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日本のLGBTQコミュニティによる活動や文化について、過去・現在・未来をつなぎ、次の世代のために紡いでいくプロジェクト『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』が始動。

 「プライドハウス東京」コンソーシアムは、日本のLGBTQコミュニティによる活動や文化の記録を収集・保存し、国内外に向けて広くシェアするプロジェクト『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』をスタートし、クラウドファンディングを立ち上げたことを発表しました。今後、LGBTQ関連の分野で活躍してきた研究者、専門家、活動家の方々やアライも含めたコミュニティの方々との様々な形での協働を視野に入れ、アーカイブの運営を検討しているそうです。
 
「近年、デジタル化やネットワーク化が急激に進んだこともあり、多様な分野において、アーカイブの重要性が叫ばれるようになってきています。これまで様々な形で歴史を紡ぎ、文化を築いてきた日本のLGBTQコミュニティにおいても、ここ数年、アーカイブの必要性について少しずつ認識されるようになってきました。しかしながら、それらに関する資料は、個々の当事者や活動団体、研究者や専門家によって積み上げられてきましたが、LGBTQ全体を見通す形での横断的・恒常的なアーカイブ、一般の方が気軽にアクセスできる形でのアーカイブは、日本においてはまだ整備されていないのが現状です。

 そのような現状に鑑み、プライドハウス東京の文化・歴史・アーカイブチームは、「コミュニティ・アーカイブ」(コミュニティ当事者自らが、その地域やコミュニティの出来事や歴史を記録し、アーカイブとして継承しようとする活動)の考え方に基づき、本プロジェクトをスタートしました。「国家の歴史」や「公的なアーカイブ」などといったマジョリティ主体のものから無視され、誤解され、周縁化されてしまう可能性の高いマイノリティ・グループの歴史・文化を、自分たち自身の手で、言葉で、自分たちのコミュニティの物語として紡いでいくというアプローチに共感し、アライも含めたLGBTQコミュニティにおいて、より多くの方々と協働しながら、日本のLGBTQの歴史・文化に関する持続可能なアーカイブづくりを目指して行くそうです。また、形として残っていない、見えにくく置き去りにされてきた活動や文化について、収集・記録・保存・イベント実施等を積極的に行い、量だけではなく質を高めていきたいとも考えています。
 
 また、新型コロナウイルスの世界的流行により、様々なイベントやバー文化など、LGBTQコミュニティがこれまで培ってきた活動や街の姿が、劇的に変わってしまう現実を目の当たりにしています。最近の「コロナ断捨離」によって関連資料のさらなる散逸が懸念される状況でもあります。さらに、戦後のLGBTQコミュニティの形成史を間近で見てきた当事者の方々がいよいよ高齢化している現在、コミュニティ・アーカイブの整備は喫緊の課題だとも捉えています。あらゆるイベントがこれまでのように開催できないコロナ禍の今だからこそ、過去をじっくりと振り返り、貴重な文化と歴史を未来へとつないでいく『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』を推進するべきタイミングなのではないかと考えています。

『LGBTQコミュ二ティ・アーカイブ』プロジェクトの立ち上げにあわせて、アーカイブ初期収集体制整備の資金調達のために、そして、LGBTQコミュニティの方々との協働を目指す呼びかけのために、クラウドファンディングサイト「Readyfor」において、本プロジェクト向けのページを公開しました。LGBTQコミュニティで活躍されてきた研究者、専門家、活動家、作家など、多様な方々からのプロジェクトへの応援メッセージを更新していきます。90日間かけて集まった支援については、書籍購入費・保管費(場所の確保等)・管理費(人件費・機材等)などに充当することを予定しています」

 
 二丁目を含むLGBTQコミュニティがコロナ禍の影響で危機的な状況にあるなか、今このようなプロジェクトを進めることには、語りつくせない意義があります。
 本当に素晴らしい企画です。
 ぜひご支援のほど、よろしくお願いいたします。
 

『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』プロジェクト クラウドファンディング・ページ
https://readyfor.jp/projects/lgbtq-archives

目標金額:700万円(1st ゴール)
実施期間:2020年8月21日(金)〜11月18日(水)の90日間
支援の活用用途
・資料関係費(初期1200点購入費、資料収集・複製費など)
・保管整備費(本棚購入費、資料保護カバー等購入費など)
・人件費(専門家による調査費、管理リスト作成費など)
・リターン関係費(制作費、郵送費など)
・Readyfor手数料(サービス利用費、決済関連費)

◆プライドハウス東京「文化・歴史・アーカイブ」チーム
「文化・歴史・アーカイブ」チームは、主に日本におけるLGBTQに関する歴史や文化を紹介するコンテンツやアーカイ ブを開発し、国内外の方々に発信することを目的としています。
・NPO法人レインボーコミュニティcoLLabo(代表:鳩貝啓美)
・NPO法人Rainbow Soup(代表:五十嵐ゆり)
・NPO法人レインボー・リール東京(代表:宮沢英樹)
・野老朝雄(アーティスト)
・長谷川博史(雑誌編集者)
・三橋順子(性社会文化史研究者/明治大学非常勤講師)
・山縣真矢(編集者/ゲイ活動家)
・ちあきホイみ(歌手/女装) 
・大日本印刷株式会社(協賛) 他
 


参考記事:
【新プロジェクト】 『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』プロジェクト始動!(プライドハウス東京)
http://pridehouse.jp/news/913/

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