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コロナ禍の影響で性別適合手術の延期が相次ぎ、最大で約1年先延ばしになったことが明らかになりました

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内の認定病院で予定されていた性別適合手術の延期が相次ぎ、最大で約1年先延ばしになったことが6月28日、病院などへの取材で明らかになりました。
 
 
 GID学会によると、性同一性障害(GID)の方のための性別適合手術を網羅的に担える認定病院は岡山大病院、札幌医科大学病院、山梨大学病院など全国で5ヶ所しかありません。遠方からの受診者も多く、4~5月を中心に都道府県境を越えた受け入れを見合わせる病院が相次いだため、手術の延期につながりました。専門家は「拠点病院の拡充が必要」と訴えています。
 
 今年5月にコロナ禍の影響で治療を受けられずにいるトランスジェンダーの苦悩…「治療拒否は『死』と同じ」という記事でお伝えしていた長崎県大村市在住の55歳のGID当事者の方は、今年9月にも手術を受けられることになっていましたが、コロナ禍の影響で予定が白紙になり、めどが立っていないといいます。年齢的にも残された時間は多くなく、「手術は『必要緊急』」と訴えていました。
 
 性別適合手術をめぐっては、2018年4月に保険適用され、70万~200万円に上る手術費用が原則3割負担で済むようになりました。しかし、大半の患者は手術前に保険外の自由診療であるホルモン療法を受ける必要があり、保険診療と自由診療を併用すると混合診療と扱われ、保険適用外となり、全額を自己負担しなければなりません。GID学会は「ホルモン療法にも保険を認め、多くの人が手術を受けられるようにすべきだ」と改善を求めています。
 2018年4月からの1年間で、認定病院で実施された手術は約40件でしたが、そのうち保険適用されたのは、わずか4件にとどまっています(高齢でホルモン療法の必要がないなど例外的なケースだそうです)

 そもそも日本では戸籍上の性別を変更するためには性別適合手術を受けることが必須の要件とされています(ヒューマン・ライツ・ウオッチは手術の強要を「早急に」改正すべきだと訴えています)
 見た目と戸籍の性別が異なることにより日常生活で様々な困難に直面するため、早く戸籍上の性別を変えたいと願っている方にとって、(必須とされているため)性別適合手術を受けようとしても国内ではなかなか受けられない、ホルモン療法を受けると保険も適用されないという現状は、たいへん厳しいと言えるでしょう。
 
 GID学会理事長の中塚幹也岡山大学教授は、コロナ禍の影響でGID当事者の自殺リスクが高まる危険性を訴えています。この現状を早急に改善しないと、命にも関わるのでは…と危惧するものです。
 

 
参考記事:
性別適合手術、1年先延ばしも コロナ影響、学会認定病院(共同通信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/88afaf4ebcb8fed89e8dcfc277ded200695ddb27
保険適用1年で4件だけ 性別適合手術、学会まとめ(共同通信)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46478950U9A620C1CR0000/

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