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LGBTQ+の過半数が旅行中はカミングアウトに慎重であることが明らかに
ブッキング・ドットコムが世界19ヵ国、1万3千人超のLGBTQ+旅行者にヒアリングした「Travel Proud調査レポート」※によると、旅行中に自身のSOGIEをオープンにしていると回答した人は全体で31%、日本では9%にとどまりました。
※本調査はブッキング・ドットコムの委託により、世界19ヵ国で13,331名のLGBTQ+の旅行者を対象に独立機関が実施したものです。対象の国はアルファベット順に、アルゼンチン(222名)、オーストラリア(1,041名)、ブラジル(1,021名)、カナダ(839名)、コロンビア(527名)、フランス(1,031名)、ドイツ(1,035名)、インド(1,010名)、イタリア(1,044名)、日本(521名)、メキシコ(525名)、オランダ(508名)、ニュージーランド(218名)、シンガポール(219名)、スペイン(1,088名)、台湾(216名)、タイ(208名)、イギリス(1,019名)、アメリカ(1,039名)となっています。調査対象者は18歳以上で、過去12ヵ月以内に宿泊を伴う個人旅行を経験し、旅行の計画・予約に関する意思決定に関与した、または主な意思決定者であったLGBTQ+コミュニティの人々です。調査は2026年2月から3月にかけて実施されました。
今回の調査は、ブッキング・ドットコムがこれまで実施してきたLGBTQ+旅行者に関する調査の中でも最も大規模かつ包括的な内容となっており、LGBTQ+コミュニティにおける多様な人々の旅行体験や意識の違いについて多角的な視点から明らかにしています。
・親しい友人にカムアウトしている人は68%(日本は37%)だった一方、旅行中も同様にオープンにしている人は31%(日本は9%)にとどまりました。
・過去12ヵ月間に旅行中、自身が性的マイノリティ(クィア)であることに関連してネガティブな経験をしたと回答した人の割合は、トランスジェンダーで73%と最も高く、全体では62%、最も低かったのはカミングアウトしていないLGBTQ+旅行者でした。
・旅行中に不安を感じなかったと回答した人の割合は、世界全体では30%(日本は40%)で、カミングアウトしていないLGBTQ+旅行者では53%に上りました。
・「人生で一度は訪れたい」と考える目的地を訪れるためであれば、自身のSOGIEを明かさずにいることもいとわないと回答した人は40%(日本は38%)に達しました。
こうした結果は、とりもなおさず、LGBTQ+にとって安全ではない旅行先が世界中にまだまだたくさん存在すること、当事者は環境や状況に応じてカムアウトするかどうかを慎重に判断している(そうせざるを得ない)ことを示しています。そうした現状に葛藤を感じながらも、多くのLGBTQ+旅行者が、世界を旅することの魅力と自分らしさの両立のバランスをとりながら、それぞれの選択をしている様子が窺えます。
・過去数年間で旅行への不安が高まったと回答した割合は、全体で27%(日本:18%)であったのに対し、トランスジェンダーの旅行者では43%に達しています。
・数年前と比べて旅行時により多くの安全対策を講じていると回答した人が44%(日本は29%)に上りました。具体的には、不安を軽減するために信頼できる相手と現在地を共有する(世界:25%、日本:23%)、国境を越える前にマッチングアプリを削除する(世界:16%、日本:15%)、オンライン上の行動を保護したり、アクセス制限のあるWebサイトを利用したりするためにVPNを使用する(世界:19%、日本:15%)、予備用の携帯電話を携行する(世界:18%、日本:15%)といった行動でした。
・LGBTQ+旅行者の48%(日本:43%)が、公共の場でパートナーへの愛情表現をする前に周囲の状況を確認していると回答しています。
今回の調査では、数年前よりも旅行への不安が高まり、安全対策を講じる人が一定数いることが明らかになりました。特にトランスジェンダーでその傾向が強く、トランスジェンダーの旅行者にとって、最も大きな不安要因となっていたのは、性別によって区分された施設(トイレや更衣室など)の利用であり、24%が挙げています。
・過去1年間の旅行において、82%(日本:63%)が自身のSOGIEに関連したポジティブな体験を少なくとも1回経験したと回答しました。具体的には、自身が望む呼称や代名詞を適切に使用してくれるスタッフとの出会い(世界:34%、日本:27%)、プライドフラッグの掲示など宿泊施設におけるインクルーシブな取組み(世界:32%、日本:20%)、ジェンダーニュートラルなトイレの設置(世界:32%、日本:20%)、LGBTQ+コミュニティに属するスタッフの存在(世界:32%、日本:18%)などが挙げられています。
・LGBTQ+旅行者全体の58%(日本:44%)が、この数年間で社会的な受容が進んだと回答しました。
一方で、こうしたポジティブな経験を報告する人たちの割合も増えています。自身が望む呼称や代名詞を使ってくれること、レインボーフラッグの掲示(LGBTQインクルーシブであることの表明)、オールジェンダートイレ、当事者のスタッフ、といったキーワードはそのまま日本におけるLGBTQツーリズムの取組みの課題としてよいのではないでしょうか。
・過去1年間で、LGBTQ+旅行者の66%(日本:60%)が、旅行計画にAIを利用したと回答しました。
・LGBTQ+旅行者の43%(日本:36%)が、AIのほうが人に相談する場合よりも客観的で偏見の少ないアドバイスを得られると感じていることもわかりました。
・LGBTQ+旅行者の39%(日本:30%)が、一般的な検索では見つけにくいLGBTQ+フレンドリーなスポットを見つけるうえでAIが有効であると回答しました。
・同様に、37%(日本:32%)が、現地のLGBTQ+コミュニティや事情に関するデリケートな質問について、人に尋ねるよりもAIに相談する方が安心できると感じています。
・30%(日本:21%)の人たちが、オンラインで旅行を予約する際、多様性への配慮や「LGBTQ+フレンドリー」を示す絞り込み機能があれば有用だと考えています。
これまでのLGBTQツーリズム関連のアンケート調査では見られなかったAIの活用というテーマがフィーチャーされました。人間に相談するよりもAIのほうが安心できると回答した人が一定数いることは、いかにLGBTQ+への偏見や差別心を持つ人が多いか(相談したらそういう人に当たる可能性があるため、躊躇してしまう人が多い)ということを物語っています。もちろんAIが温かな感情を持って相談者に寄り添うことはないわけですが、それでも人間よりもAIのほうが安全だと思う人がかなりいるというのはなんとも寂しい話ではないでしょうか。安心して相談できる先を増やしていく取組みが求められます。
ブッキング・ドットコムの宿泊施設部門でシニアバイスプレジデントを務めるMatthias Schmid氏は、「今回の調査では、LGBTQ+の旅行者が安心して旅行するために、これまで以上にさまざまな工夫や配慮を行っている実態が明らかになりました。一方で、世界のLGBTQ+の旅行者の66%が、自分らしく過ごせる旅行を重視していることもわかっています。私たちは、こうした旅行者の姿勢に大きな励ましを受けています。そして、自分らしさを大切にしながら、誇りを持って旅を続ける人々の存在に勇気づけられています」と述べています。
出典:
ブッキング・ドットコム、2026年の最新調査から、LGBTQ+の旅行者の過半数が、旅行中は自身のアイデンティティの開示を慎重に判断している実態が明らかに(Booking.com)
https://news.booking.com/ja/2026-travelproud-survey/


