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與真司郎さんが『AERA』の表紙を飾りました

 與真司郎さんが『AERA』2025年4月21日号の表紙を飾りました。写真を手がけたのは蜷川実花さんです。
 インタビューで與さんは、AAAのメンバーとして活動しながらも男女の恋愛ソングに感情移入できずにいたこと、カミングアウトの1年半前までは家族にも打ち明けていなかったこと、本当の自分を隠し続けることのつらさから、カミングアウト後に世界中から相談や励ましの声が届き、「自分を愛し、自分のことを認めていたら、自己肯定感も上がっていく」と実感したことなどを語りました。「カミングアウトしても表紙に起用されるなんて嬉しい」という言葉を聞いてインタビュアーの方は「少し動揺した」といいます。「まだまだ世間は、性的マイノリティに対し冷たい、少なくとも與にはそう思わせてしまっていたのか、と。変わっていかなければいけないのは、きっと私たちのほうだ。與と言葉を交わしたことで、そんな気持ちにさせられた」


  
 本日公開された『FRAU』のインタビュー連載「「ゲイを隠すのが辛かった」AAA與真司郎が「28歳のアメリカ留学」を実現させた方法 インタビュー第1回」では、そもそも與さんがなぜロサンゼルス(LA)に留学したのか、そこでどんな出会いがあったのか、ということについて語られています。
 芸能活動をしながら、「バレたらこの世界にいられない」という恐怖に苛まれていた與さん。「僕にとって同性愛者であることを徹底的に隠すとは、誰とも恋愛しないことと同義です。“恋愛を経験しないまま死ぬんだ”という想像、誰かを愛し愛されたいという思いがせめぎ合っており、そのジレンマの先に行き着くのは、バレたらこの世界にいられないという恐怖です。プライベートの僕は揺れ動く思いを常に抱えて生きていました」。そんな思いが飽和状態になった2010年、22歳のとき、與さんは短期の休みを取ってLAに一人旅に出かけました。ゲイタウンでもないのに、街を歩いていると、男性どうしのカップルがキスをしている、そんな光景を見て、「同性愛は恥じることではないんだ」と強い衝撃を受けたといいます。「そのときに、ここが自分の居場所だと思い、ここに将来絶対に住みたいという気持ちが生まれました」
 帰国後、「表に出る仕事を重ねるほど、日本は同性愛者への偏見があることを肌で感じ」、LAに基盤を作ることを決意し、猛烈な勢いで英語を勉強したんだそうです。
 本日発売のフォトエッセイ『人生、そんなもん』には、カミングアウトを決意し、真っ先に信頼するスタッフ3人に相談したエピソードが書かれています。そのうちの2名が今回の『FRAU』のインタビューにも同席していたので、当時のことを聞くと、「真司郎が同性愛者だとは全く知らなかったので驚きました」「20201年ですね。LAの自宅に行ったとき、ぼくらに真司郎は『俺、夢あんねん。世界変えたいねん』って言うんですよ。は?と思っていたら、同性愛者だと告白され、『え〜!!』となりました」
 インタビュー第2回では、「3年かかった理由」にもつながる、家族へのカミングアウトのときのエピソードが語られるそうです。また、「人生そんなもん」という連載では、2023年に約2000人のファンの前でカムアウトしたときの手紙の全文が紹介されています。
 

 やはり本日公開されたENCOUNTの「AAA與真司郎、ゲイ公表の裏側と決断 後押しした年上男性の言葉「お前は世界を変えられる」」という記事では、迷いながらもフォトエッセイに書いたというLA時代の2人の元恋人のことが紹介されています。
 最初の恋人は年上で、いろんなことを教えてくれる人だったそうです。彼は「僕がまだ自信がなかったころ、『お前は世界を変えられる。将来、カミングアウトして人を助けてくれ』と言ってくれた」といいます。「最初は『そんなの無理だよ』って思ってたけど、彼がそう言ってくれたことで、自分の中に変化が生まれていったんです。彼がいなかったら、たぶん僕はまだカミングアウトできていなかったと思います。それくらい大きな存在でしたし、その3年間の恋愛は、僕の人生にとってすごく大きな意味を持ってます」
 「愛されること、愛することがどういうことなのかを、彼との関係で初めて学んだような気がします」と語る與さん。LAでのおつきあい、彼との出会いがあったからこそカミングアウトの勇気を持てた――本気で恋人のことを愛するなかで、ゲイとして堂々と生きていこうとするPRIDEが育まれたという話は、とても素敵でした。そのLAの彼も、ストーンウォール以来の50年にわたる米国のPRIDEの歴史のなかで築かれた自由でオープンなゲイコミュニティの一員だったからこそ「将来、カミングアウトして人を助けてくれ」と言うことができたのでしょう(LAは1970年6月28日、NYやシカゴ、サンフランシスコなどと並んで最初のプライドパレードを開催した街であり、米国有数のゲイタウンウェストハリウッドを擁する街です。LAにはとても大きなLGBTQセンターや、米国初のLGBTQ向けシニアハウスもあります)
 
 知れば知るほど、親しみも持てるし、共感が深まっていく與真司郎さんのお話。『人生、そんなもん』、とてもいい本なんだろうなと思えます。

 
 
参考記事:
ゲイ公表したAAA・與真司郎「カミングアウトしても表紙に起用されるなんて嬉しい」(AERA)
https://dot.asahi.com/articles/-/254410

「ゲイを隠すのが辛かった」AAA與真司郎が「28歳のアメリカ留学」を実現させた方法 インタビュー第1回(FRAU)
https://gendai.media/articles/-/151015
【全文公開】「翌日の飛行機チケットを取っていた」與真司郎がゲイだとカミングアウトした「手紙」(FRAU)
https://gendai.media/articles/-/151017

AAA與真司郎、ゲイ公表の裏側と決断 後押しした年上男性の言葉「お前は世界を変えられる」(ENCOUNT)
https://encount.press/archives/782333/

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