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3月31日はトランスジェンダー可視化の日

 11月20日は国際トランスジェンダー追悼の日(Transgender Day of Remembrance)ですが、これは今生きているトランスジェンダーの人々を認知したり祝福したりするものではないということで、2009年から、3月31日をInternational Transgender Day of Visibility(国際トランスジェンダー認知の日、トランスジェンダー可視化の日)とし、その生を祝う日にしようと呼びかけられ、以後、3月31日に世界中でさまざまな活動が展開されています。
 日本でも、『I Am Here ー私たちはともに生きているー』の浅沼智也監督によって、2年前の3月31日に7人のトランスジェンダーの方々が「あの日の自分へ」メッセージを贈る素敵な動画が制作・公開されました。昨年は、こちらのような事情で中断を余儀なくされましたが、本日、再び5人の当事者の方たちが出演して「あの日の自分へ」メッセージを贈る動画が制作・公開されています。ぜひご覧ください。



 また、本日夜、GID特例法の問題について議論する院内集会「トランスジェンダー国会」が開催されます。
 最高裁判所大法廷が2023年10月25日にGID特例法の4号要件(生殖能力喪失手術要件)を憲法13条違反と判断して1年以上が経過しましたが、未だに法整備はなされていません。他方、米国でトランプ氏が大統領に就任した直後からトランスジェンダーの存在を消し去るような政治方針を矢継ぎ早に打ち出し、日本国内でも世界的にもトランスジェンダーの人々が混乱や困惑、さまざまな困難に直面しながら生きる日々が続いています。
 3月31日のトランスジェンダー可視化の日、TransgenderJapanは改めてトランスジェンダーが主体的に生きるために必要な法制度の整備を求め、その可視化のために「トランスジェンダー国会」を開催します。事前申込不要で会場に参加できますほか、オンライン配信もされます(配信終了後はアーカイブ視聴できるそうです)。PRIDE JAPANでも後日、レポートをお届けする予定です。

トランスジェンダー国会~GID特例法議論の現在~
日時:2025年3月31日(月)17:30~20:00(予定)
会場:参議院議員会館講堂
主催:一般社団法人 TransgenderJapan


【追記】2025.4.1
 3月31日、「李琴峰さんを支える会」が立ち上がりました。
 こちらの記事でお伝えしたように昨年11月20日(トランスジェンダー追悼の日)、芥川賞に輝いた初の台湾人である李琴峰さんが執拗な誹謗中傷・アウティング・ヘイトに堪えかねてカミングアウトし、現在、日本と台湾において、加害者を相手取って複数の裁判を闘っています。被害者である李さんを独りで闘わせたくないという思いから「支える会」が立ち上がりました。
「私たちが「支える会」を立ち上げたのは、李さんが受けているこれらの被害が、決して李さん1人の問題ではないと知っているからです。性的マイノリティの人たちが攻撃にさらされやすいことの背景には、長きにわたる社会の偏見と無理解があります。#MeToo運動と同じで、被害者が被害を受けたのは本人が何かをしたからではなく、不平等な権力関係と、マイノリティの個人の自律性と主体性をないがしろにする有害な文化が、構造的な暴力を絶えず生み出し続けているからです。
 性的マイノリティの個人が、性的指向や、性別を移行した過去を本人の了承なしに、悪意をもって暴露されること、そして、そうしたマイノリティ属性が原因で、オンラインを中心に誹謗中傷されること。LGBTQ+に対する差別が歴然とある社会において、これらは決して李さん1人が受けている被害ではなく、誰にでも起こりうることです」
「私たちは、李さんの裁判を支援するとともに、李さんがこのような被害を受けていること、そしてそれが李さん1人に限らない問題であることを、日本、そして世界の人びとに伝えるべく活動します。私たちは、そうした被害の背後に潜む構造的な暴力と差別について、皆さまと一緒に考えていきたいと願っています」

 これまで李琴峰さんが個人で受けつけていた裁判への寄付や応援メッセージについても、これからは「支える会」が窓口になって受け付けるそうです。応援いただける方は、ぜひこちらの「支援・寄付をする」ページからお願い致します。応援メッセージも受けつけています。

 

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