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米バレー米男子主将が自身のカミングアウトについて語りました
現在開催中のバレーボールネーションズリーグ2025にも出場している米国男子チームの主将、エリック・ショージ選手が先月、クィアであるとカムアウトしていたことがわかりました。
プライド月間の先月、エリック・ショージ選手はカメラに向かって「自分がクィアであることを世界に伝えるために、私はここにいます」「怖さと同時に、解放感も感じています」と語りました。男性スポーツ界ではまだまだカムアウトする選手は多くありませんが、そんななか、自身のTikTokやインスタグラムで公開した動画は約1ヵ月で15万を超える「いいね」を集めました。
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」のインタビューに応じたショージ選手は、「私の全て、ほぼ全てを知ってもらう時間を作るべき時だと思ったんです。五輪チームでプレーし、キャプテンを務めるなかで、自分に正直になり、自分の望むように生きることが選手にとって重要だと考えるようになりました。それが私の決断でした」と語りました。自分がクィアであると自認し、100%受け入れるまでには何年もかかったそうで、「それを世界に向けて話すのはさらに次元が違うものでした」。動画の反響はポジティブなものばかりで、「1か月ほど経ちましたが、何も変わっていません」とのことです。
米国男子代表のチームメートには、ゲイであることを公表しているメリック・マクヘンリー選手※もいて、「みんなが優しく、支援的なんです」とのこと。今季から初めてキャプテンの大役を務めていますが「このチームのみんなと一緒にここにいられることにとてもワクワクしています」と語りました。「正直に言うと私はもう気にしていないんです。自分に力強さを感じていますし、自信を持てています。私という人間や私の考え方が、誰か一人の意見に左右されることはありません」「これはプロスポーツ界、特に男性ではまだあまり話題になっていないテーマだと思います。人々が話したがる主要なものではありませんし、世界には受け入れられていないところもたくさんあります。本来の自分に自信を持ちつつ、一番高いレベルでプレーできると示すことが私にとって重要なことだと考えています。自分が望む自分でいながら、クールなことができると若い人たちに見せたいんです」
※オープンリー・ゲイのメリック・マクヘンリー選手はUCLAに所属し、NCAA(全米大学体育協会)チャンピオンシップでUCLAが2023年、2024年の2大会連続で優勝を果たすことに貢献し、今回の代表にも選ばれています。昨年のOutsportsの「Male Athletes of the Year」にも輝いています。
現在35歳のエリック・ショージ選手はリオ五輪以来3大会連続で五輪に出場し、リオ五輪とパリ五輪でチームの銅メダル獲得に貢献しています。
日本ではまだカムアウトして五輪に出場した選手はいないため、まだカミングアウトしやすい環境であるとは言い難いものがありますが、ショージ選手は「日本の状況はわかりませんが……」と前置きしたうえで、「誰もがありのままの自分でいることを安全に感じるべきですし、もしそうでないなら適切なコミュニティを見つける必要があります。バレーボール界はとても寛容で、愛のあるところです。私を見てくれれば、あなたを愛し、サポートしてくれる私のような人がいるとわかってもらえると思います。あなたがあなたらしくいられることを願っています」とエールを送りました。
エリック・ショージ選手のカミングアウトに注目し、このようにインタビューをとってくれた「THE ANSWER」も素晴らしいですし、ショージ選手のコメントも素晴らしかったです。
各地でゲイのバレーボールの大会(例えばこちら)なども行なわれているように、数あるスポーツの中でもバレーボールの人気は高いと思われます。もしかしたらプロ選手のなかにもいらっしゃるかもしれません。いつか日本でもマクヘンリー選手やショージ選手のような方が現れたら素敵ですね。
参考記事:
バレー米国主将がLGBTQを公表した理由「全てを知ってもらうべきだと」 何年も悩み…取材で告白、怖さから自信へ(THE ANSWER)
https://the-ans.jp/column/559904/
Young gay stars Nico Young and Merrick McHenry are Outsports 2024 Male Athletes of the Year
(Outsports)
https://www.outsports.com/2024/12/26/24105093/nico-young-merrick-mchenry-gay-outsports-2024-male-athletes-of-the-year/