活動実績
【企業研修】新入社員向けLGBT研修(NEXUS)
記事日付:2018/04/12
研修のねらい
・LGBTに対する正しい知識を得て、多様性の一つであるLGBTを理解し受容する
・企業ロイヤリティ向上
どのSTAGE?
今回の研修は、弊社が考えるLGBTマーケティングのイメージSTGAE1~6(詳しくはこちら/service/)のSTAGE2にあたる「社内LGBT施策の推進」です。
プログラム
1部LGBT基礎知識
2部LGBT当事者トーク(G-pit networksの井上健斗氏より)
群馬県水上温泉「松乃井」にて、NEXUS株式会社の新入社員研修が開催されました。
アウト・ジャパンは新入社員研修の中のプログラムの一つとして行われたLGBT基礎知識研修を担当させていただきました。
冒頭でNEXUSの担当の方より、会社としてLGBTに対する考え(アライ企業であること)、LGBT基礎知識を学ぶ意義についてお話がありました。
NEXUSではパチンコ店やホテルなどの運営を行っており、直接お客様と接する職種に配属される方もたくさんいらっしゃいます。お客様の中や、一緒に働く仲間の中にも必ずLGBT当事者がいるということを意識し、差別や偏見なく接するためにもまずは基礎知識を学んでほしいというメッセージでした。
参加者は約150名。この日は入社式を終えたばかりとのことでした。
第1部LGBT基礎知識
第1部の「LGBT基礎知識」についてはアウト・ジャパンの屋成和昭が講師を務めました。
講師自己紹介の後、「LGBTについてを知っているか」と質問したところ、約半数の手が挙がりましたが、「LGBTについてなんとなく知っているけれど詳しくは知らない」という方が多く、「カミングアウトしているLGBT当事者に会ったことはない」という方も多いようでした。
まず初めに、10分間のLGBT基礎知識に関する動画を見て頂きました。言葉の意味、セクシュアリティについて、国内外の状況、使わない方がいい言葉など基礎知識を簡単にまとめた内容です。
その後改めて性を考える切り口について詳しく説明し、配布したセクシュアリティチャート(身体的な性、性自認、性表現、性的指向がグラフになっているもの)に「ゲイの場合」「FTMトランスジェンダーの場合」など〇をつけるワークを行いました。ワークをすることで自分の頭でもう一度考えることになるため、理解がしやすくなります。
LGBT基礎知識に関する動画のサンプル版はyoutubeで公開しています。
グループワークでは「FTMトランスジェンダーってなんですか?」と質問が出たり、近くの人と「性自認ってなんだっけ?」と話しながら〇をつけていました。
続いて、国内外のLGBTに関する状況をお話しました。
具体的には、世界で活躍するLGBTのビジネスパーソンや、アメリカのトップ企業の多くが満点を目指すLGBTに対する職場の公平性を示す「Corporate Equality Index」について、日本でも東京オリンピックに向けて企業の取り組みが加速していること、自治体による同性パートナーシップ制度などの取り組み事例をお話しました。
次にNEXUSの取り組み内容を第三者の視点からお話しました。
日本では、LGBTの取り組みを行う企業はまだまだ少なく、そのほとんどが大手企業である中、NEXUSはプライドイベントへの出展やLGBT研修の実施などの取り組みを行っている先進的な企業であること。
新入社員研修でLGBT研修を実施する企業は少なく、とても貴重な経験ができているということをお話しました。
NEXUSが協賛・参加した九州レインボーパレードでの様子をスライドで紹介しました。
やはり自社の取り組み内容には特に関心が高い様子で、みなさん集中して話を聞かれていました。
参加者の声
・LGBTが13人に1人ということに驚いた。気づかないだけで周りにたくさんいるのだと知った。
・無意識に差別的な発言をしないように気を付けようと思った。
・周りにLGBTの人がいるのでなんとなく知っていたが、知らない単語や話も多くてとても勉強になった。
・日本はまだまだLGBTの方々にとって生きづらさがあるのだと知った。LGBTについて勉強して理解していかないといけないと思った。
・今までLGBTに対してあまり関心を持っていなかったが、NEXUSがLGBTアライであることを知り、これから自分もNEXUSの一員となるわけだから自分もLGBTを応援していこうと思った。
第2部LGBT当事者トーク
第2部のLGBT当事者トークでは、井上健斗氏(性同一性障害のトータルサポートを行う株式会社G-pit net works代表)によるライフヒストリー、性同一性障害とは、カミングアウトを受けた場合の対応などのお話をして頂きました。
最初に井上さん自身、FtMトランスジェンダーであることを話すと、素直に驚いた表情をされる方がたくさんいらっしゃいました。
「実際にトランスジェンダーに会ったことがあるか」という質問には数名が手を挙げられていました。
ライフヒストリーでは、性自認のきっかけや、学生時代の悩み、治療を始めたきっかけ、カミングアウトをしたときに嬉しかった反応などのお話を頂きました。
性同一性障害については、基礎的な知識の他、ホルモン治療や性別適合手術の手順について、どのくらいの費用や期間がかかるのかなどのお話をして頂きました。
最後に、カミングアウトを受けた場合の対応についてお話頂きました。
井上さん自身「性別適合手術を受けるよりもカミングアウトをすることの方が怖かった」という経験から、カミングアウトを受けた際には「ウェルカミングアウト」の気持ちで、「そうなんだ」とまずは受け止め、わからないことがあれば素直に聞いても大丈夫である、といったお話をして頂きました。
参加者の声
・トランスジェンダーの方の話を直接聞けたことでLGBTを身近に感じられた。
・LGBTの方がどんな悩みを持っているのか、カミングアウトを受けた場合にどう反応すればいいのかが学べてとてもよかった。
・「ウェルカミングアウト」の気持ちを大切にしようと思った。
・どのような接し方をしてほしいかが聞けたので、これから実践していこうと思った。
・井上さんを男性だと思っていたので正直驚き、気づいていないだけでこれまでもトランスジェンダーの方と接していたのかもしれないと思った。何気なく使っていた言葉が相手を傷つけていたかもしれないのでこれからは気をつけようと思った。
開催概要
クライアント名:NEXUS株式会社
日程:2018年4月3日16:00-18:00
場所:群馬県水上温泉「松乃井」
対象:新入社員約150名
講師:
屋成和昭(株式会社アウト・ジャパン 執行役員)
井上健斗氏(株式会社G-pit net works 代表)