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【婚姻平等訴訟】まさかの不当判決に怒りや悲しみの声…それでもあきらめず、ともに進みましょう
多くのニュースで報じられているように、本日、「結婚の自由をすべての人に」東京二次訴訟の控訴審判決が下され、東京高裁(東亜由美裁判長)は、法律上同性婚が認められないことは憲法に違反しないと判断しました。(判決要旨はこちら、判決全文はこちら)
これまでの5つの高裁がすべて違憲判決だっただけに、原告や弁護団、支持者の方たちの間に落胆や悲しみや怒りが広がりました…が、これまでの高裁の判決が覆ったわけではなく、最高裁で違憲判決が出る可能性は十分あります。あきらめず、希望を持ち続け、励ましあいながら一緒に進みましょう。
最後の高裁判決ということで、今日はたぶん過去最高の160名を超える傍聴希望者が集まりました(抽選にもれた方も多数)。原告と弁護団のみなさんが入廷する際には100名くらいの方が見送り、声援を送ったそうです。きっと誰もが違憲判決が出るだろうと思っていたことでしょう。この時までは…。
しかし、判決が言い渡された後の「旗だし」では、原告と弁護団のみなさんが憔悴した様子で現れ、「不当判決」との横断幕を掲げました。
弁護団の上杉弁護士は「極めて不当な判決です」と口を開きました。「明確な違憲判断を積み重ねた5つの高裁判決を全く無視した、社会的な事実にも反する、論理的にも破綻した判決」だったそうです。「しかし、今回の判決のみが異例であり、これまでの5つの高裁判決は全く変わりません。私たちはあきらめません。最高裁の違憲判決に向けての歩みは止まりません」
同じく弁護団の沢崎弁護士は、判決の内容について簡単に解説してくださり、私たちがこれまで主張していないことを取り上げたり、前半では国会が同性カップルの不利益を解消するために何もしていないと言っていたのに後半では国会で(野党が提出した)同性婚法案が複数出てるじゃないかと言うという矛盾があったり、14条1項について、子どもから見ると父と母の一組から成る、それは100%そうですよねと言った(!)、それを保護することに合理性があるのであって、それは現在も変わってない、したがって男女に限るということには合理性がある(論点外してます)といったことを教えてくれました。
続いて、原告の方たちが、沈痛な面持ちでコメントしました。涙があふれたり、嗚咽にも似た声にならない声を発する方もいらっしゃいました。
河智志乃さんは、想像もしていない判決で、理解に苦しむ内容でした、家族とも法の下の平等ともはっきり言ってくれず、司法は何なのか、私たちを見ているのか、次の世代を考えているのかと思いました、しかし、前進は止まりません、希望は捨てずにいたいです、と語りました。
鳩貝啓美さんは、前半穏やかな気持ちでしたが、後半、理解しがたい言葉が続いて…残念です、涙というより怒り、あきれている感じ、いったい私たちの言葉の何を聞いていたのか、膨大な積み上げられた資料を読んだのかと、司法というのは私たちの味方ではないのか、専門職としてどうなのかという憤りを感じました、ちょっとでも油断をするとこのような言葉が吐かれてしまうのが現実なんだと考えれば、ここで怒りを持ちつづけて諦めずに行動を起こしつづけることが大事だと思いました、といったお話をされました。
山縣真矢さんは、論理が破綻していて、事実に基づいていない、本当に悪夢のような判決だったと語り、メディアのみなさんに「きちんと分析して、ちゃんと批判してください」とお願いしたうえで、見守っている方たちに向けて、この怒りをさらに力に変えて、みなさんと共有し、最高裁を迎えたい、笑顔で、いい判決を聞きたい、と語り、拍手を送られていました。
福田理恵さんは、入廷前は、これまで違憲出ていたので今日もだよね、という気持ちだったのですが、判決がだんだん、信じられないような内容になって…私たちがずっと言ってきたのは、皆さんと同じように結婚して幸せを追求する選択肢が欲しいだけ、それだけなんです、私たちは結婚して幸せを追求して、祝福を受けるに値しない人間なんですか?ということをずっと問い続けてきました、それに対する回答がこれなのかと、本当に怒りでいっぱいです、ただ、これまでの高裁では違憲が続いていたので、ちゃんと司法に届いていると信じています、社会も変わっています、と語りました。
藤井美由紀さんは、今朝までは違憲だと信じていた、判決を聞いてるうちに、最初はジェンダー平等とかいいことを言っていると思ったけど、途中から話が変わって、憲法14条1項に違反しない、24条1項にも違反していないですと言われ、私たちは国民として享受する幸せをもらえないんだなと、悲しい判決だと思いました、でも、これまでの高裁では違憲だと言ってくれています、みなさんとともに結婚できる世の中を目指したいです、と語りました。
記者会見&報告会では、原告でトランス男性の一橋穂さんのコメントもありました。こんな判決が出るとは本当に夢にも思っていませんでした、判決を聞きながら頭の中が真っ白になって、一生懸命最初からメモを取っていたんですけれども、手が止まってしまうぐらい本当にショックでした、判決文を読んだら、ありえないことがたくさん書いてあって、なかでも家族がその男女のカップルとそこから生まれた子どもがほぼ100%だと、そんな数字まで出してきて、裁判官は何が言いたいんだろうって、そういうふうな家族が普通とまで判決に書かれちゃうんですよ、裁判官、司法がそんな言葉を述べることが信じられないです、私たち家族のあり方が否定されたと思いました、これは国の問題であって、私たち自身に問題があるわけじゃありません、心が折れそうですけども、またみんなで進んでいけたらと思っています、といったコメントでした。
沢崎弁護士は、原告側の主張と判決が噛み合っていないと指摘しました。「私たちは、現行の婚姻届の制度で嫡出子として生まれた子とその家族の保護があること自体に問題があるとは言っていません。同じような制度を同性のカップルが利用できない、つまり排除されていることが不合理だって言ってるのに、判決文では、排除されていることの不合理性については全く検討されていません。『現行制度が合理的です』ということに終始して論を進めています。これがこの判決の非常に論理としておかしいところかなと思われます」
上杉弁護士も「同性カップルが子育てをすることに対する偏見がすごくにじみ出ているようにも感じました」「差別的な判決文だと思います」と述べました。
原告や弁護団のみなさんは、約5年もの月日をかけて、裁判を闘ってきました。たくさんの書類を書いたり、法廷で訴えたり(みなさん、無償でやっています)。愛する伴侶と法的にも家族と認められたい、パートナーが万が一亡くなったとき、最期を看取ったり遺体を引き取ったり葬式に出席したりすることができず、家や共有財産も親族に奪われるという悲劇に見舞われるのはもう私たちの代で終わりにしてほしい、パートナーと一緒に育てた子どもの親権を認めてほしい、こうしている間にも、間に合わずに亡くなる人もいる…そんな、みんなの思いを引き受け、私たちの代わりに前面に出て闘ってきてくれたのです。たとえこのような判決が出たとしても、それは原告や弁護団のみなさんのせいなどではなく、感謝しかありません。本当におつかれさまでした、ありがとうございますという気持ちです。
Marriage For All Japanの代表理事の方たちは、以下のようなコメントを発しています。
「「結婚の自由をすべての人に」東京2次訴訟について、本日、東京高裁は、法律上同性の者同士の家族に関する法制度が存在しないことは、憲法に違反しないと判断しました。
この判決は、法律上同性同士のカップルが婚姻制度から排除されていることが憲法に照らして許されるのかという点について具体的に検討した様子がなく、説得力がない判決といわざるを得ません。判決では、現行法で男女の婚姻が認められている理由を数多く並べていますが、それによっては法律上同性同士のカップルが婚姻制度から排除されていることを正当化することはできないはずです。
現行法が憲法に違反するとした、札幌高裁、東京高裁(1次訴訟)、福岡高裁、名古屋高裁、大阪高裁が、「法律上同性同士のカップルが婚姻制度から排除されていること」が果たして許されるのかという疑問に正面から向き合い、非常に説得的な判決を言い渡したこととは対照的です。
今日の東京高裁判決は、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の本質的な争点に向き合わない、極めて不当な判決であるといわざるを得ません。
ただ、私たちは希望を捨ててはいません。最高裁判所は、人権の砦としての役割を果たし、正しい判決を下すものと信じています。
婚姻の平等は必ず実現します。私たちマリフォーは、婚姻の平等を一日も早く実現するため、今後も、「結婚の自由をすべての人に」訴訟のPR支援のほか、国会議員への働きかけや、様々な世論喚起のための活動を継続していきます。
今日の判決を知って落ち込んでいる方は多いと思いますが、どうか希望を持ち続けてください。婚姻の平等を実現するためには皆さんの力が必要です。婚姻の平等に向けてともに取り組んでいきましょう」
婚姻平等が実現する(民法や戸籍法などが改正される)ためには、本来、裁判を起こさなくても、国会が同性婚法制化に動いてくれれば済むことです。昨日はラッシュジャパンが超党派LGBT議連に要望書と賛同の声を提出しましたが、Marriage For All Japanは12月2日、院内集会を開き、法制化に向けて国会議員の方たちに訴えます。YouTubeでライブ配信されますので、ぜひご視聴を。視聴数が多いことで関心を示せます(後日アーカイブとしてもご視聴いただけます)
マリフォー国会(院内集会)
日時:12月2日(火)17時~19時
ゲスト:慶應大駒村圭吾教授(憲法学)
配信URL:https://youtube.com/live/1JxUQ-cP-f8
参考記事:
原告落胆「悪夢のよう」 同性婚訴訟 二審初の合憲 東京高裁(共同通信)
https://www.47news.jp/13520191.html
同性婚訴訟、2審で初の「合憲」判決 他5件は「違憲」 判断割れる(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20251127/k00/00m/040/349000c
【判決要旨】同性婚は「憲法上、保障されていない」 東京高裁(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASTCX250STCXUTIL01GM.html
合憲判決に「怒り」。法律上同性カップルの結婚を認めない法律を“合憲”とした東京高裁、原告らが涙をこらえ「不当判決」訴える(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6929156ae4b0bf7d7e2c1fb7
「怒りに震えて涙が出た」 同性婚認めず「合憲」判断に原告が反発 「差別的な判決だ」(弁護士ドットコム)
https://www.bengo4.com/c_18/n_19684/


