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伊賀市長が法務局に照会書を提出、 「幸福を追求する権利を後押ししたい」
伊賀市長が同性カップルからの婚姻届受理について法務局に照会書を提出へとのニュースでお伝えしたように、19日、三重県伊賀市の稲森としなお市長が同性カップルの婚姻届の取扱いをめぐり、法務局に照会書を提出しました。
三重県伊賀市にお住まいの嶋田さん&加納さんカップルは、2016年、三重県伊賀市が日本で3番目に同性パートナーシップ証明制度を導入したことを知って大阪から移住し、「僕らの移住生活」というサイトを立ち上げ、農業などをしながら地元の人たちとの交流も深め、伝統工芸の方とコラボするなどして注目を集め、今年6月にはNHK FMでお二人をモデルにしたオーディオドラマも放送されました。お二人は「結婚の平等にYES!」キャンペーン三重県実行委員も務めていて、このキャンペーンに合わせて三重県立名張青峰高校の美術部の方たちがかわいいオリジナルの婚姻届をデザインしてくださったこともあり、同性婚実現への願いを込めて、この婚姻届に記入し、市長さんに手渡しました。お二人は市役所で婚姻届提出への思いを読み上げ、お二人の真摯な思いに正面から向き合った市長さんは、「ぜひ受理したい」と応じてくださり、「国が個別案件において受理を認めるよう協議していく」ことを約束してくださいました(詳細はこちら)
そして13日には、稲森市長が婚姻届受理について法務局に照会書を提出し、国と協議することがわかりました。
CBCテレビによると、稲森市長は8月19日、津地方法務局伊賀支局を訪れ、憲法などを踏まえ「受理すべき」という考えを示し、不受理の理由を尋ねる照会書を提出しました。
市長は「同性カップルの幸福を追求する権利を後押ししたい。ぜひ受理を認めてほしい」と語りました。
2024年12月13日、福岡高裁は「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟について、同性婚を認めていない民法などの規定が憲法13条(幸福追求権)に反するとの判決を言い渡しています(14条や24条での違憲判決も出ていますが、13条についても出ていたのです)。このような高裁判決も踏まえ、また、今年度中には最高裁で違憲判決が出ると見られていることですし(これだけ高裁で画期的な判決がたくさん出ているわけですから、それらを無視して合憲とすることには無理があります。必ず違憲判決が出ると信じます)、この照会を機に、国が「憲法に謳われている幸福追求権に照らし、同性婚を認めます」と言ってくれてもいいですよね。そんな未来を夢見て、行方を見守りましょう。
【追記】2026.8.21
僕らの移住生活のXのポストで、稲森市長が提出した照会書の写しが共有されていました。
1.照会の背景と事実関係で、「現行の戸籍実務においては、同性間の婚姻届は不受理とされております」と前置きしつつ、「当事者が直面している権利利益の侵害及び法的保護の欠如という重大な人権課題に向き合うとき、下位の行政解釈を機械的に適用することが果たして法の下の平等の理念(憲法第14条)や最高法規の尊重義務にかなうものであるか、重大な疑義が生じています」と述べられています。
そして2.照会事項及び法的論点で、(1)憲法第14条(法の下の平等)及び最高法規性の適用について、として、憲法14条が保障する法の下の平等に、下位規範である民法や戸籍法の解釈が反する場合、憲法規範が直接あるいは合理的解釈の基準として優先されるべきと考える、近年の各地の裁判所の裁定で同性婚を認めない規定は違憲であるとの司法判断が相次いでいる状況で、法務省の従来の解釈を維持し続けることの法的正当性について見解を示してくださいと、また(2)憲法第13条及び第24条の合憲目的解釈と個人の尊厳について、として、憲法24条の「両生の合意」は同性婚を排除する趣旨ではなく、むしろ憲法13条の幸福追求権と個人の尊厳の観点から、自己決定権の核心である婚姻の自由を保障すべきです、同性婚を現行法制化で排除し続けることが、個人の尊厳や幸福追求権の保障とどのように整合するか、見解を示してください、と述べられています。
(すごい! 全くもってその通り。これに対して法務局が「不受理」を指示するとするなら、婚姻制度から排除された国民を傷つけることなく一体どのような説明が可能なのだろうか、と思わせます)
これに対して(婚姻制度から排除された国民を傷つけることなく)いったいどんな反論が可能なのだろうかと思わせるほど説得力を持った、素晴らしい内容ですね。
僕らの移住生活のお二人は、「僕らが婚姻届を提出したとき、そして記者の皆さんの前で文章を読み上げたとき、「不受理になる」という前提で読んでいた自分がいました。でも、今は違います。僕らは法務局がこの問いにどう答えるのか期待を込めて待ちたいと思います。絶対に諦めたくないです。」とコメントしています。
参考記事:
同性カップルの婚姻届で“照会書” 「幸福を追求する権利を後押ししたい」 三重・伊賀市長が法務局に提出(CBCテレビ)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2883255


