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LGBT関連ニュース

勝間和代さんのカミングアウトに賞賛の声、続々

記事日付:2018/05/29

 5月28日(月)、経済評論家として知られる勝間和代さんが増原裕子さんとパートナー関係にあることをBuzzFeedの記事上でカムアウトしました。

 勝間さんは2015年12月、高校の同窓会で、恩師が「渋谷区の同性パートナーシップ証明制度第1号になったのは、この高校の卒業生なんですよ」と話すのを聞いていました。その後、友人がフェイスブックにアップした写真にその女性が写っているのを見つけて、「この人知ってるよ、高校の後輩なんだよ」と何の気なしに書き込みました。そして、その友人の紹介で、増原さんと会うことになったということです。
 増原さんにとって勝間さんは、その著作を読み、働き方について学んできた尊敬の対象でした。当時つきあっていた東小雪さんとともに勝間さんの家の食事会に招かれ、勝間さんが運営するサロン「勝間塾」にも参加するようになりました。
 勝間さんは、若い頃に、女性に惹かれることがありましたが、その気持ちにフタをしてきて、LGBTのこともほとんど知らないままでした。が、増原さんに誘われて東京レインボープライドを見に行き、パレードにも参加したといいます。
「パレードのことも全然知らなかったんです。日本も随分変わったんだって、驚きました。開放的で、みんな、楽しそうで」
 その後、勝間塾でも増原さんを講師にLGBTに関するセミナーを開きましたが、メンバーの中で「実は私も」と明かす人が出てきたそうです。特別なことでもなければ、隠すことでもない、そして、世界では続々と同性婚が合法化されていく、そういうことを、勝間さんは学んでいきました。
 2人の関係に転機が訪れたのは、2017年12月。増原さんは東さんと「離婚」し、パートナーシップを解消しました。
 翌年1月、勝間さんは増原さんに自分の気持ちを打ち明けました。そして、2人は一緒に暮らし始めました。
 
 勝間さんはバイセクシュアル、あるいはパンセクシュアルなのかもしれませんが、そうやって自分を定義づけることにあまり関心がないそうです。人生において、男性を愛したこともあり、今は増原さんを愛している。愛したのは、その個人であり、性別ではないといいます。

 勝間さんは、お子さんには交際のことを伝えていましたが、それ以外は、友人たちも含めて、増原さんのことは知らせないようにしていました。
 家に人が来るときには、増原さんは隠れなければいけませんでした。二人で食事をするときも、気を遣います。
「いつまでも黙っていたら、友達に紹介もできない。旅行にも行けない」
 カミングアウトして、自由に、自分らしく生きる。愛する人と一緒に。そういう思いを募らせていきました。

「私は同性を好きだって、わざわざ公表をしないといけないって、本当は変ですよね。私は左利きですって、いちいち公表しないのと一緒で。
 でも、LGBTのカミングアウトには勇気がいる。それこそが、偏見や差別が残っている証です。
 私も同性を好きになる気持ちに蓋をしてきました。自分の中の無意識の規範概念があったと思います。それを超えると、何が起きるのかわからなかった。
 でも、今は規範概念にとらわれて自分らしさを出せていない人に言いたい。同性を好きになってもいいんだよ。そのことに罪悪感を感じる必要はないんだよ。
 LGBT当事者に対する反応でよくあるのが「普通じゃなくてもいいじゃない」。だけど、同性愛は異常でもない。普通という概念を広げよう、と言いたいです。
 こういうふうに思えるようになったのは、裕子さんだけじゃなくて、自分らしく生きているLGBTの人たちに会って、すごく素敵だったから。
 私は裕子さんがいてくれたから、こうやってみんなに公表しようという気持ちになれた。でも、多くの人はそうではないでしょう。その人にも伝えたい。仲間はたくさんいるんだよ、ということを。
 すぐに何かが変わるのは難しい。私も裕子さんに出会って、数年かけて、心の氷が溶けてきました。このインタビュー記事が、誰かを元気づけて、何かのきっかけになればいいなと思います」

 たいへん感動的な、素晴らしい記事でした。

 このBuzzFeedの記事は、瞬く間にネット上を駆け巡り、いろんな人が、祝福や賞賛、応援の声をアップしました。茂木健一郎さんは「それぞれの個性を育み、花咲かせる自由が、さらに世の中にあふれますように」と、津田大介さんは「2人で映っている写真がとてもステキだと思う。こうやって少しずつ社会は変わっていくのだろう」と、乙武洋匡さんは「勝間和代さん、渾身のカミングアウト。そして、早く“渾身の”なんて意気込むことなく、さらりと自然体で周囲に伝えられる社会にしていきたいですよね」とTwitterでコメントしています。
 そして、増原さんの元パートナーである東小雪さんも「素敵なおふたりのあたらしい関係を祝福して、心から応援しています! 勝間さんのカミングアウトかっこいい! ひろこさんお幸せにね」とコメントしていました(このお祝いコメントにも900件以上のいいねがついていて、それも素敵なことでした)
 一方、漫画家の倉田真由美さんは、友人の勝間さんに「ずっと『彼氏彼氏』、『彼氏と一緒に住んでんだよねえ、いいなあ』って言ったり『結婚しないの』みたいなこと言っていた」と、お相手が男性であると決めつけていたことに対して、「すごく傷つけていたかもしれない」とラジオ番組で語りました。
 
 勝間さんは、自身のブログに「プライベートな報告です」という記事をアップし、「同性を好きになることはずっと悩んでいたことですし、また、お付き合いが始まってからも、人にそのことを言えないことを悩んでいましたが、その2つの事実を公開することで、私も楽になるし、周りにも同じような悩みの人のヒントになる可能性があると思ったからです」と語りました。
 また、TOKYO MX「バラいろダンディ」に出演した際は、「高校、大学、社会人と定期的に女性を好きになったけど、女性を好きになってはいけないとずっと思っていた。ふたをして男性と恋愛したり結婚したりを繰り返している中で、一昨年ぐらいに偶然がきっかけで彼女と知り合った」「彼女と1月からつきあい始めたら(心を)解放しない方が不便だとわかった」「彼氏といわれても否定できなかった。(彼女と)二人で出かけるとマネジャーと思われる。そうするとお互いの関係性としてよくない。言ったときに何が起こるかわからない」と涙を浮かべながら語りました。

 勝間さんのカミングアウトは、著名人としておそらく過去最高レベルのビッグネームというインパクトもさることながら、ゴシップになる前にBuzzFeedというアライ・メディア(TRPプライドウィークの期間中、『LGBTウィーク』と題してたくさんの良質な記事を発信していました)で勝間さんの気持ちに寄り添うような丁寧な語りの記事としてカミングアウトできたこともよかったですし、人は結婚歴があって子どもがいたとしても、いくつになっても、同性と愛しあうことがあるんだというメッセージにもなりましたし(「おっさんずラブ」を地でいくような)、いろんな意味でよかったと思える、世間にも当事者にもどれだけいい影響を与えたか計り知れない、本当に素晴らしいものでした。今後、同様にカムアウトする著名人の方が現れることを期待します。




参考記事:
同性を愛するということ 勝間和代のカミングアウト(BuzzFeed)
勝間和代の同性愛カミングアウトに祝福と称賛の声 「勇気ある行動」「社会が変わる一歩」(BIGLOBE)
倉田真由美氏、同性愛を公表した勝間和代氏について後悔の念(スポニチ)
勝間和代氏 涙で同性愛を生告白「好きな人がたまたま女性だったと」(Livedoor)