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セレブたちがトランスジェンダー支援の「Protect the Dolls」Tシャツを着用して話題に
トランプ大統領が性別は男/女に限るものとする、出生時に割り当てられた性別からの移行やパスポートのサードジェンダー(X)表記は認めない、トランスジェンダーの従軍も禁止するなど、次々にトランスジェンダーの権利を脅かし、抑圧・弾圧しようとする政策(攻撃と言ってよいでしょう)を進め、かねてより保守的な州で進められてきた未成年へのジェンダー適合医療の提供を禁じる政策も最高裁で支持されてしまい、米国のトランスジェンダーやその家族は絶望の淵に立たされています。おまけにLGBTQ+ユースの自殺を防ぐホットラインへの支援も来月で打ち切られることになり、支援体制も骨抜きにされ…危機的な状況です。
5月17日(国際反ホモフォビア、バイフォビア、トランスフォビアの日)、ワールドプライドが開催されていた首都ワシントンDCでは、(かつてエイズで亡くなった方を追悼するためにメモリアルキルトが広げられた)ナショナル・モールに、3色のトランスジェンダーカラーのキルトを使って「Freedom To Be(自分であることの自由)」という文字が描かれました。このキルトの制作には全米の200名以上のトランスジェンダーのアーティストやその家族・友人が参加し、258枚のキルトが並べられ、トランスジェンダーとアライのコミュニティのパワーを示す象徴的なイベントとなりました。
もう一つ、セレブの間で広まっているトランスジェンダー支援の素敵な動きをご紹介します。
デザイナーのコナー・アイヴスが今年2月に行なわれたロンドンファッションウィークのフィナーレのランウェイで白地に「Protect the Dolls」と書かれたTシャツ(「The Dolls」はトランスジェンダー女性たちの愛称)を着用したところ、どうすればこのTシャツを買えるかという問合わせメールが殺到したことから、99ドルで売り出されることになり、ティルダ・スウィントンやマドンナがこのTシャツを着た画像をシェアしたり、ペドロ・パスカルが映画『サンダーボルト』のプレミアで着用したり、歌手のトロイ・シヴァンがコーチェラのステージで着用するなどしてさらに話題になっています。
Tシャツによる収益の大部分はトランスコミュニティを支援する非営利団体「トランスライフライン」に寄付され、すでに30万ドル以上が集まったそうです。
『CR fashion』誌は「ファッションはこれまでも、そしてこれからもずっと政治的なものです。コレクション、ランウェイショー、キャンペーンは、政治の影響から切り離されていません。LGBTQ+の個人に対する継続的な立法上の脅威に、一部のデザイナーは強いテーラリングの力でそれを押し返しています」「服は社会的通貨です。服は私たちの価値観を語り、私たちを結びつけ、目的を持って着用すれば鎧になります。プロテクト・ザ・ドールTシャツはまさにそれを行います。スローガンを戦いの旗に変え、同盟を結集し、トランスの声を増幅します。権利が理解されるにつれて、シャツは連帯を縫い合わせます。それは本当に、ファッションの最も激しい武器です」とコメントしています。
参考記事:
Freedom To Be: Trans Community Celebrates on the National Mall(TransVitae)
https://www.transvitae.com/freedom-to-be-trans-community-celebrates-on-the-national-mall/
米トランプ政権下でセレブたちが連携。「プロテクト・ザ・ドール」Tシャツを知っていますか?(mi-mollet)
https://mi-mollet.com/articles/-/54780
ペドロ・パスカルやトロイ・シヴァンが着用。「Protect the Dolls」Tシャツが広げるトランスジェンダー支援の輪(GQ)
https://www.gqjapan.jp/article/20250516-conner-ives-protect-the-dolls
とあるTシャツがアメリカで爆売れ、「Protect the Dolls」このメッセージに込められた意味は?(DAILY SUN)
https://www.dailysunny.com/2025/04/24/nynews250424-3/