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TVのバラエティ番組で放送された「おっさんずラブドッキリ」という企画が炎上しています

記事日付:2020/10/23

 10月19日放送の『有田プレビュールーム』(TBS系)で、タレントの出川哲朗さんが「おっさんずラブドッキリ」と称して男性後輩芸人にセクハラする「ドッキリ」を仕掛け、SNS上で炎上、『おっさんずラブ』ファンからも怒りの声が上がっています。

 
 番組では、各芸人が持ち寄ったVTRを審査する企画「芸人動画グランプリ3時間SP」が行われ、出川さんは「おっさんずラブドッキリ」と称し、(ふだんは「ドッキリ」を仕掛けられることが多いのですが)自分が「ドッキリ」を仕掛ける動画を提出しました。
 出川さんは部屋に後輩芸人の別府ともひこさん(通称別府ちゃん)を迎えてトークし、自らが出演する番組に別府ちゃんをキャスティングするよう推薦しておくと伝え、自身の体をマッサージするよう指示し、別府ちゃんに「かわいいね」を連呼。続けて、自分が上半身裸になって別府ちゃんをマッサージしはじめ、乳首を触った後、別府ちゃんを上半身裸にして後ろから抱きつき、耳元で「芸能界はこうやってみんな、仕事取ってくるから。みんなそうして売れてきてるから」などとセクハラ行為を受け入れるように語り、最後は別府ちゃんを畳の上に寝かせ、出川さんがパンツを脱ぐと、そこに「ドッキリ大成功」と書かれていました。「ドッキリ」を仕掛けられたことに気づいた別府ちゃんは膝から崩れ落ち、「マジで怖かった」と叫び、出川さんも「別府ちゃんもっと嫌がってよ! 受け入れるから俺の方が怖かったよ!」などと言って、終了。という内容でした(スタジオでも、MCの有田哲平さんをはじめ、誰もこれをセクハラだと指摘する方はおらず、笑って観ていただけでした)
 
 この番組を観た視聴者からは、SNS上で一斉に批判の声が上がりました。
「立派なセクハラだよ。異性に対してやってはいけないことは、同性にだってしちゃいけないよ」
「多分、私だけじゃなく、令和基準でアウトです」
「おっさんずラブや性暴力を笑いにしちゃダメよね…」
「男性同士だったら笑いで済むと思ってるのがなぁ…普通に怖いでしょ」
「出川のドッキリ、時代遅れ感ハンパない…。あんなの放送しちゃダメだよ」
「パワハラ、セクハラ、ゲイ差別、最悪ですね。それら全てを笑い物にしている」
「ゲイを笑いものにしてるのもアウトだし普通にセクハラ&パワハラだしこれにOK出して放送した制作スタッフが信じられない」
などなど。

 そして、東京ドラマアウォード・グランプリをはじめ数々のアワードを受賞し、名作との誉れ高いドラマ『おっさんずラブ』の名前が、このような形で使われたことに対して、ファンの方からも怒りの声が上がっています。
「おっさんずラブを揶揄して笑いにする人たちはあのドラマを見たことがあるのだろうか? 決して誰かを貶めたり笑いものにする話ではない」
「おっさんずラブが伝えたかった思いを踏みにじられたことはファンとして怒りを禁じ得ないし、ファン云々を抜きにしても、これを笑いとして地上波に流す神経が気持ち悪い」
「おっさんずラブって……こんな下世話なんじゃなく、もっと……こう……高尚な心の話であって……下品な笑いに使わないで欲しい……」
「ただ単に不快感しかない」
などなど。

 『おっさんずラブ』は、それ以前の"同性愛モノ"のドラマと一線を画し、制作陣が、同性愛を嘲笑するような表現や偏見を助長するようなステレオタイプを描かないよう、細心の注意を払いながら作り上げた純愛ドラマで、第1話で、黒澤部長が花束を持って「はるたん」に正々堂々とプロポーズするシーンや、第5話辺りで、牧がデートの時に「僕と一緒にいるの、恥ずかしいですか?」と悲しそうに言ったことを受けて、春田が翌朝、会社の朝礼で全員にカミングアウトするなど、愛の真っ直ぐさが「PRIDE」につながってるところが素晴らしく、ゲイコミュニティからも称賛された作品です。
 
 出川さんは(これまでもさんざん繰り返されてきたように)(また、出川さん自身、過去にもひどいゲイ差別企画を引き受けていますが)男どうしの性愛を嘲笑のネタとして提供し、しかもパワーバランスを楯に後輩にセクハラし、名作である『おっさんずラブ』を貶めたという、何重もの「ダメ」を重ねてしまったわけで、炎上するのも当然です。このような内容の番組の放送をOKしてしまった制作サイドにも問題があると言えます。
 テレビのバラエティでは、ゲイやトランス女性を嘲笑したり「いじる」ような差別的な番組が相変わらず後をたちません。芸人さん個人が「やらかし」てしまうこともあるでしょうが、ノーチェックで放送してしまう制作サイド(テレビ局)にも責任があります。
 メディアに携わる方には、炎上を防ぐためにもぜひ、誤解や偏見に基づく言動やステレオタイプな表現が当事者を傷つける可能性があるということや、LGBTQについての基本的なことは理解していただき、問題を事前にチェックできる体制を整えていくことをおすすめします。
 

 
参考記事:
「セクハラだってわからない?」出川考案の“おっさんずラブドッキリ”に批判 標的の芸人は「マジで怖かった」(リアルライブ)
https://npn.co.jp/article/detail/200008544
出川哲朗、ドッキリを提案するも「セクハラ」と波紋広がる(fumumu)
https://fumumu.net/188471/
出川哲朗が考案した“ドッキリ企画”に批判の声「立派なセクハラ」(まいじつ)
https://myjitsu.jp/archives/137644
出川哲朗ドッキリにおっさんずラブファンからも非難の声が(女性自身)
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/1905679/
出川哲郎がエイトブリッジ・別府ちゃんに仕掛けた性行為強要の「ゲイドッキリ」(Wezzy)
https://wezz-y.com/archives/82272

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