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SRHRの認知向上や実現を図るキャンペーンが始まりました

 国際NGO「プラン・インターナショナル」は7月30日、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の認知率に関する調査結果を発表するとともに、日本におけるSRHRの実現を目指して多様なステークホルダーと連携し、「SRHR for JAPAN #一億人のためのSRHR」キャンペーンを開始したことを発表しました。


 国内の1万人を対象に、インターネットで実施された調査では、SRHRの認知率は25%、理解は9%にとどまり、極めて低い水準であることが明らかになりました。SRHRの権利を「重要」とした人が57%に上った一方で「日常で(自分の権利が)尊重されている」と感じる人は35%にとどまりました。また、性的な行為の際に互いが望んでいるかを確認する「性的同意」の認知率は85%となった一方で学習経験がある人は18%、「毎回同意が取れている自信がある」と回答した人は26%にとどまりました。
 プラン・インターナショナルは、性的同意の認知は進んでも学びや実践が追いつかない、医療や相談サービスにアクセスできず安全が保障されないなどの課題が浮かび上がったと指摘しました。
(調査レポート「SRHR white paper 2025」はこちらからご覧いただけます)

 この日会見を開いたプラン・インターナショナルは「SRHR for JAPAN」が誰もが自分の人生を、自分の手で選び取ることのできる社会の実現を目指す活動だと説明しました。
「現在の日本社会では、SRHRが十分に実現されておらず、その結果として多くの深刻な問題が生じています。具体的には、性に関する正しい知識が広まっていないことや、性と生殖の選択に関わる権利が制限されることで、性別や性的指向・性自認を理由とした差別や不平等が根強く存在しています。女性やLGBTQ+の人々が自身の身体や生き方に関する自由な選択を行なうことが困難である状況や、社会的偏見による孤立などの問題が依然として解消されていません。
 また、性暴力は重大な社会問題でありながら、十分な対策が講じられていない現状があります。被害者が声を上げにくい環境もあり、性的同意の重要性も十分に認識されていません。
 さらに、医療サービスへのアクセスが不十分なことも深刻な課題です。安全な避妊方法や緊急避妊薬(アフターピル)、性感染症の予防や治療、人工妊娠中絶 や妊娠・子育てに関するサポートを受けるための医療が、経済的・地理的な制約によって利用しにくい状況が続いています。
 適切な性教育や医療を受けられないことから、特に弱い立場に置かれた人々の予期しない妊娠や性感染症のリスクが増加し、教育機会や雇用の不安定化に繋がりやすいという悪循環が生まれています。
 SRHRが実現されていないことは、差別や不平等から貧困まで、複雑かつ多岐にわたる社会問題を生み出しており、根本的な対策と認識の向上が求められています」
 
 これから4年にわたって活動していきますが、そのキャンペーン第一弾として、性的同意についての理解を深められる「性的同意チェック」を展開するそうです。性的同意を「難しい」「知識不足」と感じさせるものではなく、対話や学びのきっかけを提供するツールとして、「問題をチェック形式で出題し、解説を通じて理解を促す」という形式を取っていて、チェックという形式で、誰もが気軽に参加でき、答えを模索しながら学んでいけるものを目指しているそうです。具体的には、事態に直面した際に適切に対応するための準備となる具体例を知り、その後で各回答に対する解説とともに、性的同意の相互的・継続的な理解を深めていただくことを想定しています。詳細は「SRHR for JAPAN」のサイトをご覧ください。

 
 
 
参考記事:
性と生殖の権利、理解9% 若者ほど浸透、NGO調査(共同通信)
https://www.47news.jp/12941677.html
性や出産、自分で決める「SRHR」認知25% 世代間でギャップ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20250730/k00/00m/040/327000c
「私の体は私のもの」性と生殖の自己決定権、日本でも実現を 幅広い性教育訴え、国際NGOがキャンペーン(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/425124

「SRHR for JAPAN #一億人のためのSRHR」キャンペーンを開始(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000268.000012939.html

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