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【甲府アウティング市議】市議会政倫審が警告、誓約書を要求へ

 甲府市の村松裕美市議がSNSで芥川賞作家・李琴峰(りことみ)さんがトランスジェンダーであることや過去の氏名などを暴露(アウティング)したと訴えられている問題について、甲府市議会政治倫理審査会は19日、村松氏のSNSでの発信が政治倫理基準違反に当たると認定し、再発防止への警告を行ない、誓約書の提出を求めることを決めました。


 今年6月、李琴峰さんがトランスジェンダーであることや過去の氏名などの未公表情報を暴露されたとして村松裕美甲府市議を提訴しました。「公職者によるアウティングや名誉毀損に対して、LGBTQ+(性的マイノリティ)の当事者が提訴する日本で初めての訴訟」です。李さんは「本当は提訴したくなかった」「同じような被害が少しでも減るように行動しなければならないと思った」と語っています。
 訴えによると、村松市議が昨年5月、SNSで李さんを名指して「身体が男性で手術もしていません」「身体男性の女性でレズビアン、つまり恋愛はノーマル」などと投稿したため、李さんは警察に相談し、警察官から電話で注意を受けた村松議員が投稿を削除するも、同日、「真相を確かめたわけではなかったので先の投稿は削除した」「断定的な投稿をしたことに関して謝罪する」として別の人物による李さんの未成年時の写真や過去の氏名などの情報が書かれた投稿のスクリーンショットを貼り付けました。李さんは「警察に相談した結果、さらに悪質な投稿をされることになった」「次に警察に相談したら何をされるかわからない」と思い、心療内科で適応障害と診断され、やむなく今回の提訴に至りました(提訴の時点でその投稿は残っていたそうです)(詳細はこちらl
 この件を受けて甲府市議会は8月、政治倫理審査会の会合を開き、村松氏が市議会議員として問題があると指摘する意見が相次ぎました(詳細はこちら
 9月の政倫審では村松市議本人による弁明が予定されていましたが、審査会の対応が不公平だなどとして本人が急きょ欠席しました。
 10月には市議会政倫審が全員一致で政治倫理基準に抵触すると判断しました。
 そして11月19日に開かれた政倫審では、村松氏のSNSでの発信が政治倫理基準違反に当たると認定しただけでなく、市議会としての対応について「辞職勧告すべき」との意見が出たものの、再発防止への警告を行ない、政治倫理規定を遵守する誓約書の提出を求める案が賛成多数で承認されました。
 
 この政倫審の結論について、村松氏は「市民のために戦う議員を排除したい市議会の圧力に屈せず、今後もおかしいことはおかしいと声をあげ続けていきます」とコメントしたそうです。
 
 

参考記事:
“トランスジェンダー暴露”問題 再発防止へ 政倫審が村松市議に警告を決議 山梨・甲府市(山梨放送)
https://news.ntv.co.jp/n/ybs/category/society/ys07554e1ba3644be880c2252869f0375f
NSの運用が公人の自覚と責任を欠いている 芥川賞作家のトランスジェンダー暴露問題 市議に警告と誓約書の提出を求める 市議会の政倫審 甲府市(テレビ山梨)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/uty/2298702
甲府市、性自認暴露は品位損なう 政倫審、市議に警告(共同通信)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD19ABN0Z11C25A1000000/
村松氏は「基準違反」 甲府市政倫審、誓約書を要求へ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20251120/ddl/k19/010/014000c

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