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思春期に異性への関心が芽生えるとの教科書記述の訂正を求め、1万人超の署名提出

 「教科書にLGBTを!ネットワーク」の室井舞花さんらが8日、現行の学習指導要領の「思春期になると(中略)異性への関心が芽生える」という誤った記述を改めるよう求める1万1978人分の署名を文部科学省に提出しました。室井さんは「性的少数者の子どもたちが否定的な感情を持つことのないよう」、正しい記述に変わってほしいと訴えました。
 
 
 呼びかけ人である東京都内在住の団体職員・室井舞花さんは中学2年で初めて同性を好きになったとき、教科書で目にした「異性に関心を持つようになる」という文章に衝撃を受け、「『普通』から外れてしまった、隠さなければいけない」と自分を否定してきた経験を持ちます。20代になり、同じ立場の友人ができ、性的指向について話せるようになると、似通った経験をした当事者が多いことに気づき、「(自らに)否定的な感情を持つ子どもを増やしたくない」と、学習指導要領に性的指向や性自認についての記載があれば、教員が子どもたちに性の多様性を伝えるための強い動機付けになると考え、2014年に団体「教科書にLGBTを!ネットワーク」を立ち上げ、署名活動やパブリックコメントを送るなどの活動を展開しました(詳しくはこちら)。しかし、願いは聞き入れられず、2017年の学習指導要領改定には反映されませんでした。
 次の学習指導要領の改訂が近づくなか、「教科書にLGBTを!ネットワーク」のみなさんは再び4月から署名を集め、1万1978筆の賛同が得られました。
 7月8日、集まった署名を携え、「教科書にLGBTを!ネットワーク」のメンバーで文部科学省に提出しました。東京都内で記者会見した室井さんは、「異性への関心自体は多くの人に起きることで、それを否定しているわけではない。ただ、関心を持つことやその対象を異性に限定することで、置き去りにされる存在がいる」と指摘し、「例えば、『異性』を『他者』という言葉に置き換えられるのではないか。他者に関心を抱くこともあれば、そうでないこともある――といった、実態に合った科学的に正確な書き方になればいいと思っている」「多くの教科書にLGBTが記載されるようになるなど、社会状況は変化してきた。性的少数者の子どもたちが否定的な感情を持つことのないよう、改訂にあたり学習指導要領も科学的に正しい記述に変わってほしい」と訴えました。
 保健体育の学習指導要領改訂を所管するスポーツ庁の担当者は「貴重なお声を届けていただいたということで、厳粛に受け止めたいと思っている。しっかりと検討してまいりたい」と述べたそうです。
 
 小中高校で教えるべき内容の基準となる学習指導要領は現在、文科相の諮問機関である中央教育審議会で十年に一度の改定に向けた議論が進められており、次期指導要領は2030年度以降、全面実施されます。
 異性に惹かれることがない、あるいは誰にも性的に惹かれることがない児童や生徒も一定数いるなかで、「思春期になると(中略)異性への関心が芽生える」という異性愛を前提とする誤った記述が教科書に掲載され続け、LGBTQの子どもたちを傷つけ、悩ませ、差別を助長することは、LGBT理解増進法の理念にも反するのではないでしょうか。今度こそ、学習指導要領が正しく改訂されることを期待します。
 


参考記事:
思春期に「異性への関心」見直し求め1万人超署名 学習指導要領(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20260708/k00/00m/040/268000c
保健体育「異性へ関心」見直し求める LGBTQの当事者ら(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASV782D0FV78UTIL013M.html
「思春期に異性への関心が芽生える」という記述を見直して…性的少数者の当事者らが文部科学省に署名提出(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/500196
学習指導要領「異性への関心」記載見直しを LGBT団体が署名提出(教育新聞)
https://www.kyobun.co.jp/article/2026070904

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