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月刊誌『東京人』9月号でLGBTQがフィーチャーされています
月刊『東京人』9月号の「老楽でいこう!」特集のなかで、「LGBTQの老後 当事者が語る、未来への希望」という8ページのコーナーが設けられ、大塚隆史(タック)さん、永易至文さん、鳩貝啓美さん&河智志乃さんカップルという3組の当事者へのインタビューが掲載されました。
『東京人』は来年創刊40周年を迎える老舗月刊誌で、「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーとし、さまざまな視点から東京の魅力を発掘していく誌面づくりで支持を得ています。
その9月号では、「老楽(おいらく)でいこう! Life is beautiful!」と題した特集が組まれ、山川静夫さんと酒井順子さんの対談や、夏木マリさんのインタビューなどが掲載されていますが、その特集の中に「LGBTQの老後 当事者が語る、未来への希望」という8ページのコーナーが設けられ、造形作家の大塚隆史(タック)さん、パープルハンズの永易至文さん、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告である鳩貝啓美さん&河智志乃さんカップルが登場しています。
1970年代に一世を風靡した『スネークマンショー』に参加し、ゲイのポジティブな生き方をリスナーに向けて発信したレジェンドである大塚隆史(タック)さんは今年喜寿を迎えましたが、ゲイバー『Tac's Knot(タックスノット)』の経営やアーティスト活動を続けるなかで生き生きと素敵な「老後」を送っていらして、なぜそのように若々しくあれるのか、についてお話をお聞きしています。タックさんは実は2022年12月号の『東京人』で初めて公にノンバイナリーであることを語るエッセイを投稿していたりもしているのですが、今回のインタビューでは自身がアセクシュアルにも当てはまるのではないかと思い始めているということも語っています。
法的に婚姻が認められず、老後にさまざまな不安がつきまとう性的マイノリティのために、緊急連絡先カードを作って持ち歩いたり、公正証書を作成したり、任意後見制度を活用したり、遺言書を書いて法務局に登録したり、現行法の下でもできることをアドバイスしてきたのがNPO法人パープルハンズの永易至文さんです。月一回、一品持ち寄りでごはんを一緒に食べる「ちゃぶ台の会」を主催し、高齢の当事者の貴重な居場所になっている様子が短編映画としてTRPでも上映されています。永易さんは「魔法があるわけじゃない。東京はまだいいけど、地方はさらに厳しい。大切なのは『知識と仲間』だと思っています」と語っています。
鳩貝啓美さん&河智志乃さんは、現在59歳と53歳という老いを次第に実感するような年頃でありながら、未来に向けて力強く歩みを進めている女性カップルとして登場し、出会いやパートナーシップのこと、性的マイノリティ女性支援団体「coLLabo」の活動のこと、世田谷区でのパートナーシップ宣誓制度への貢献、そして「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告に加わることにした思いなどを語っています。河智さんはつい最近、『ミドルエイジ・レズビアンの住まいとカミングアウト、これまでとこれから』という本も発表しています。
もしかしたらLGBTQ(性的マイノリティ)のリアリティにあまり触れたことがない方も多いかもしれない読者に向けて、素敵に楽しく老後を生きる姿だけでなく、当事者が直面しがちな老後の課題のシビアなところも伝えながら、同性婚実現を後押しするような誌面になっています。
書店はもちろん、コンビニでも売られている雑誌ですので、よろしければお手に取ってみてください。