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テイラー・スウィフトが素晴らしいミュージックビデオとともにLGBTQ応援ソングを発表し、平等法への署名を呼びかけ、「ストーンウォール・イン」にもサプライズ出演しました

 昨年10月、長い間の政治的沈黙を破って「同性婚を支持しない人には投票できない」と、LGBTアライとしてのスタンスを明確にしたテイラー・スウィフトですが、このストーンウォール50周年を記念するプライド月間に、歴史的な偉業を成し遂げました。
 
 まず、プライド月間イブにあたる5月31日、シンガーとしての自身の音楽のルーツがあり、音楽制作の拠点としているナッシュビルがあるテネシー州のラマー・アレクサンダー上院議員宛てに、LGBTQ+への差別を禁じるEquality Act(平等法)※1を支持するよう求めた長文の手紙を送ったことをインスタグラムで発表しました(詳しくはこちら

※1 Equality Actは、雇用や住宅、教育その他あらゆる分野でLGBTQ+の権利を保護することを明示した連邦法で(全米のLGBTQの悲願でしたが、オバマ政権時代にも(議会で共和党が反対したため)実現できませんでした)、人種や性別、宗教などと同様に、SOGIを理由とした差別を禁止する内容です。5月中旬に下院で可決され、その際は民主党議員だけでなく、8人の共和党議員も賛成に回りました。
 
 プライド月間がスタートした6月1日には、LAの有名なフェス「2019 iHeartRadio Wango Tango」にレインボーカラーの衣装で登場し、LGBTQコミュニティ支援のメッセージとともに「平等法」への支持を呼びかけました。

 そして6月14日、「GAY」「PARADE」「GLAAD※2」といったワードを織り込んだ応援ソング「You Need to Calm Down」を発表しました。こんな歌詞です。

「あなたは私たちの知らない人だけど、私の友人たちをミサイルのように攻撃してる/なんで怒ってるの?/GLAAD(※glad=喜びとかけています)になることだってできるのに」
「(ゲイ・)パレードが行われる通りには太陽の光が満ち溢れている/それなのにあなたは、あえて暗黒時代にとらわれていたいのね」
「少し頭を冷やして落ち着けばいいだけ/そして嫌なやつに向かって叫びたい気持ちを抑えるの/だって色彩はどんな人もハッピーな気分(GAY)にするから」
 
※2 GLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)は、1990年、まだエイズが猛威を奮っていた時代に、センセーショナルなメディアに翻弄されていたゲイたちの肯定的なイメージを向上させることを趣旨として設立された団体です。GLAADは、メディアにおいてLGBTQが差別的に描かれていないかどうかを監視する活動を行っているほか、毎年盛大なメディア・アワードを開催し、LGBTQのことをより公正に、より素敵に表現したメディア(音楽、映画、TV、雑誌など)に賞を贈り、積極的に評価してきました。

 6月17日、「You Need to Calm Down」のミュージックビデオが発表されました。エレン・デジェネレス、アダム・ランバート、ル・ポールとそのお友達のドラァグクィーンたち、ラヴァーン・コックス、『クィア・アイ』のファブ5(タン・フランス、カラモ・ブラウン、ジョナサン・ヴァン・ネス、アントニ・ポロウスキ、ボビー・バーク)、アダム・リッポン、ライアン・レイノルズ、、ビリー・ポーター、ジェシー・タイラー・ファーガソン&ジャスティン・ミキタ、トドリック・ホール、チェスター・ロックハート、ヘイリー・キヨコら錚々たるLGBTQのタレントと、ケイティ・ペリー、シアラ、ライアン・レイノルズといったアライのセレブが出演し、レインボーカラーな町の中で、アンチゲイの人々の呪いの言葉を華麗にスルーしながら、ダンスしたり、同性結婚式を行ったり、コンテストを開いたり、「ストーンウォール・イン」の絵を描いたり、お茶をしたり、というパレードさながらの、素晴らしい作品でした。最後に「平等法を支持し、私たちのプライドを示しましょう」と言うメッセージも表示されます。未だかつて、セレブやLGBTQタレントがこんなにたくさん出演したMVもないですし、こんなにダイレクトにレインボーでLGBTQ支援のメッセージにあふれたMVもありませんでした。これはLGBTの歴史に刻まれるだろう、記念碑的な偉業です。

 これだけでなく、なんと、「ストーンウォール・イン」の金曜日のドラァグクィーン・イベントにサプライズで出演し、オープンリー・ゲイの俳優であるジェシー・タイラー・ファーガソンと一緒に(アメリカのゲイのみなさんもお気に入りの)「Shake It Off」を歌いました。
 
 これまでマドンナ、シンディ・ローパー、ジャネット・ジャクソン、ブリトニー・スピアーズ、レディー・ガガなどがLGBTQを熱心に支援する「ゲイアイコン」と言われてきましたが、ここに来てテイラー・スウィフトが殿堂入りを果たした感があります。
 テイラーはすでに世界的大スターですから、当初の支持層であるカントリーサイドの保守的な人たちを失望させるリスクも恐れず、ゲイにアピールして儲けようと企むとかでもなく(そんなことしなくても十分に売れてますから)、純粋に、友人であるLGBTQの人々のために、こうした活動を行っているのだと思われます。アライの鏡ですね。





参考記事:
テイラー・スウィフトが新曲を発表 LGBTの権利を強く主張(RollingStone)
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/31204
テイラー・スウィフト、新曲はトランプ大統領への「ジャブ」か ネットが騒然(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17280457
テイラー・スウィフト、LGBT運動発端のバーで演奏(CNN)
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35138572.html
テイラー・スウィフトが「ゲイ権利運動活動の発祥地」でサプライズパフォーマンス[動画あり](TVGroove)
https://www.tvgroove.com/?p=13558

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