NEWS

根室市議選で保坂いづみさんが三選を果たしました

 9月7日に投開票された根室市議選(定数16)でトランス女性の保坂いづみさんが当選し、三選を果たしました。


 保坂いづみさんは神戸出身で、出生時に割り当てられた性別は男性ですが、幼い頃から性別違和を抱き、苦しんでいました。神戸大学教育学部を卒業後、30歳過ぎまでフリーターとして働きましたが「手に職を付けたい」と一念発起し、通信教育で法律を勉強し、6回目の挑戦となった弁護士の口述試験で「24時間女性として生きたい」と覚悟を決め、女性の服装を身にまとって臨み、面接官に思いが届き、合格しました。「困っている人に寄り添い、声を聞く。ようやく得られた資格を人のために役立てたいと強く思いました」
 2013年から岡山県津山市の法律事務所に勤務し、民事や刑事裁判の経験を積みました。岡山弁護士会が開催したLGBTQの講演会などにも出演しました。独立しようと新天地を探すなか、大学生の時に自転車で巡った根室を思い出し、2015年6月に根室を訪れ、居酒屋で食べたトキシラズやカニ、日本酒に心を奪われ、事務所を構えることを決めたそうです。2016年9月、市の印鑑登録証明書の性別欄の削除を求める請願を市議会に提出し、全会一致で採択されました。議会を傍聴し議員と接するなかで「市長提案を受け入れるだけの議会の姿に疑問を抱いた」といい、「議員の一番の仕事は市民の要望を反映した条例案を議員提案することではないか」との思いを強くし、2017年9月、無所属で市議選への出馬を表明し、見事、当選を果たしました。5番目に多い得票数でした。上川あや世田谷区議によると、その時点でトランスジェンダーであることをカムアウトして選挙に出馬した人は6人目(トランス女性では4人目)、当選したのは3人目(同2人目)でした。
 2018年8月には根室市長選へ出馬しましたが、残念ながら当選はなりませんでした。 
 2021年、再び根室市議選に臨み、二期目の当選を果たしました。そして今回、三期目の当選となりました。トランス女性で議員三期目を務めるのは上川さんに次いで保坂さんが2人目です(トランス男性では細田智也さんが今年3月に当選し、三期目を務めています)

 
 
参考記事:
根室市議選結果(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1208478/

ジョブレインボー
レインボーグッズ