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「Tokyo Pride 2025」が開催され、過去最高の約273,000人が来場

  新体制となり、イベント名も変更し(本来の名称に戻し)、東京では初のプライドマンスの開催となった「Tokyo Pride 2025」が7日・8日、代々木公園イベント広場で行なわれました。2日間合わせたのべ動員数は過去最高の約273,000人に上り、8日のプライドパレードにはおよそ1万5000人が参加し、「Same Life, Same Rights」のテーマの下、渋谷や原宿の街を行進しました。
 PRIDE JAPANでも近日中にレポートをお届けしますが、一般メディアでどのような報道があったかを先にお伝えします。イベントの規模や華やかさだけでなく、いろんな角度から深掘りする記事が多かったのが印象的でした。
 

 朝日新聞は、「同じ権利を、全ての人に。全ての人が色々な選択をできるように」と掲げたテーマについての佐藤ユウコ共同代表のコメントを紹介しています。今回のイベントを通して「誰しも様々なマイノリティ性があると思う。この社会の不平等や排除のあり方を、自分事としてみつめてほしい」とのことでした。

 NHKはパレードに参加した60代の男性の声を紹介していました。「6回目の参加ですが、若い参加者が増えたり、沿道のお客さんがハイタッチしたりなど、ずいぶん雰囲気が変わってきたと思います。世の中は変わりつつあるのに、法律や制度が追いついていないと感じています」

 東京新聞もパレード参加者の声を紹介しています。都内に住む50代の女性は、自身が30年連れ添った同性パートナーを亡くした際は相続などで苦労したといい、「法的に平等な権利を認めてほしい」と語っていました。
  
 毎日新聞は、「Tokyo Pride」に参加するために群馬から来られた方たちをフィーチャーしています。
 昨年ぐんまレインボープライドパレードを初開催した「ハレルワ」の間々田久渚(ひさな)代表をはじめ13人がパレードに参加し、「群馬はすでに虹色である」と書かれた横断幕やプラカードを持ちながら行進しました。親子で参加した高崎市の東農大二高3年、依田凜さんは「当事者がセクシュアリティを隠さないでいられるような雰囲気を作っていきたい」と語ったそうです。
 
 中央社フォーカス台湾によると、プライドパレードの「チーム台湾」フロートの先頭を、李逸洋駐日代表が歩きました。李氏は、チーム台湾と共にパレードに参加し、台湾の民主主義の強靱(きょうじん)さや多様性、平等の理念を示せて非常に光栄だと、台湾は今後も国際社会と手を取り合って自由や平等、多様性、包括性といった普遍的な価値を推進し、誰もが幸福を追求し、ありのままの自分として生きられるようにしていきたいと語ったそうです。

 TimeOutTokyoは初日の7日のブースとステージの様子や、会場を訪れた方の声をレポートしていました。
 トランスジェンダー男性の幼なじみがいるというユッキーさんは、夫と2歳の娘とともに来場し、「娘には、さまざまなセクシュアリティを持つ人を見てもらい、偏見を持たずに育っていってほしい」と話していたそうです(英才教育。素晴らしいです)。かわいい柴犬を抱えて歩く男性カップルにインタビューしたところ、「以前は、もう少し男性のほうが多かった印象がある。今は女性やアライの人が増えた気がする」と話していたそうです。ふたりぱぱのみっつん&リカさんとお子さんもスウェーデンから来られていたそうです(15日のユースプライドのステージにも登壇します)
 
 ハフポスト日本版も初日に会場を訪れた人たちにインタビューしていました。
 兵庫県から参加したトランスジェンダー男性の方は、東京のプライドは「自分らしくいていいと感じられる場所」だと語りました。友人の中には「会場での視線などが怖く、プライドに行くことを躊躇する人もまだまだいる」ものの、東京のプライドの会場はありのままでいられるセーフスペースのようで「心地がいい場所」だといいます。インドネシア出身で現在は東京に住んでいるレズビアンの方は、「これだけ多くの人が集まる様子に感動していますし、当事者へのサポートの思いを感じます。インドネシアではプライドを開催できないので今回参加できて嬉しい」と語りました。いろんな方が、あの祝福の空間で「私は私のままでいい」と思えたり、感動を味わえた様子が伝わってきました。
 ハフポスト日本版はさらに、2005年に代々木公園のあのステージでカムアウトした尾辻かな子さんへのインタビューや、会場でブースを出展していた「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」をフィーチャーする記事も上げているほか、今回、イスラエル支援企業に抗議するBDS運動の対象とされている企業がスポンサーに含まれていなかったことにも注目しています(関係者は「非常に勇気あるもの」だとして歓迎しています)
 
 テレ朝やABEMA TIMESでは、各国の駐日大使が登壇するステージにアメリカ大使が欠席したことや、協賛企業が減少したことを報じ、トランプ政権の方針が影響したと見られる、とされていました。
 米国では確かに政府の政策が影響し、企業のDEI施策が縮小や撤廃に追い込まれていますが、日本の企業はさほど影響は受けていないという声が各所から聞こえています。記事中で経済同友会の新浪剛史代表幹事も「(スポンサーは減っても)期を追うごとに参加する人も増えていますから、そういった意味で深く厚くしていけばいいと思います。我々は日本として(多様化推進の)スターティングポイントが低いという認識でやっていかないといけない」と述べています。
 
 のちほど詳しいレポートをお届けしますが、初日の早い時間から本当にたくさんの方たちが来場していて、このイベントを心待ちにしていた様子が窺えましたし、ステージにはさまざまな当事者のパフォーマーが出演し、最後のドラァグクイーンショーなどは観客席が超満員になるなか最高に素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられ、感動を呼んでいました。
 また、パレードのMarriage For All Japanフロートにも参加した約50組100名の同性カップル(藤岡奈穂子さん&高橋藍さんなども)が壇上に上がり、「私たちを結婚させてください」と声を上げ、会場から大きな拍手が送られる瞬間があったり、主催・TRPのブースでは「ろう者とLGBTQ+」「LGBTQ+とHIV/感染症」「LGBTQ+と貧困」といったインターセクショナルなテーマでのトーク&交流イベントも催されていて、意義あるイベントになっていました。
 
 「Tokyo Pride 2025」はプライドマンスの間、1ヵ月間にわたって開催されます。ハラカドではクィアアートエキシビションが開催中ですし、14日(土)・15日(日)にはWITH HARAJUKU HALLでユースプライドが、22日(日)には資生堂花椿ホールでヒューマンライツカンファレンスが開催予定です。
 
 
 
参考記事:
「Same Life, Same Rights」LGBTQ+の中に存在する多様なマイノリティ性に目を向け名称変更した「Tokyo Pride 2025」プライドパレード&フェスティバル開催(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000075635.html

“性の多様性 理解を” 性的マイノリティーの人たちが呼びかけ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250607/k10014828731000.html
“性的マイノリティーの差別解消を”渋谷で当事者らが呼びかけ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250608/k10014829241000.html

Tokyo Pride 2025」国内最大級の性的マイノリティーイベントを開催 東京・代々木公園(日テレ)
https://news.ntv.co.jp/category/society/5aa6708515174b509eb0c998c49184ac

アジア最大級LGBTQ+祭典に1.5万人 各国大使登壇も米大使は欠席(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000431037.html
LGBTQ+アジア最大級のイベント開催 1万5000人以上が渋谷を練り歩く(ABEMA TIMES)
https://times.abema.tv/articles/-/10182515
「同じ権利を全ての人に」 虹の旗掲げ1万5千人行進、東京プライド(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/AST682RSTT68UQIP002M.html

「群馬はすでに虹色」 多様な生き方祝う東京プライド・パレード開催(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20250608/k00/00m/040/117000c

「自分らしくいられる日本へ」渋谷でパレード 差別、偏見のない社会を目指して LGBTQ「プライド月間」(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/410360

東京プライドパレードに「チーム台湾」 李駐日代表も参加(フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/society/202506090001

Photo of the Day - 東京プライド 2025(TimeOutTokyo)
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/tokyo-pride-2025-060825

東京プライド2025がスタート。プライドは「自分らしくいていいと思える場所」。集まった人々の思い(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_683ff34ae4b0cc376200d6e3
「政治生命が終わる」と言われたカミングアウト。尾辻かな子議員は再びパレードを歩いた。20年で変わった社会と変わらない政治(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6844411be4b0bd6636226dc9
住まいを失ったLGBTQ+当事者のための個室シェルターがある「この場所があったから回復できた」(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6843c4e1e4b056caa41d36ac
東京プライド、今年のスポンサーにBDS対象なし。イスラエル支援企業のボイコット呼びかけ団体からは「非常に勇気のあるもの」と歓迎の声(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_683e9fd1e4b02a49cce6c2cf

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