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先月カミングアウトした韓国の元軍人モデルが“同性結婚”を発表
『スポーツソウル日本版』『エンタメコリア』のニュースで、韓国のバラエティ番組『鋼鉄部隊W』(原題)で注目を集めたモデルのクァク・ソニが同性の恋人との“結婚”を発表したことがわかりました。これまで
2024年に韓国で放送された女性軍人出身者によるサバイバル・バラエティ『鋼鉄部隊W』に陸軍チームのチーム長として出演し、強いカリスマ性と人間的な魅力で注目を集め、モデルやマラソンランナーとして活躍しているクァク・ソニは今年7月13日、自身のSNSに「Stunning Day by Day and this is who we R -(輝しい日々。これが私たちです)」というコメントとともに同性の恋人との幸せそうな姿の写真を投稿ました。
このカミングアウトに対して、この投稿を見た人気YouTuberのカンミも「とてもカッコよくて彼女さんだと気づきませんでした。本当にお似合いです。応援しています!」と温かいメッセージを送るなど、たくさんのサポーティブなコメントが寄せられたことから、クァク・ソニは再び、15日に、以下のようなコメントを投稿しました。
「私の大切な日常と、心から愛する人との関係を美しく見守って応援してくださり、本当にありがとう。言葉にしきれないほど幸せな時間を過ごしています」
「実際、私はただ愛する人との小さくてかわいい日常を記録しただけですが、多くの方が心から祝福と応援を送ってくださり、戸惑いながらも感謝しています」
「『鋼鉄部隊』を含む番組出演やインスタグラムの活動を通じて、ある程度の影響力があることはわかっていましたが、これほど大きな反応になるとは夢にも思いませんでした」
「ご存じの通り、私の恋人は普通の一般人です。ブログやニュースなど不特定多数が見る媒体に投稿される際には、私の姿だけを使用するか、恋人の顔にはぼかし処理をしていただけるとありがたいです。インスタグラムは公開アカウントであっても、恋人のプライベートが含まれた空間であることを考慮してほしい」
「多くの方が『勇気ある』『堂々としている』という表現を使ってくださいましたが、私にとってはただ自然な記録の一部でした。しかし、誰かには隠すことのない姿に見え、そのおかげで強い人だと認識されたようです」
「愛の形がどうであれ、存在するだけで尊重されるべきだと思います。世界に存在するさまざまな愛の形に心から拍手を送りたい。そして、私たちのような人々も、自分の愛に勇気を持ってほしい。私たちは皆、幸せになる権利を持っているのです」
「これからもトレーニングやフリーランスモデル活動、撮影など、さまざまな分野でポジティブな影響力を発揮できる人になるよう努力します。私と恋人、そして皆さんの日常に幸せと健康があふれることを願っています」
そんなクァク・ソニは最近、恋人とともにYouTubeチャンネル『生放送女が好きだ』に出演し、結婚する計画について語りました。しかし周囲からは「交際期間が短いのにあまりに早すぎるのでは」といった心配の声も寄せられていて、これに対し彼女は「男女のカップルでも3ヵ月とか6ヵ月で結婚する例はたくさんあります。私たちも同じだと思います」と揺るぎない姿勢を示しました。また「結婚なんて考えたこともありませんでしたが、彼女と出会って自然に“結婚”という言葉が浮かぶようになりました。一緒に暮らしたいし、私たちに似た子どももほしいです。ウェディングドレスとタキシードを着た自分たちの姿が自然に想像できる。それが“結婚したい”という気持ちにつながりました」と胸の内を語りました。実際には、同居の転入申告(役所で配偶者として同居する旨の申請だと思われます)を試みたものの「二人とも女性であるため配偶者登録はできない」との理由で認められず、同居人としてのみ登録した経験も明かしています。
11月にはニューヨークマラソンに出場するとともに現地で結婚の誓いを行ない、帰国後は済州島でウェディング撮影を予定しているそうです。
韓国ではトランスジェンダーの女優/歌手/モデルとして活躍するハ・リスこそ例外的な成功を収めましたが、LGBの芸能人のカミングアウトは苦難の連続でした。2000年にタレントのホン・ソクチョンがゲイであることをカムアウトし、出演していたテレビ番組から全て降ろされ、事実上芸能界を干され、辛酸をなめました。2008年にはモデル・俳優のキム・ジフがゲイであることをカムアウトしましたが、所属事務所との契約が打ち切られ、世間の風当たりの強さに堪えかね、自ら死を選びました…。その後、ずっとカムアウトする方が現れなかったのですが、2018年にはゲイであることをオープンにした初のK-POPアイドルとしてホランドがデビューしました(しかし彼は2022年に梨泰院の路上でヘイトクライムにあっています)、2019年、韓国Mnet「アイドル学校」出身のモデル・歌手、ソム・ヘインがバイセクシュアルであることをカムアウトしました。2020年、トロット(演歌)歌手、クォン・ドウンが「社会にポジティブな影響を与える人になりたい」としてゲイであることをカムアウトし、活動しましたが、誹謗中傷を受けて心を病むなどして音楽活動を自粛、2021年に活動を再開しました。2021年には元「WASSUP」のジエと、ラッパーのカン・ミンス(AQUINAS)がバイセクシュアルであることをカムアウトしています。そして今年4月、「JUST B」のベインがゲイであることをカムアウトしました。
韓国での同性婚といえば、2013年、映画監督のキムジョ・グァンスと映画会社「RAINBOW FACTORY」のキム・スンファン代表が韓国初の同性結婚式を挙げた際は、アンチの人が乱入し、汚物を投げつけるという、本当にひどい出来事がありました。そこから10年余りが経ち、2024年には韓国の11組のカップルが日本と同様に結婚が認められないのは憲法に違反するとして裁判を起こしています。
今年はホン・ソクチョンのカミングアウトから四半世紀の節目です。25年経って韓国社会も(まだまだ厳しいとはいえ)以前よりは同性愛に寛容になっているはずです。ベインやクァク・ソニのような著名人がカミングアウトし、また(海外ではありますが)同性結婚式も挙げるようになったということが、そのことを象徴していると言えるでしょう。
参考記事:
「私たちに似た子どもも欲しい」韓国“元軍人”モデルが同性婚を発表、祝福と心配の中で決意固める(スポーツソウル日本版)
https://www.rbbtoday.com/article/2025/08/27/235626.html
『鋼鉄部隊W』出演のクァク・ソンヒ、同性の恋人と結婚…「11月にニューヨークで婚姻届を提出」(エンタメコリア)
https://ekr.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/27/2025082780138.html
『強靭な部隊W』のクァク・ソニ、LGBTQであることを公表…恋人とのスキンシップにYouTuberカンミも応援(テンアジア)
https://k-hallyunews.com/articles/detail/6157
同性の恋人との日常を公開 女性軍人出身者によるサバイバル番組で注目された韓国モデル、応援に感謝(OSEN)
https://news.jp/i/1318103669510799569?c=428427385053398113?c=42842738505339811