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性別欄を無くしてほしいとの要望を受けて、JIS規格の履歴書の様式例が削除されました 

 JIS規格の履歴書の性別欄の削除を求める署名が提出されたことを受けて、一般財団法人日本規格協会が7月17日、履歴書の様式例を公式サイトから削除したことを発表しました。

 
 国内企業で履歴書のフォーマットの参考例として採用活動でも広く使用されているJIS規格(日本産業規格)の履歴書には、ずっと性別欄が記載されてきました。JIS規格そのものは、性別欄の記載を必須としているわけではありませんが、規格票を発行する一般財団法人日本規格協会が示す参考例に性別欄があったため、国内で流通する履歴書の多くがこれに倣ってきた、ということでした。
 履歴書の性別と見た目の性別が異なっていることで就職活動において不利益を被ってきたトランスジェンダーの方たちなどから、一般財団法人日本規格協会が示す(JIS Z 8303『帳票の設計基準』に掲載されている)履歴書の性別欄の廃止を求める署名が集められ、6月30日、NPO法人POSSEが経済産業省へ要望しました。そして経済産業省から日本規格協会へこの要望についての通知があり、削除対応が実施されました。
 
 一般財団法人日本規格協会の「JIS Z 8303『帳票の設計基準』の解説に掲載されている履歴書の様式例の削除について」というお知らせでは、以下のように述べられています。
「同規格は、伝票、履歴書等の帳票の仕上げ寸法等を規定しており、個々の帳票の内容(様式等)は規定しておりません。履歴書は規格の内容を説明する解説に、様式例の一つとして掲載していたものです。しかし、これがJISに履歴書の様式が規定されているとの誤解を招く恐れがあることから、解説から履歴書の様式例を削除いたしました。
 同規格票の販売先が判明しているところには、「JIS Z 8303の規格票の解説から履歴書の様式例を削除した」旨の文書を送る手配をいたしました。」

 この対応を受けて、署名とともに要望を行なったNPO法人POSSEの佐藤学さんは、「日本で最も一般的な履歴書の例から、性別だけでなく顔写真や年齢を問うものが削除されることは大きな前進」「オーソドックスなものだと社会的に周知されてきた様式例が消えるというのは、そういうこと(性別など)を問うこと自体が『おかしい』というメッセージになる。社会的な差別をなくす取り組みの一歩であったと思います」と評価しました。一方で、市販の履歴書で実際にこれらが削除されるかどうかは販売会社の対応に委ねられるとして、「履歴書を制作・販売する企業にも削除をはたらきかけたい」としています。

 要望が通り、迅速に対応が行われたこと、素晴らしいですね。
 ということで、今後は、履歴書の用紙を作って販売している文具メーカー等が、性別欄のない履歴書用紙を制作してくださるかどうか、という問題になります。
 引き続き、見守っていきましょう。

 

参考記事:
日本の履歴書から近く「性別欄」がなくなるかもしれない。その理由とは(BUZZFEED)
https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/rirekisho-gender-photo-age

性別欄や顔写真ありの履歴書、JIS規格の様式例から削除。トランスジェンダーらに配慮(ハフポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f1165c7c5b6d14c3365ce1c

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