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【同性パートナーシップ証明制度】奈良市など全国28の自治体が新たに全国ネットワークに加入
戸籍上同性のカップルも婚姻相当であると自治体が承認し、証明書を発行する制度について、別の自治体に引っ越した際、再び手続きを一からやり直さずとも継続して(ごく簡単な手続きで)制度を利用できるよう、これまで、いくつかの自治体の間で個別に連携協定を結ぶやり方が採用されてきましたが、昨年11月から「パートナーシップ制度自治体間連携ネットワーク」が発足し、加入する自治体の間で引っ越す場合、転入先に申告書を提出して本人確認するだけで公的な認定が継続されるようになりました。加入自治体はその後も着々と増えています。4月1日〜8月1日の間に以下の自治体が新たに加入しています(下記のリストを更新しておりますので、ご覧ください)
北海道:沼田町
埼玉県:鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町
千葉県:佐倉市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市
愛知県:刈谷市、稲沢市、みよし市
三重県:松阪市
京都府:舞鶴市、城陽市
大阪府:豊中市、大阪狭山市
奈良県:奈良市、大和高田市、橿原市
和歌山県:紀の川市、白浜町
福岡県:行橋市、中間市
もしお住まいの自治体が上記に含まれている方は、今後、同ネットワーク加入自治体に引っ越す際、同性パートナーシップ証明制度の更新の手続きが簡単になりますので、ぜひ引越し先が該当するかどうか調べてみてください。
同性パートナーシップ証明制度の導入も人口カバー率が92.5%に達し、33の都道府県で全県導入を達成しています(これまでワーストだった長崎県も来年度の導入が決まっています)
新たに導入するというニュースも最近はあまり聞かれなくなりましたが、7月に中国新聞に「広島県は全国で下から7番目、パートナーシップ制度「人口カバー率」 33都府県は100%」というニュースが載りました。
広島県では、広島市が2020年の早い時期に岡山市と同時に制度を導入し相互利用を可能にするという取組みで好印象を与えましたが、県自体の導入はなく、13市町が採用しているものの人口カバー率は66.8%どまりで、全国で7番目に低い水準となっています(2025年5月31日時点。渋谷区と虹色ダイバーシティの調査より)。県わたしらしい生き方応援課は「身近な住民サービスを担う市町が主体となって、県が連携することが効果的」としています。広島市で同性パートナーシップ宣誓をしているリョウさん(32歳。仮名)は、法的には権利が保障されないため、今年、パートナーの方と養子縁組を結んだそうです。
これだけ多くの自治体が同性カップルのパートナーシップも婚姻相当だとして証明書を発行する制度を導入し、公に承認してくれていることや、上記のネットワークによって引越ししても簡単な手続きで継続的に利用できるように配慮してくれていること、本当にありがたいです。
しかし、広島のリョウさんも養子縁組を結ぶことを決めたように、証明制度には法的な効力がなく、たとえパートナーシップ証明書を持っていたとしても病院が家族として扱ってくれるとは限らない(最近、下山田志帆さんもそのような経験をしてショックを受けたとXに綴っています)、そもそも相続なども認められず法的権利は全く保障されていないに等しいという現状があります。内山さんの犯罪被害者給付金裁判のおかげでいくつかの法律で事実婚と同様に扱われることになりましたが、やはり婚姻平等(同性婚の法制化)が実現しない限り、不平等は解消されません。
最高裁判決がいつ出るのか(東京二次訴訟の判決は11月になります)、違憲判決が出たとして国会が動いてくれるのか(先日の参院選の結果、同性婚に賛成する議員の割合は44%にとどまっています…)、まだわかりませんが、原告や弁護団のみなさんの長きにわたる尽力に敬意を表しつつ、その活動を応援していきましょう。
参考記事;
広島県は全国で下から7番目、パートナーシップ制度「人口カバー率」 33都府県は100%(中国新聞)
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/676325