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MTVアワードのステージでサブリナ・カーペンターがトランスジェンダーの権利を訴えました

 2025年9月7日(現地時間)、NYのUBSアリーナで開催されたMTVビデオ・ミュージック・アワード(MTV VMAs)でサブリナ・カーペンターが新曲「Tears」のパフォーマンスを行いましたが、ドラァグクイーンが大勢登場したり、ダンサーたちがトランスジェンダーの権利を訴えるプラカードを掲げたりして、トランスジェンダー支援のメッセージを会場と大勢の視聴者に伝えました。
 
 
 MTV VMAsといえば、2003年にマドンナとブリトニー、アギレラがキスをして見せたり、2010年にレディ・ガガが初受賞時に「この賞を神とゲイに捧げます」とスピーチしたり(ガガはその後もMTV VMAsで数々の素晴らしいパフォーマンスを披露し、生肉ドレスなど人々をあっと驚かせる衣装を披露したりして話題を呼んでいます)、2015年にはパンセクシュアル宣言したマイリー・サイラスがドラァグクイーンと共演したり、ストーンウォール50周年イヤーである2019年にはテイラー・スウィフトがクィアな仲間たちとともに「You Need To Calm Down」のレインボーなパフォーマンスを繰り広げたり、数々のクィアな名場面を生んできました。 

 そんなMTV VMAsでは今年もたくさんのクィア・アーティストが受賞しましたし、いろんな名場面が見れました。

 キャリア通算で18回の受賞歴を持つレディ・ガガ(バイセクシュアルであることをオープンにしています)は、今年12部門の最多ノミネートを記録していて、最終的に「年間最優秀アーティスト賞」「最優秀監督賞」「最優秀アート・ディレクション賞」、そしてブルーノ・マーズとのコラボ曲「Die With a Smile」で「最優秀コラボレーション賞」に輝きました。ステージパフォーマンスではツアーでのド派手な衣装(装置)を再現し、観客を沸かせました。

 兄のフランキーがゲイということもあって一貫して熱心なアライとして発信してきた(『ウィキッド』フィーバーもあってますます支持を厚くしている)ゲイ・アイコン、アリアナ・グランデは「Brighter Days Ahead」で「年間最優秀ビデオ賞」「最優秀ロングフォーム・ビデオ賞」「最優秀ポップ・ビデオ賞」の三冠に輝きました。
 受賞スピーチではキャリアを通じて揺るぎない支持を送り続けてくれたファンへのメッセージとして「心の底からみなさんを愛しています。10代の頃、初めて出会ったときからずっと、そしてこれからも一生愛し続けます」と語り、最後に「私のセラピストとゲイの人たち」に感謝していました。

 同じく三冠に輝いたのが、昨年の「Espresso」と「Please Please Please」で記録的な成功を収めた歌姫、サブリナ・カーペンターで、最優秀ポップ・アーティスト賞」「最優秀アルバム賞」「最優秀視覚効果賞」を受賞しました。
 サブリナ・カーペンターは新曲「Tears」の初ライブ・パフォーマンスも披露しました。スモークに包まれた下水道から登場し、路地裏を模したステージで、レクシー・ラブなど『ル・ポールのドラァグ・レース』の人気クイーンたちや、ビヨンセの「Renaissance World Tour」にも出演したハニー・バレンシアガなど豪華キャストに囲まれながらパフォーマンスをキックオフ。スパンコールを散りばめたトップスと黒いタイツを身にまとったサブリナは、ブリトニー・スピアーズの伝説的な「...Baby One More Time」のパフォーマンスにオマージュを捧げ、雨を浴びながら堂々とステージを歩き回りました。それだけでなく、ダンサーたちは、「Protect Trans Rights(トランスジェンダーの権利を守ろう)」「Support Local Drag(地元のドラァグクィーンを支援しよう)」「Good Bi(バイセクシュアルは良い)」「Dolls! Dolls! Dolls!(トランスガールズ!)」といったポスターやサインを掲げ、トランスジェンダーをはじめLGBTQを支援するパワフルなメッセージを発信しました。
 なお、10日前にリリースされたばかりの「Tears」のMVには、『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたコールマン・ドミンゴがドラァグクイーンとしてカメオ出演したことが話題になっていました。
 ハフポストによると、サブリナ・カーペンターはNPOとともにLGBTQ+の権利擁護、メンタルヘルスが悪い人たちへの支援、動物福祉などのための基金を設立し、この1年間に100万ドル以上を集めていたそうです。

 2010年にカムアウトしたリッキー・マーティンは史上初となる「ラテン・アイコン賞」を授与されたほか、自身のヒット曲のメドレーで受賞を祝いました。

 今年3月にメンバーのララが、6月にメーガンもカムアウトしたKATSEYEは「Touch」で「年間最優秀MTV PUSH パフォーマンス賞」に輝きました。

 バイセクシュアルであることをカムアウトしているドーチーは「Anxiety」で「最優秀R&B・ビデオ賞」と「最優秀振付賞」を受賞しました。
 
 過去に同性と交際していたことがあり、セクシュアル・フルイドであるとも発言しているドージャ・キャットはレイとともにBLACKPINKのリサとコラボした「Born Again」で「最優秀K-POP・ビデオ賞」に輝きました。
 
 一昨年末にカムアウトしたビリー・アイリッシュは、チャーリーxcxとコラボした「Guess」で「ビデオ・フォー・グッド賞」を受賞しています。
 



参考記事:
【2025 MTV VMAs】全受賞リスト、アリアナ・グランデが<年間最優秀ビデオ>に輝く(Billboard.com)
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/153358/2

【2025 MTV VMAs】サブリナ・カーペンター、「Tears」初パフォーマンスでトランスジェンダーの権利を訴える(Billboard.com)
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/153352/

「トランスの権利を守れ」全米最大級の音楽授賞式VMAでサブリナ・カーペンターがパフォーマンス(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_68be755fe4b01dc916384477

アリアナ・グランデ、【エターナル・サンシャイン・ツアー】追加日程発表(Billboard.com)
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/153433

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