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参院選の選挙ポスターにスマホをかざすと候補者が同性婚と選択的夫婦別姓に賛成かどうかがわかります

参院選の選挙ポスターにスマホをかざすと候補者が同性婚と選択的夫婦別姓に賛成かどうかがわかります

 ARカメラを使い、参院選の選挙ポスターにスマートフォンのカメラをかざすと候補者が同性婚と選択的夫婦別姓に賛成かどうかが浮かび上がるシステム「MARRIAGE VISION(マリッジビジョン)」がリリースされました。Marriage For All Japanと選択的夫婦別姓の実現を目指す「あすには」が共同で開発したものです。担当者は「人権意識がある政治家かどうかの指標になる」として活用を呼びかけています。


■「MARRIAGE VISION」の利用方法
 アプリダウンロードなどは一切不要で、3つの簡単なステップでご利用可能な無料サービスです。
 まず「MARRIAGE VISION」のサイトにアクセス。次に、表示されている選挙区の中から、利用者がかざそうとしているポスターの選挙区を選択すると、スマートフォンのカメラが自動で起動します。あとはスマートフォンのカメラを選挙ポスターにかざすだけです。
 法制化に賛成している候補者のポスターにスマホをかざすと、システムがポスターを自動で判別し、AR上で「結婚」をイメージしたカラフルな花束の3Dエフェクトが起動。「同性婚に賛成」「選択的夫婦別姓に賛成」という立体的な文字のエフェクトがポスター周辺に現れることで、それぞれ法制化に賛成するかどうかを一目で知ることができます。なお、候補者が法制化に賛成しているかの判別については、国会議員への大規模調査に基づいて同性婚の意向を可視化したウェブサイト「マリフォー国会メーター」などの情報を基準にしています。


 昨年の衆院選に際してのニュースでもお伝えしたように、パートナーが戸籍上同性であるというだけで、どんなに長年連れ添い、ふうふ同然の暮らしをしていたとしても、法的に家族と認められないがゆえに、共同財産を親族に奪われ、火葬にも立ち会えず、遺体の身元確認すらできず…という悲劇に見舞われる可能性があります(同性パートナーシップ証明を受けてもなお、です。法的効力はゼロなので)。同性婚の法制化が強く望まれるゆえんです。公益社団法人「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」は6年超も裁判を闘い、全国五つの高裁で違憲判決を勝ち取ってきましたが、国会では一向に議論が進まず、また、たとえ最高裁で違憲判決が出ても国会が動かなければ(立法を怠れば)婚姻平等は実現しないことから、国会議員にお手紙を書こうプロジェクトを全国で展開したり、マリフォー国会メーターを開発したり、同性婚賛成議員を国会に増やすためのさまざまな取組みも行なってきました。その一環として昨年、有権者にとって生活の中の最も身近な場所にある候補者選びの場である「街頭の選挙ポスター」に着目し、ポスターにスマホをかざすだけで同性婚に賛成かどうかがわかるARカメラ「PRIDE VISION」を開発、TRPでテスト運用し、秋の衆院選でリリースされました(初めは対応エリアが東京のみだったのですが、全国の当事者・支援者の方たちが選挙ポスターの登録に協力し、わずか5日間で全国204の選挙区での利用が実現しました)
 今回の参院選では、選択的夫婦別姓の実現を目指す「あすには」と共同し、同性婚と選択的夫婦別姓の法制化に賛成する候補者がわかる「MARRIAGE VISION(マリッジビジョン)」として開発され、10日(木)にリリースされました。(6月30日、両団体が都内で会見を開いた際のレポートがこちらに掲載されていますので、お時間あればご覧ください)
 
 
 今回の参院選でも同性婚の法制化が争点の一つになっており、いろんな団体やメディアの候補者・政党アンケートで当然のように同性婚の法制化と選択的夫婦別姓のことが質問項目に入っています。
 
◎Marriage For All Japan
 Marriage For All Japanが各政党に公開質問状を送って婚姻平等(同性婚の法制化)への賛否を調査しました。政党要件を満たす全政党に回答を依頼し、(一部政党からはまだ回答がないものの)結果を発表しています(結果はこちら。自由記述も読めます)

◎zero選挙
 物価高や少子化対策、多様性など、幅広い政策に関する候補者の考えを確認できます。選択的夫婦別姓や同性婚についても聞いています。

◎朝日・東大谷口研究室共同調査
 約20年前から実施されている「選挙と言えば」の朝日・東大谷口研究室共同調査。2016年の参院選から同性婚についての設問も盛り込んでいます。今回は候補者522人のうち489人から回答を得ています(回答率94%) ※今回は有料会員の方しか見れないようになっています。
 
◎NHKの政党アンケート
 経済、労働、憲法などさまざまな政策に対しする政党の考えを調査し、発表しています。同性婚については、Marriage For All Japanのアンケートとは異なる回答をした政党や、未回答だった政党の回答も載っています。
 
◎アムネスティ・インターナショナル日本全候補者人権意識調査アンケート
 アムネスティ・インターナショナル日本はLGBTQや気候変動、難民認定など人権課題への意識に関する候補者アンケートを実施しています。LGBTQに関しては、同性婚だけでなく、「性的指向・性自認に基づく差別禁止を法制化すべき」「最高裁判所で違憲と判断された性別変更の手術要件は撤廃すべき」「性的指向・性自認の多様性について、学習指導要領に盛り込み義務教育の中で子ども達に教育すべき」という項目も設けられていて、詳しいです。

 
 




参考記事:
選挙ポスターにスマホをかざすだけ。参院選候補者が選択的夫婦別姓と同性婚の法制化に賛成か一目でわかるARカメラ「MARRIAGE VISION(マリッジビジョン)」 7月10日(木)よりサービス利用開始(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000054117.html

選択的夫婦別姓、同性婚に賛成?スマホで参院選候補者の意見を可視化(サステナブル・ブランド)
https://www.sustainablebrands.jp/news/1303391/

選挙ポスターにスマホかざすだけ デジタル技術で選択的夫婦別姓などの政策を判別(テレ朝NEWS)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000436127.html

選択別姓、賛成の候補は? スマホかざし「人権」測る(共同通信)
https://news.jp/i/1315801285191582438?c=302675738515047521?c=302675738515047521

選択的夫婦別姓と同性婚 賛成候補をカメラで判別 サービス提供へ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20250707/k00/00m/010/254000c

同性婚や選択的夫婦別姓、この候補者は賛成? スマホを参院選のポスターにかざすと「見える」ように(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/416013

参院選 選挙のポスターにスマホかざして政策確認 選択的別姓・同性婚への「賛否」(信濃毎日新聞)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2025071000189

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