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大阪高裁、男/女だけに限られる戸籍記載は「憲法14条に抵触」と判断

 2024年12月、ノンバイナリーの方が戸籍の「長女」を「第1子」に変更すべく京都家裁に申立てを行なったものの、昨年3月、京都家裁がこれを却下し、原告は高裁に即時抗告していたとお伝えしましたが、二審の大阪高裁(大島雅弘裁判長)がこのたび、男女いずれかしか記載できない戸籍の現状は「法の下の平等を定めた憲法14条の趣旨に抵触し、是正すべき状態にある」との画期的な判断を示したことが明らかになりました。

 申立人は京都府を本籍地とする50代のノンバイナリーの50代の方で、女性として出生届が出されたため、戸籍には「長女」と記載されましたが、幼いころから女性の名前や女性として扱われることに強い違和を感じ、「パスポートも公的書類も性別欄は男か女かしかなく、自分という存在が認められていないと感じてきた。男とも女とも扱われない権利を保障してほしい」として、「長女」を「第1子」に変更するよう申立てを行ないました。戸籍法13条では「実父母との続柄」は戸籍に記載しなければならないとされていますが、性別については明示されていないそうです。現状では「長女」「次男」のように男性か女性かを特定するような性別表記がなされていますが、法的に定められたわけではありません。 
 二審(即時抗告審)の大阪高裁は8日付の決定で、性自認について「個人の人格的存在に直結し、重要な法的利益だ」とし、戸籍法施行規則が男女のいずれにも当てはまらない表示方法を認めない現状は、LGBT理解増進法の基本理念に反し、「平等原則を定める憲法14条1項の趣旨に抵触し是正すべきだ」と判断しました。ただし、「どのような記載に訂正されるべきか、国民に共有された明確な指針が存在しない」として即時抗告を棄却し、申立てを却下した一審の京都家裁決定を支持、ノンバイナリーの性自認に合致する戸籍のあり方や具体的な制度整備は立法を通じて行われるべきだとして国会に議論を促しました。

 代理人の仲岡しゅん弁護士は「ノンバイナリーの存在は日本の法律上これまで無視されてきたが、法的承認に向けた大きな第一歩だ」と評価しつつ、申立てが退けられたことを不服として最高裁に特別抗告することを明らかにしました。

 海外では出生証明書やパスポートの性別欄にサードジェンダーの表記が認められるようになってきています。仲岡しゅん弁護士がおっしゃるように、日本ではこれまでノンバイナリーの存在は法律上ないものとされてきましたが、今回の判断が大きな第一歩であり、歴史的な判断となることは間違いありません。最高裁で違憲判断が示され、国会も動き、(「結婚の自由」とともに)戸籍表記の自由が実現する日が来ることを願うものです。


 
参考記事:
戸籍の性別記載は“憲法14条の趣旨に抵触” 大阪高裁(NHK)
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015119271000
戸籍での性別表記めぐり“ノンバイナリーを前提とした表示方法がない現状は憲法に抵触”大阪高裁が画期的な司法判断(MBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2656256
男女以外の表記認めない戸籍法の運用 大阪高裁が「憲法抵触」(関西テレビ)
https://www.ktv.jp/news/articles/?id=27003
男女別の戸籍表記「憲法に抵触し是正されるべき」大阪高裁 性自認が男女どちらでもない人が変更求めた審判(読売テレビ)
https://news.ntv.co.jp/n/ytv/category/society/yt5050a206e17642e2a5c63765aca7fba4
男女のみの戸籍表記は「憲法に抵触」 ノンバイナリー当事者が性別以外の記載に変更するよう求めた審判 抗告は棄却 大阪高裁(ABCニュース)
https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_60453.html
性自認なしに男女区別、憲法抵触 戸籍表記変更の審判、大阪高裁(共同通信)
https://news.jp/i/1426762432106021399
男女以外認めない戸籍表記「憲法14条に抵触」 大阪高裁(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026051200684
ノンバイナリーの戸籍記載、男女だけは「憲法に抵触」 大阪高裁(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20260512/k00/00m/040/293000c
ノンバイナリーなのに戸籍は「長女」 高裁「憲法抵触」、抗告は棄却(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASV5C3JX7V5CUTFL01TM.html
男女以外の表記認めない戸籍は「憲法14条に抵触」、大阪高裁判断…ノンバイナリー当事者の申し立ては退ける(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20260512-GYT1T00272/

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