関係が認められません。そのため、BさんがCさんを保育所に迎えにいっても親として扱ってもらえない、また病院でも家族として入院手続きができないといった問題が起きていました。そういった問題をファミリーシップ制度によって解消していきたい、とのことです。「様々な家族のかたちがあるわけですから、その様々な家族のかたちに対して『それを諦めなさい』と言うのではなくて、行政としてできることをしっかりとしていきたいと思い、この制度をつくりました」
 そうやって作られた新制度のポイントは2つあるといいます。
1. 大人どうしの関係だけだったパートナーシップ制度から、子どもも含めた家族という考え方に発想を転換し、あらゆる家族の形態を応援していく
2. 困りごとを解消する、実効性のある制度にする
 市は制度利用者に証明カードを発行し、市立病院や市立学校でも家族同様の対応をする予定です。これにより、市立の学校での子どもの送り迎えや病院での入院手続きなどもできるようになるほか、家族として市営住宅に入居したり市営墓園を利用したりできるようになります。さらに、民間との協力にも力を入れていくと市長は語ります。
「行政としては、まず我から始めよで市が率先してやるのですが、行政だけでは足りません」
「同性カップルの入居が拒否されるケースもあります。民間の病院や宅建協会とも連携をするための相談をしていて、すでにネットワーク会議を作っています」
「民間と協力し、制度を利用をするとそれまでの困りごとが1つでも2つでも解消する、負担が軽減されるということを狙っています」
 明石市はこれまで「子どもを核とした街づくり」と「誰1人取り残すことのない街づくり」の2つを街づくりの柱としてきて、子どもを社会全体で育てるための里親制度にも力を入れており、同性カップルの里親委託も考えているといいます。
 また、「国が制度化や法改正するなど、国においても真剣な議論を始めるべき時期だと思います」と、国レベルでの支援の必要性も強調します。
「大事なのは、市民の多数・少数ではなくて、切実な市民の声というものを中心に据えて、それを課題解決するということ。行政が知恵を絞って、施策をしっかりと制度化していくということです。その繰り返しで、暮らしやすい街になっていきます」
 
 こうしたLGBTQ市民に寄り添っていこう、困りごとを解消していこうという姿勢が、25日発表された6種類の届出書式のきめ細かさにも表れています。同性婚が認められていないため、これまでは婚姻届を出すことができなかった(届を出しても受理されなかった)わけですが、明石市では「結婚届」を受け取ってくれるのです。これはうれしいことですよね。「結婚」や「事実婚」「家族」「パートナーシップ」といった従来の考え方に当てはまらない、世界で二人だけの呼び名を決めてもいいというのも、本当に自由で柔軟な対応です。
 交付される証明書は届出書の書式(名称)にかかわらず、「明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度届出受理証明書」になるそうです。市内の医療機関で親族と同様に病状説明を受けられる、市営住宅で同居が可能になるなどの効力も、どの届出書式でも同じです。
 
 市は同日、市内3つの医療機関と新制度の連携協定を締結しました。協定では、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の証明を受けたファミリーが病院での手続きをスムーズにできるようにするほか、医療従事者に研修を受けてもらい、LGBTQの社会的課題について理解を高めていくことなどが盛り込まれているそうです。今後、宅建協会など幅広い分野とも連携し、制度の利便性向上を目指すといいます。 

 一つひとつが当事者の思いに寄り添うようなきめ細かな施策で、本当に素晴らしいです。
 今後、明石市の施策が全国の自治体にも波及していくのではないでしょうか。



参考記事:
「同性カップルの子供も家族」明石市はなぜファミリーシップ制度を導入するのか。理由を市長に聞きました(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/akashi-familyship_jp_5fd84158c5b62f31c1ffd671
LGBT向け書式6種類 明石市、家族や事実婚など(日経新聞/共同通信)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC260G00W0A221C2000000
「対応、家族同様に」兵庫・明石市がパートナー制度の届け出書類を公表(神戸新聞)
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1226/kob_201226_3898424641.html
家族関係認める制度利用呼びかけ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20201225/2020011314.html
「全国初」同性カップルの子供も“家族”と認める制度 兵庫・明石市が導入(関西テレビ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/36e77ba20a167707c6c6aad9195e29694e626d28
同性カップルと子を「家族」に 明石市が届出書類を公開(サンテレビ)
https://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2020/12/25/32920/

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