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今週末は八戸、小樽、真鶴でプライドパレードが開催

 先週末はサンパウロで世界最大の400万人規模のプライドパレードが開催され(テーマは「高齢化するLGBT+:記憶、抵抗、そして未来」だったそうです。日本でも近い将来、同様の課題が前景化するのではないでしょうか)、日本でも第2回大垣プライドマーチが開催されました。
 そして今週末、6月の最終日曜日(プライドデー)にはニューヨークやサンフランシスコなど世界各地でプライドパレードが開催されます。日本でも八戸、小樽、真鶴でプライドパレードが開催されます。
 

 青森レインボーパレードは今年12回目を迎えるにあたり、初めて青森市を飛び出し、八戸市で開催することになっています(八戸は青森県第二の都市です。せんべい汁やいちご煮、イカなどの海産物を堪能できます。東京からは新幹線で3時間くらいです)。パレードでは津軽地方と南部地方の工芸品である金魚ねぶたと八幡馬(やわたうま)が描かれてたレインボーフラッグが配布されるそうです。
 『八戸経済新聞』にも取り上げられました。青森レインボーパレードを宇佐美翔子さんと一緒に立ち上げた岡田さんは、宇佐美さんが生前によく話していたという青森ねぶた祭りの話を念頭に「青森の人は夏が好き。性別や年齢に関係なく参加できる『ねぶた』のように、歩くことを楽しんでもらえたら」「一緒に歩くことにためらいを感じている人のことを思うことを大切にしている。仲間がいると思ってもらえたら」と語っています。

青森レインボーパレード
日程:2025年6月28日(土)13:00-
集合場所:八戸市役所前広場


 ずっと6月のプライドデーに開催されてきた小樽プライド。実は昨年、解散が発表されたのですが、新たに実行委員会が立ち上がり、今年も開催されることになりました。合言葉は「浪漫の街に、虹を架けよう」。当日はキッチンカーも出るそうです。

第6回小樽プライド
日時:6月29日(日)集合11:30、出発12:00
集合場所:サンモール一番街

 
 神奈川県の真鶴町では西湘クィアプライドが開催されます。「みんなが自由になるまで誰も自由じゃない。」との言葉を掲げ、真鶴の町を歩きます。パレード後にはパーティも開催されます。 
「私たちのプライドは、自分たちの存在を祝いたい人も、生きる権利と安全のために声を上げたい人も、あらゆる差別・嫌悪・迫害に反対したい人も、虐殺に断固反対したい人も、アライとしてプライドに一緒に参加したい人も、全員が一緒に歩き、仲間と出会える場でありたいと願っています」

西湘クィアプライド
日時:6月29日(日)11:00集合、11:30スタート
集合場所:JR真鶴駅




 今年のプライドマンスも、米国の最高裁が未成年のトランスジェンダーへの性別適合医療の禁止措置を支持する判決を下したり、トランプ大統領が自殺防止ホットラインの若年層の性的マイノリティを対象にしたサポートを廃止したりなど、海外から気が重くなるようなニュースが次々届き、つらいものがありました。
 一方、プライドマンス初開催となったTokyo Pride 2025が大成功を収め、鶴岡や伊東のような地方の町でも初めてパレードが開催され、うれしいニュースとなりました。
 
 1970年、GAY解放運動の端緒となったストーンウォール暴動の1周年を記念してニューヨークやサンフランシスコなどでプライドパレードが始まり(なぜ「プライド」と言うようになったのかはこちらをご参照ください)、今年で55周年を迎えることになりました。
 今では世界中でプライドパレードが開催され、日本でもこれまで40〜50箇所で開催されていますが(アジア最多じゃないでしょうか)、パレードの規模やスタイルなどは実に多様です(性が多様であるように)。人々がパレードに抱くイメージや期待することも様々でしょうし、パレードに参加する理由や参加しない理由もさまざまでしょうが、プライドパレードが性の多様性を祝福するLGBTQコミュニティの祝祭であり、(亡くなってしまう方もいるなかで)今年も会えてよかったね、と喜び合い、この1年それぞれが闘ってきたことを讃え合い(「Happy Pride」にはそういう気持ちも込められていると思います)、LGBTQの可視化や差別への抗議、権利回復を目指して開催するというところは共通なのではないでしょうか。
 ロンドンのプライドはそのスピリットを「Protest(抗議)」「Visibility(可視性)」「Unity(団結)」「Equality(平等)」という4つの言葉で表していますが、おそらく世界的に見ても、こういうことではないかと。
 
 サンパウロのパレードに1996年から参加し、2001年からは運営にも参加しているというメイ・リンさんは、「(このパレードは)抗議活動があり、群衆が集い、常にフェスタです。私たちが集まることで、認識される機会も増え、注目を集めるようになり、写真も増え、皆が話題にしたくなります」「人々が集まれば、私たちはより広い道を切り開くことができ、訴えることができ、抗議することができ、それを世に広めることができるのです」と語っています。

 プライドマンスを、そして2025年の上半期のプライドシーズンをしめくくるパレードたちが、どれもいいパレードになりますように。

 
参考記事:
世界最大級のLGBT+プライドパレード、約400万人が集結(Yahoo!)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f47fd61aabff85f4d8c3d623e190942b77e5732f

八戸で初の「レインボーパレード」 性や生き方の違い、音楽に合わせ呼びかけ(八戸経済新聞)
https://hachinohe.keizai.biz/headline/2400/

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