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『ババヤガの夜』が米国のLGBTQ文学賞の最終候補に

 先日、ダガー賞の翻訳部門を受賞した王谷晶さんのシスター・バイオレンス・アクション小説『ババヤガの夜』が、今度は米国最大級のLGBTQ文学賞である「ラムダ文学賞」のLGBTQ+ミステリー部門最終候補に選ばれました。受賞の期待が高まります。
 
 
 7月30日(米ニューヨーク時間)、王谷晶さんの『ババヤガの夜』の英訳版『The Night of Baba Yaga』(訳:サム・ベット/Soho Crime)が第37回ラムダ文学賞(Lambda Literary Awards)LGBTQ+ミステリー部門の最終候補作に選出されました。この部門での日本人作家のノミネートは史上初となります。
 ラムダ文学賞は、1989年にラムダ文学協会によって創設されたLGBTQ文学賞で、LGBTQをテーマとする文学作品の可視化と認知拡大を目的に、米国を中心に長年にわたり広く影響力を持ってきました。スーザン・ソンタグ、パティ・スミス、エドマンド・ホワイトなども名を連ねてきた由緒ある文学賞ですが、日本文学作品のノミネートは極めて希少で、これまでに高橋睦郎さんの『十二の遠景』が「ゲイの回想録/伝記」部門に、田亀源五郎さんの『弟の夫』が「LGBTQグラフィックノベル」部門に、ヒロミ・ゴトーさん(幼少期にカナダに移住した日系カナダ人作家)の『Shadow Life』(作:Hiromi Goto、絵:Ann Xu)が「LGBTQグラフィックノベル」部門にノミネートされています。
(なお、ラムダは1970年代にGAY解放運動のシンボルとして用いられるようになったギリシア文字(小文字)です。「ラムダ・リーガル」というLGBTQ団体が有名です)
 
 ラムダ文学協会の新エグゼクティブ・ディレクターであるJ・クラップ氏は『ババヤガの夜』への評として、「今年のショートリストは、法律や偽情報によってLGBTQ+の物語が攻撃されているこの時代において、私たちの声と、それを乗り越えてきた力強さを映し出しています」と公式サイトでコメントしています。

 受賞作は10月4日(米ニューヨーク時間)にオンラインにて発表される予定です。日本のLGBTQコミュニティからの初の受賞となることが期待されます。
 

 

参考記事:
米ラムダ賞候補に王谷晶さん LGBTQ作品の文学賞(共同通信)
https://www.47news.jp/12946007.html

【再び、日本人初の快挙となるか】速報!王谷晶『ババヤガの夜』がアメリカ〈ラムダ文学賞〉最終候補に! イギリス・ダガー賞に続き、前人未到のW受賞に期待高まる(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000998.000012754.html

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