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ベルギーで発足した新内閣で、トランスジェンダー女性が副首相に選ばれました

 10月1日、ベルギーの新内閣が発足し、トランスジェンダー女性のペトラ・デ・ステル氏が副首相に任命されました。ベルギーでは2011年〜20014年に、オープンリーゲイのエリオ・ディルポ氏が首相を務めていましたが、トランスジェンダーの方が副首相になったのは今回が初めてです(EUでも初だそうです)
 
 ベルギーでは、昨年5月の連邦議会下院選以来、1年4ヵ月にわたって正式な政府が不在の空白状態が続いていましたが、ようやくアレクサンダー・デクロー新首相ら20人からなる7党連立内閣として、新内閣が発足しました。
 この内閣は、男女各10人で、これまで暫定首相を務めたソフィー・ウィルメス氏は副首相兼外相となりました。同時に、トランスジェンダー女性のペトラ・デ・ステル氏も副首相に任命されました。
 
 ペトラ・デ・ステル氏は2014年、ベルギーで初めてのトランスジェンダーの国会議員となりました。彼女はゲント大学の婦人科学者です。昨年欧州議会に選出され、国際マーケット・消費保護委員会の代表になりました。
 彼女は性と生殖に関する健康、そしてトランスジェンダーの課題に関する活動家でもあります。
 ベルギーの緑の党のMeyrem Almaci代表が、デ・ステル氏を任命したとアナウンスすると、デ・ステル氏は「私の党が信頼してくれたこと、本当にうれしいです」「この国を再びやり直し、ベルギーの未来のためになるなら、何でもします」とツイートしました。

 ペトラ・デ・ステル氏は57歳で、欧州のトランスジェンダーの政治家の中でも最高齢です。
 他のトランスピープルとしては、フランスで最初のトランスジェンダーの市長となったMarie Cau氏、イタリアで最初のトランスジェンダーの市長となったGianmarco Negri氏などがいます。
 ドイツやスペイン、スウェーデン、ポーランドでは、トランスジェンダーの国会議員が活躍しているそうです。

 
※なお、この件を報じた共同通信の記事の見出しに「性的少数派」という表現がありましたが、セクシュアルマイノリティの日本語訳は「性的少数者」または「性的マイノリティ」とされています(「少数派」と言うと、「主義主張」のようなニュアンスが生まれ、性的指向や性自認が「選択できる」ことだと誤解される恐れがあるため、使用しないのでしょう)
 
 
参考記事:
Belgium’s new deputy prime minister, Petra De Sutter, is now the most senior transgender politician in Europe(Pink News)
https://www.pinknews.co.uk/2020/10/01/petra-de-sutter-transgender-belgium-government-deputy-prime-minister-green-party/
ベルギー新内閣発足 男女・南北同数、性的少数派起用(共同通信)
https://www.sankei.com/world/news/201002/wor2010020012-n1.html

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