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【那覇市議差別発言】市議長が「議会での発言は慎重に」と異例の声明
先月、那覇市議会でトランスジェンダーは「“伝染”する」「“治療”できる」などと述べた和田市議の差別発言に対し、抗議の声が上がっていましたが、この問題について10月8日、那覇市議会の坂井浩二議長がすべての議員に対し、議会での発言の影響力を十分認識し、慎重に発言するよう求める異例の議長表明を発表しました。
この問題は、那覇市議会9月定例会で参政党の和田圭子議員が、トランスジェンダーについて「学校でLGBT教育を行うこと自体がトランスジェンダーを増やすことにつながる可能性がある」「トランスジェンダーの生徒に対して必要な対応は心の性別に基づく配慮よりも、心の傷を治療できる心理士を紹介したり、配置して対応してもらうことではないか」などと差別的な発言をしたもので、8日に開かれた市議会の冒頭で坂井議長は、性の多様性を尊重する取組みに引き続き尽力するとしたうえで、次のように述べました。
「議員の発言には、議会の品位と権威を重んじ、節度が当然求められております。よって、議員の皆様におかれましては、議会での発言の際にはその影響力を十分ご認識いただき、今後慎重に行われるようお願いいたします」
議会終了後、琉球放送の取材に応じた坂井議長は、この議長表明は和田議員の発言を念頭に置いたもので、各会派長や無会派の議員の意見も集約して行なったと強調しました。
また、沖縄テレビのインタビューに対しては「誰もが幸福を感じることができる社会を目指して努力を続けていく決意を新たにしております。性の多様性を尊重する取組みが全ての市民の心に根付いていくよう引き続き尽力してまいります」と語りました(素晴らしいですね)
一方、和田市議は議会終了後、コメントを求める報道陣に対して「何もありません」と述べました。和田市議は発言を取り下げていません。
那覇市議会では今後、性の多様性に関する勉強会の実施などを検討するそうです。
足立区の時もそうでしたが、議会や市長が毅然と差別発言に対処し、LGBTQの市民を守る姿勢を示してくれるのは本当に大事なことです。
なお、この問題について沖縄の市民団体が「参政党・和田圭子市議による差別的発言の取消と謝罪を求めます」という署名を立ち上げました。すでに1万2000筆超の署名が集まっています。
参考記事:
那覇市議会「 多様性を尊重する」異例の議長声明 議員のトランスジェンダー発言巡り(沖縄テレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=w-Pg2I3hQWQ
トランスジェンダーは「伝染する」 議場での差別的な発言を問題視 那覇市議会議長が慎重発言求める 発言した市議は取材拒否(琉球放送)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rbc/2217539
那覇市議長「多様性尊重する」 和田氏のトランスジェンダー差別に 発言「品位と権威を」(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/politics/entry-4680437.html