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米カリフォルニア州が上場企業役員に人種的マイノリティやLGBTQを採用することを義務化しました

 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が9月30日、企業のダイバーシティ推進の一環として、2021年末までに上場企業に少なくとも1名の人種的マイノリティや性的マイノリティの人物を取締役に採用することを義務づける法案に署名しました。  

 AB-979と呼ばれる法案は、企業の取締役会の規模に応じてマイノリティの枠を増やすもので、取締役が5名から8名の取締役会は2022年までに2名、9名以上の取締役会は2022年までに3名の取締役を「Underrepresented group(過小評価グループ)※」と呼ばれる集団から選出することが義務づけられます。
 この法律の下でカリフォルニア州長官は毎年ダイバーシティ報告書を提出し、データを州に報告しない企業には10万ドルの罰金、その他の違反には合計30万ドルの罰金を課すそうです。この法律が定義する過小評価グループには、人種的マイノリティ、性的マイノリティの人々が含まれています。
 
※Underrepresented group:(9月号のメルマガでお伝えしたように)リプレゼンテーションとは、社会を構成する人々の多様性を正しく反映させることです。Underrepresented groupとは、リプレゼンテーションが足りない、過少評価されているグループのことで、女性、人種的マイノリティ、性的マイノリティなどが含まれます。例えば、ある集団において恒常的に女性が10%しかいない、LGBTQが1%にも満たないのであれば、人口割合に比べて明らかに少ないわけですから、リプレゼンテーションが足りない、過少評価されていると見なされます。アカデミー賞が多様性に配慮した作品賞応募資格の新基準を発表しましたが、これもリプレゼンテーションの改善を目指す公正さへの取組みです。

 カリフォルニア州が企業の役員のダイバーシティに関連した法案を可決したのはこれが初めてではなく、ジェリー・ブラウン前知事は2018年、取締役会での女性の数を増やすことを目的とした同様の法案に署名しています。
 ブルームバーグによると、この法が施行されて以来、カリフォルニア州に拠点を置くラッセル3000社(米国の株式市場を包括的にカバーする代表的な株価指数に基づく上位3000社)の企業における新任の取締役に女性が占める割合は約45%に上昇しました。全米平均は約31%ですので、明らかにジェンダー平等における改善効果が見られたと言えます。  

 なお、ギャビン・ニューサム氏は、2004年2月(まだアメリカ中どこでも同性婚ができなかった時に)、サンフランシスコ市長に就任した直後、アメリカで初めて同性カップルに結婚証明書を発行しはじめた方。2008年6月、カリフォルニア州で初めて同性結婚式が行われた際も、ギャビン・ニューサム市長がセレブラント(結婚執行人)を務めました。LGBTQコミュニティにとって偉大なアライです。
 

参考記事:
カリフォルニア州、上場企業役員に黒人やLGBTQの起用を義務化へ(Forbes JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/37330

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